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「京都vs広島(2022.11.30)、生観戦日記(その1。「新アリーナ構想」の自分的考察)。」【Bリーグ】

 プロローグ(京都の現在の「最重要命題」の一つ、「新アリーナ構想」の最適解を一バスケファンとして考える)。



 10月1日土曜日、つまり今季の開幕戦の朝にアップしたnote記事。
 この(その1)で、Bリーグ(日本バスケ界)の目下の再重要トピックである「新B1構想」について言及させて頂きました。
 「新B1構想」自体は、「総論は共感、各論はとても違和感」が、現時点での自分の考えです。これは現在も、正直全く変化していません。
 尤も、「新B1構想」自体は自分は共感であると申し上げてますけど、この「新B1構想」の中心軸にあるのが「新アリーナ構想」です。


 「新アリーナの構想はあるようだけど、『用地が限られていること』『地元住民の理解』等、ハードルは否めない。尤も京都の場合、『目下の集客力の向上』が『そもそもの課題』としてあるけど…。」

 10月1日のnote記事で、自分は「京都の新アリーナ構想」について、上述のことを綴らせて頂いてます。


 で、10月7日のnote記事で、「新アリーナ構想に思うこと」を、暫定的な感じでですけど、言及させて頂いてます。


 で、今回のnote記事のプロローグとして、「『京都の新アリーナ構想』についての考察」をさせて頂きますけど、現況のことから話を始めさせて頂きます。


 【「京都の新アリーナ構想」の現況。】
 現アリーナ(京都市体育館。西京極)は、昨季の最終戦(2022.5.8、vs島根)が「3181人」、今季の開幕戦(2022.10.1、vs仙台)が「2902人」。これが現時点での「ほぼ最大収容人数」であり(実際は両日共に少しの空席はあったが)、現アリーナは最大で恐らく「3300人程度」
 今季の現実目標が「土休日の開催試合で安定して2500人超え」と目されているのはこれが理由だが、この現実目標をクリアできても「新B1参加のクリアライン」には届かない計算。
 現アリーナの構造上、「VIPルーム」設置は「確実に不可能」。これをも考慮すると、「新アリーナ構想の実現はマスト」になる現況。


 ・既に水面下で「新アリーナ構想」は動き始めている。本命案と位置付けているのが、「地下鉄北山駅近く、京都府立大学の体育館の建て替え」の案(後述するが、これが「A案」になる)
 
しかしこの「A案」は、はっきり述べれば「既に揉めている」。具体的には「大学との共同利用はより望ましい案といえるのか」「開発対象には京都府立植物園が含まれるが、自然環境との共存の観点に抵触するのでは」が特に大きな理由

 ・現時点では、いわゆる「A案(北山案)」は「構想を進めることの保留」の状況とみられる。とはいえ具体的な代替案は、あくまでも噂ベースの域を出ていない。いまいえることは、「『A案(北山案)ありき』では、遺恨が残ることは恐らく不可避であり、他に考えられる案と公正に比較検討しながら、『最適解』を見出していくこと」が求められていること。

 ・では、「新アリーナ構想」で「A案(北山案)」以外で考えられ得る案は、下記の4か所である。
 
「B案(地下鉄国際会館駅、宝が池公園)」「C案(叡山電鉄京都精華大学前駅、京都精華大学の向かいの土地)」「D案(京阪宇治駅、お茶と宇治のまち歴史公園)」「E案(JR長池駅、木津川運動公園)」
 
結論から述べると、「A案~E案のいずれも、何かしらの障壁がある」。つまり「考えられる障壁をそれぞれ考慮した上で、最適解を見出していく」感じになるのではと
 ちなみに亀岡の京都サンガFCのスタジアム周辺は、「考え得る土地自体がない」。つまり亀岡については事実上は候補になり得ない。


 「京都の新アリーナ構想」の最適解が難しいのは、「海沿いの埋め立て地を用いる」という「ウルトラC」の選択肢がないからが大きい。それ故に、「A案~E案」のいずれも、「何かしらの障壁を突破する」リスクを抱えてしまっている
 加えて
立地面を考える際に「丹波地域(福知山・綾部・園部地域)」「南部地域(宇治・城陽・長岡京地域)」への考慮も必要になってくる
 「A案(北山案)」が本命案と位置付けられているのは、恐らくこの立地面が大きい。しかし
「A案(北山案)」を強行突破することは必ずしも望ましいとは言い切れないという疑問符が、より難しくしている


 そう、実は京都の「新アリーナ構想」。本命案は既に存在しています。


https://www.mext.go.jp/sports/content/20210506-spt_sposeisy-000014720_4.pdf

https://www.pref.kyoto.jp/bunshi-kan/documents/r2_kitayamaeriaseibikihonkeikaku_1.pdf


 何故か、正常なリンク添付ができていませんけど、いまリンク添付させて頂いた「2つのPDF資料」で、「京都北山アリーナ構想」がはっきりと明確に言及されています。しかもこの「京都北山アリーナ構想」の検討委員会には、京都の運営会社である「スポーツコミュニケーションKYOTO」が名を連ねています
 つまり、少なくとも現時点では、京都は「球団としては、A案(北山案)が第1希望である」という姿勢であることになります。



 いま、一気に7つの関係記事をリンク添付させて頂きましたけど、いまリンク添付させて頂いた一連の関係記事が、「新アリーナ構想、A案(北山案)をめぐる現況」の問題の根深さを示していると映ります。
 そう、「A案(北山案)を必ずしも否定することはよくない、他の案と比較検討の結果として北山案がより望ましいという判断になれば、尊重されて然るべき」とは思うのです、ですけど一方で、これは特に強く強調したいのですけど、「A案(北山案)という『結論ありき』には強く反対の気持ちを示したい、A案自体に自分は反対ではないけど、『新アリーナ構想』は考えられ得るいくつかの案を公正に比較検討した上で、より望ましい最適解を見出すことが必要であると強く伝えたい」、これが自分の考えです。


 【京都の「新アリーナ構想」、考えられ得る「5つの案」、概要。】
 A案(「地下鉄北山駅」、駅から徒歩5分ほど[大学の門まで]、「京都府立大学の体育館」の建て替え案。)

 B案(「地下鉄国際会館駅」、駅から徒歩5分ほど[公園の入り口まで]、「宝が池公園の北園」の使用案。北園自体はとても広い土地で、公園らしい「緑いっぱいの場所」。しかし京都市民の憩いの場でもあり、それ故にある障壁が。)

 C案(「叡山電鉄京都精華大学前駅」、駅から徒歩すぐ、【京都精華大学の真向かいの土地」の使用案。現在は主に駐車場で、一部に空き地もあるが、建設においては恐らく一部に農地の使用の可能性が高い。)

 D案(「京阪宇治駅」、駅から徒歩2分ほど、「お茶と宇治のまち歴史公園」の使用案。考えられる土地自体は駅のホームから見えるが、建設においては公園内の史跡との兼ね合いで、どう折り合いをつけるかになりそう。)

 E案(「JR奈良線長池駅」、駅から徒歩5分ほど[公園の入り口まで]、「木津川運動公園の大芝生広場」の使用案。大芝生広場自体はとても広い土地で、公園自体がかつて「京都サンガFCの新スタジアムの候補地の一つ」であった。土地自体は対応はできそうだが、別の障壁がむしろ不安。)


 実は自分は、この京都の「新アリーナ構想」、「A案~E案」の5つの候補地をすべて、自分の足で直接視察をさせて頂いています。
 下記に、自分自身の視察を踏まえての、それぞれの案の「長所」「障壁」をそれぞれ読み解いていきます。


 A案(「北山案」。「地下鉄北山駅」、駅から徒歩5分ほど[大学の門まで]、「京都府立大学の体育館」の建て替え案。)
 (視察日[2022年8月25日])



 【A案(北山案)の「長所」「障壁」。】
 (長所1)「立地面のよさ」。地下鉄の駅から徒歩10分圏内であり、バリアフリーにも対応。京都駅から一本でいけるので、遠方の人間への考慮でも有力な案の一つではある。
 (長所2)「大学の体育館の建て替え」であるので、用地の確保は問題ない。

 (障壁1)「大学との共同利用」を想定であり、この時点で「ベストの案ではないことは明らか」。実際、すでに京都府立大学の学生・OB・OGからは反発の声が少なからず起きている。
 (障壁2)近隣である「京都府立植物園への負の影響」が懸念されており、この懸念が実際にありそうとなれば、「環境アセスメント」への抵触をも含めて、大きな遺恨リスクが。いずれにせよ、既に近隣住民や学生の反対の声が公然とある訳で、それを強行突破してまでする意義がどれほどあるかは大きな懸念といえる。



 視察した当初は、「ベストではないけどベター」と感じていました。
 ですけど、「5つの候補案のすべての視察を踏まえて」の現時点では、
 候補の一つとしては検討の価値はあるけど、優先順位の1番手としては『NO』である。
 これが、自分の正直な考えです。

 「京都府立植物園への負の影響」は、正直わかりません。
 ですけど、「大学との共同利用」の時点で「ベストの案ではないことは明らか」である、自分は正直、このように感じています。
 確かに、立地の面では、5つの案の中では「B案」と共に「よりプラスの案の一つ」であるとはいえます。ですけど、「大学との共同利用」の時点で、自分は「必ずしも反対ありきではないけど、でも賛成とは言えないなあ…」の感覚になってしまいます。


 B案(「宝が池公園案」。「地下鉄国際会館駅」、駅から徒歩5分ほど[公園の入り口まで]、「宝が池公園の北園」の使用案。)
 (視察日[2022年8月25日])



 【B案(宝が池公園案)の「長所」「障壁」。】
 (長所1)「立地面のよさ」。地下鉄の駅から徒歩10分程度であり[駅の改札から北園までの距離としては]、バリアフリーにも対応[ただし起伏はある]。京都駅から一本でいけるので、遠方の人間への考慮でも有力な案の一つではある。しかも最寄り駅は地下鉄の始発駅であるので「望めば確実に座って帰宅できる」意味でも、立地面では5つの案の中で最も有利。
 (長所2)京都市立の公園であるので、「行政の協力」が見込めれば、有力候補地である北園自体はとても広いので、「土地の確保」はE案と共に「恐らく最も容易である」。
 (長所3)「用地の確保が容易」であるので、アリーナの収容人数やアリーナの形状は「沖縄アリーナモデルに恐らくより近付け得る」。また、アリーナの列待機の場所や駐車場の確保が容易であることもプラス。


 (障壁1)唯一最大の障壁は「環境アセスメントの抵触リスク」。京都市民の憩いの場としても既に機能しており、これも「環境アセスメントの抵触リスク」をより高めている。



 結論から述べます。
 「唯一最大の障壁である『環境アセスメントへの抵触リスク』をクリアできるのか。これがクリアできれば、『立地の面では5つの案の中でno.1の案』であり、しかも『より理想型に近い新アリーナ』を望めそうなので、一気に本命案になるけど、『環境アセスメントへの抵触リスクを考慮すると、心情的にはベストの案と言いたいけど、現実論としては【D案】と共に優先順位が最も低くなる案になる』と考えざるを得ない。」
 これが、現時点での自分の正直な考えです。


 正直、いま述べたように、心情的な意味では「A案(北山案)≦B案(宝が池公園案)」であるのです。「環境アセスメント」という障壁さえクリアできれば、「これ以上の案があるだろうか?」と感じるほどに、長所がいくつも挙げられますので。
 ですけど、「環境アセスメント」の障壁は、いまの社会状況に照らして、「それ自体がとても大きな障壁リスク」になってしまう。つまり現実論的な意味では「A案(北山案)≧B案(宝が池公園案)」と考えざるを得ません

 「A案(北山案)」が現時点での本命案であるのは、この「B案(宝が池公園案)」が抱える障壁がとても大きすぎるから、これが正直影響していると想像できます。
 そう、「A案(北山案)」「B案(宝が池公園案)」のいずれもが「障壁リスクが大きい」、だけど立地面を考慮すると、できればこの2案のいずれかでまとめられるとより理想である、それ故に京都の「新アリーナ構想」は、問題がとても根深いと映るのです。
 ですけど結論的に述べますと、京都の「新アリーナ構想」は、「A案(北山案)」「B案(宝が池公園案)」のいずれも「案の一つとして検討の意義はあるけど、あくまでも次善案の位置付けで考えた方がより望ましい」、これが現時点での自分の正直な考えです。


 C案(「叡山電鉄京都精華大学前駅」、駅から徒歩すぐ、【京都精華大学の真向かいの土地」の使用案。)
 (視察日[2022年10月11日])



 

 【C案(京都精華大学前案)の「長所」「障壁」。】
 (長所1)「駅から目の前である」ので、バリアフリーが容易であることを含めてプラスといえる(ただし駅がやや高台にあるので、新アリーナ案の場所までは必然的に下り坂になる。また帰りの電車へと向かうためには橋の改良が必要である)。
 (長所2)「洛北地域の活性化の一助に」。鞍馬・貴船地域の観光との親和性が強く、春夏秋冬の季節感を味わえる場所であることは魅力といえる。また、(徒歩20分近くを要するが)近くには京都産業大学があり、真向かいの京都精華大学等を含めて、学生世代の集客の一助になり得る。
 (長所3)用地の一部に農地がある障壁をクリアできればだが、メインである京阪方面に加えて、地下鉄国際会館駅へのバスを含めてJR・阪急・近鉄方面への対応もできる。


 (障壁1)この付近の用地は「少なくとも20年間、ずっと変化がない」、これは駐車場・空き地・農地のいずれも。駐車場の部分だけで新アリーナの確保自体は恐らく可能だが、待機列の確保をも考慮すれば、現実論としては微妙に入り組んでいる農地をも確保せざるを得ない。いわゆる「用地交渉リスク」の障壁をクリアできるか。
 (障壁2)「用地交渉リスク」をクリアできたとして、それとは別の障壁が「アクセス面の不安」。確かに駅前であることは魅力だが、叡山電鉄は「『2両編成』『本質的には登山電車』『10分間隔が限界』『京都駅と直接つながっていない』」と負の要素がいくつも。わかりやすく述べれば「収容能力に根源的な不安が」になる。京都駅や阪急方面への対応は、地下鉄国際会館駅へのバス(現実的には路線バスに加えて、臨時の直行バスを含めた対応になるか)を用いることになるけど、臨時の直行バスのフル活用をしても、「収容人数への不安リスク」は拭えない感が。



 実は、自分の1回目の大学時代は、「京都産業大学」でした。
 で、叡山電鉄で通学していました。ですのでこの「C案」は、思い出の場所でもあります。
 (京都産業大学へは、1駅奥側である「二軒茶屋駅」で利用していた。それと、叡山電鉄の独特の「のどかな雰囲気」が、自分、大好きなんですよね。)

 ですので、「新アリーナ構想」を考えるにあたり、「A案(北山案)」「B案(宝が池公園案)」のいずれも「優先順位がより高い案とは推せないよなあ…」と判断して、それを踏まえると、できれば京都市内で他に候補地になり得る場所はと考えたときに、この「C案(京都精華大学前案)」が浮上したのです。


 では結論的な自分の考えはどうかというと、下記の感じになります。

 「『A案(北山案)』『B案(宝が池公園案)』よりは『より現実的な案として推せる』けど、収容人数は恐らく『6000人規模』でまとめざるを得ない感が
 『用地確保リスク』がクリアできたとして、
最大の障壁は『アクセス面、特に収容能力の脆さ』メインである『叡山電鉄』が2両編成でかつ『京都駅と直接つながっていない』、この時点で不安リスクな上に、京都駅方面への対応アクセスに浮上する『地下鉄国際会館駅への臨時の直行バス』(もともと路線バス自体は存在しており、京都産業大学・京都精華大学と国際会館駅をつなぐ路線として大きな需要がある)も、結局はバスなので『収容能力の限界感』は拭えない
 
『洛北地域の活性化』『学生世代の集客力への期待』の意味では大きなプラスの案といえるけど、5つの案を比較検討した場合、『A案よりはよいけど、2番目の案にすぎない』が正直な感覚である。」


 これが、現時点での正直な自分の考えです。

 そう、「駅の前であり、大学の真向かいでもある」ので、その意味では一見すると「アクセス面が良好である」ように映りますけど、「京都精華大学前駅」の地理的な位置付けを考慮すると、「京都市内ではあるけど、アクセス面、特に収容能力の面では『5つの案の中で断トツでワースト1である』」と考えざるを得ません。しかも「メインである電車が、京都駅と直接つながっていない」ことが、特にマイナス要素になってしまうのです。これでは遠方からの集客、特に「アウェーブースター泣かせ」になってしまいます。

 あとで述べますけど、「E案(木津川運動公園案)」が障壁リスクのクリアが難しいという判断になった場合は、この「C案」が最有力の案に浮上しますけど、「よりベストの案」とは、はっきりと「推せない」感が正直拭えません。


 D案(「京阪宇治駅」、駅から徒歩2分ほど、「お茶と宇治のまち歴史公園」の使用案。)
 (視察日[2022年11月15日])



 【D案(京阪宇治案)の「長所」「障壁」。】
 (長所1)「駅から至近である」ので、バリアフリーが容易であることを含めてプラスといえる(用地自体は「駅のホームの目の前」である)。現時点での最寄り駅は京阪宇治駅だが、将来構想としてこの近くにJR奈良線の新駅の構想があり、実現できれば京都駅に直結になるメリットが。そう考えると「立地の面」では「A案・B案にやや劣るが、C案・E案よりは上回る」ので悪くないといえる。
 (長所2)公園自体が宇治観光のスポットの一つであり、近隣には平等院鳳凰堂があり、「宇治・城陽・伏見地域の活性化の一助」として期待できる。


 (障壁1)「史跡との兼ね合い」。公園のおよそ半数ほどの部分が史跡として指定されており、用地自体は「史跡に抵触しない範囲での建設は恐らく可能」ではあるが(尤も「史跡に抵触しないように建設する」場合でも、近隣の駐車場を含めるなど、工夫はどうしても必要になりそう)、用地的に大きな規模のアリーナは望めそうではなく、収容能力は「6000人規模」にとどまりそう。



 結論から述べます。
 「駅から至近であり、実現できれば面白い案ではあるが、『史跡との兼ね合い』自体が大きな障壁リスクと考えざるを得ない。用地自体は『史跡に抵触しない範囲での建設は恐らく可能』ではあるが、それを考慮と考えると大きな用地は恐らく望めない。
 それでいて、『立地面』で『A案(北山案)』『B案(宝が池公園案)』をより上回るとは言えない。これらを総合すると、『5つの案の中では最も優先順位が低い案』と考えざるを得ない。」

 これが、現時点での自分の正直な考えです。


 視察した日は、公開練習の日でして(公開練習は「横大路体育館」、場所としては京阪の淀駅と中書島駅の中間地点になります)、その朝に訪れました。
 実は「京阪宇治駅」とは別に「JR宇治駅」がありますけど、この2駅は「駅名は同じだけど、場所は実質1駅分離れている」立地関係でして、実際に歩くと「およそ900mほど、徒歩15分程度離れている」のです
 で、これは噂ベースですけど、「JR奈良線の新駅として、黄檗駅と宇治駅の間に新駅を設ける構想がある」と伺っています、その場所がどうやらこの京阪宇治駅に近い場所であると。ただこの構想は、「あくまでも噂ベース」の域を出ずで、少なくとも向こう5年で新駅が実現するとかの雰囲気は実際に歩く限りでは全く感じられませんでした。

 用地そのものは「京阪宇治駅のホームの目の前」で(徒歩2分ほどと述べたのは、駅周辺の構造の関係からです)、駅のホームから見ると、結構大きな土地に見えるのです。ですけど、実際に歩くと、「史跡に抵触しないように考慮」の観点をも含めると、意外と土地は広くなさそうだと。
 「立地面」「用地面」の両面で、他の案をより上回るとはいえないことに照らせば、「案の一つではあるけど、5つの案の中では『最も優先順位が低い案である』」、それが正直な立ち位置と映ります。
 わかりやすく述べれば、「C案(京都精華大学前案)≧A案(北山案)≧B案(宝が池公園案)≧D案(京阪宇治案)」になります。


 E案(「JR奈良線長池駅」、駅から徒歩5分ほど[公園の入り口まで]、「木津川運動公園の大芝生広場」の使用案。)
 (視察日[2022年11月30日])


 


 【E案(木津川運動公園案)の「長所」「障壁」。】
 (長所1)「用地確保の面」では、想定される「大芝生広場」はとても広いので、「10000人収容規模のアリーナ建設」は高確率で可能である。しかもこの公園はかつてはサッカーの京都サンガFCの新スタジアムの候補地の一つとして構想されていた(新スタジアム構想は最終的には亀岡でまとまり、現在に至ります)、それ故に「行政の協力」が見込めれば、建設は恐らく容易ではあること(公園自体は京都府立の公園である)。
 (長所2)JRの駅から徒歩10分程度であり[駅の改札から大芝生広場までの距離としては]、バリアフリーにも対応[ただし起伏はある]。京都駅から一本でいけることも、大きな長所の一つといえる。


 (障壁1)公園自体は用地確保さえいければ話自体は一気に進み得るけど、実現には「ある改良」が確実に必要になる。具体的には「JR長池駅の改良」であり、「城陽~長池の複線化」「長池駅自体の改良」「長池駅の南側に引き上げ線の設置」「城陽駅止まりの電車を長池駅止まりへと1駅延長する」等といった一連の改良が確実に必要になる、これを実施するために恐らく「2年程度は必要」になりそう。特に引き上げ線の設置実現には、実は民家があり用地買収リスクの難航リスクがある、この障壁をクリアできるか。



 結論から述べますと、現時点での自分の正直な考えです。
 「京都の『新アリーナ構想』、正直『これが最適解であると即答できる選択肢はない』、だけど『A案~E案で最もリスクに比してのリターンが見込み得る選択肢』は恐らくこの『E案(木津川運動公園案)』になるのでは?」

 そう、結論的に述べれば、京都の「新アリーナ構想」、自分が考える「より望ましい優先順位」としては、下記の感じになります。


 【京都の「新アリーナ構想」、自分が考える「より望ましい優先順位」。】
 (優先順位1)「E案(木津川運動公園案)」
 (JR長池駅、及びそれに関係する一連の改良が叶うならば、「用地確保自体は恐らく容易そう」であることを含めて、これが恐らくベスト。やや遠いけど、京都駅まで一本であるので、立地面でも悪くない意味でも。)

 (優先順位2)「C案(京都精華大学前案)」
 (用地確保の観点、特に農地の問題をクリアできれば、「学生世代の集客との親和性」の意味でも、次善案としてはよいのではと。尤もメインである叡山電車と直行バスの併用になるので、収容能力への限界感が。)

 (優先順位3)「A案(北山案)」
 (現時点での本命案。立地面では最も望ましい選択肢ではある。しかし「大学との共同利用」自体がベストの案に的確とはいえず、既に揉めていることに照らしても「強行突破せずに、一旦立ち止まって他の案との比較検討がより望ましい」が正直な考えです。)

 (優先順位4)「B案(宝が池公園案)」
 (立地面ではA案よりも望ましいし、心情的には最も推したい。だけど「環境アセスメントへの抵触リスク」は、それだけで「断念やむなし」といえる大きなリスク要素。あくまでも「次善案の一つ」の域を出ない。)

 (優先順位5)「D案(京阪宇治案)」
 (「駅から至近である」ことは大きな魅力だけど、「京都駅と一本ではない」「史跡への抵触リスク」を考慮すると、「5つの案の中では最も優先順位が低い案」になる。除外ではないが最終手段的な案の位置付けか。)



 実は、実際に視察する前は、「駅からやや離れていると伺うし、そもそも長池駅の1駅手前の「城陽駅止まりの電車」がJR奈良線の半数ほどあるからなあ…(つまり電車の本数が半減ということ。しかも長池駅は「快速の停車駅ではない」ので、昼間時間帯は「1時間に2本」しか停車しない)、という訳で、「有力な候補案としてふさわしいといえるのかなあ…?」と疑問符を抱いてました。
 ですけど、いざ実際に歩くと、駅から公園の入口までは「徒歩5分ほど」でいけるのです(尤もそこまでが上り坂であるので、年配の人間にはきつそうだなあ…とは映りますけど)。
 で、公園自体が「広い」「高台にある」「公園の中がさらに上り坂である」感じで、駅から公園の大芝生広場までは、確かに「徒歩10分~13分程度」の感じです。現在の「京都市体育館」も、公園の入り口から体育館までは「だましだまし結構歩く」ので、その意味では似ているかもです。

 で、大芝生広場の近くに、「ファミリー広場」「多目的広場」があります。そこを活用すれば、「憩いのスペース」「開場前の待機場所」として機能できる感じになるかなです。


 で、実はこの「木津川運動公園」、かつては「サッカーの京都サンガFCの新スタジアム構想の候補地の1つ」でした(最終的には「JR亀岡駅近く」になったけど)。で、この公園は「京都府立の公園」です。
 そう、現時点で本命案である「北山案」は、「既に揉めている」訳で、そう考えると「代替案」というか「別の案」を可能性として考える必要が生じているのは明らかな現況なんですよね(勿論、既に述べているように、他の案とを比較検討した上で、でもやっぱり「北山案がベストとの判断」であれば、それはそれで尊重されて然るべき、と考えますけど)。

 「京都の『新アリーナ構想』、『木津川運動公園案(E案)』を新たな軸の案として検討を進めるのは、いかがでしょうか?」
 と、球団と京都府の間でコンセンサスがもしとれそうであれば、それで話は一気に進み得るのでは?と。用地自体は「京都府がゴーサインを出せば」いけそうな感じですから。



 で、京都の「新アリーナ構想」、「木津川運動公園案」を「新たなる本命案」にすることは有意義な方法になり得るのでは?と考えるようになっている理由の一つが、実はこの近隣で、
 「京都城陽プレミアムアウトレット構想」(最短で2024年春以降の開業を目指すが、恐らくは「2025年が開業目標?」)
 です。開業を目指すこと自体は既に決まっている感じであり、実際に「大きな空地」と「いくつかの工事車両」を、視察の際にみかけました。



 同じ運営会社(三菱地所さんです)のアウトレットモールで、「神戸三田プレミアム・アウトレット」があります。自分もかつて実際に訪れたことがありますけど、とても広いです。
 「大型ショッピングモール」ができれば、その近くに「フードコート・レストラン街」が恐らくできる訳で、その意味でも「木津川運動公園案(E案)」は、一気に有力な候補案として浮上します。


 そう考えると、一見「いいことづくめ」のように映ります。
 しかし、「公園の整備・改良」だけでいえば、恐らくクリアは容易でしょうけど、実はこの「E案(木津川運動公園案)」には、「大きな障壁リスク」があります、それが「JR長池駅の大幅な改良の必要性」です。これを実現させるには、恐らく少なくとも「2年以上のスパン」が必要と映ります
 (ちなみに自分は「スポーツファン」であることと共に「鉄道ファン」でもあります。それを踏まえて読み進めて頂ければです。)



 このツイートの写真。京都方面行のホームから撮影してますが、写真の手前側が「宇治・京都方面側」、写真の奥側が「木津・奈良方面側」です。
 写真から、いくつかのことを読み取って頂ければですけど。


 【京都の新アリーナ構想の「木津川運動公園案(E案)」の「最大の障壁リスク」、「JR長池駅」がいま抱えている問題点。】
 (「相対式の2面2線」、2012年に駅改良工事が1回なされている。)

 (1)1番線(京都行きホーム)と2番線(奈良行きホーム)の間に、1線分離れているような感じで「スペースが離れている」。
 (2)両側共に単線。「新アリーナ構想」で「木津川運動公園案」の実現を考えると、京都側、つまり「城陽~長池」の1駅分を「複線化」させて、かつ奈良側に「引き上げ線」の設置の実現が望ましい。
 (3)駅から見て京都側の「奈良方面ホーム側」には、「みんなで乗って複線化!」という看板が実際に存在する(尤も駅のホームからは微妙に見えづらいけど)
 (4)ハードルが特に高いのが「引き上げ線の設置」。実は引き上げ線の設置の実現のためには、奈良側にある民家が「用地買収交渉の対象」になる、これをうまくまとめ上げられるか。それともう一つ、同じく奈良側に踏切が1か所存在しており、生活用として一定の機能がなされている感じ。引き上げ線を設置するにはこの踏切を(2両相当分)南側に移設できればより望ましいけど…。
 そう、「踏切の移設を伴う」というのは、ハードルが想像以上に高いので
(はっきり言えば、地域住民の反発リスクになるから)、そう考えると用地的にはむしろ「引き上げ線を京都側に設ける」案がより現実的かも。ちなみに関西圏だと「近鉄藤井寺駅」がこの方法を採っている、この場合「折り返しを3回行う」ことになるけど)。


 そう、「JR長池駅の大幅な改良」、これが確実に必要になります。
 特に「引き上げ線の設置」、これが「大きな障壁リスク」です。
 「用地買収をうまくまとめられるのか?」になるので、より現実的には「『折り返し3回分』を覚悟で、京都側に新たに設ける」、つまり「近鉄藤井寺駅型」の採用になるかなです

 では「JR長池駅の大幅な改良」に着手する場合、「どのような改良がより望ましいのか?」を、下記にて綴ります。


 【「JR長池駅」を仮に改良する場合の、「より望ましい改良案」。】
 (ここでは、「実現可能性」については目を瞑って頂ければです。)

 (1)京都側、つまり「城陽~長池」の複線化工事。
 (複線化自体は、恐らくハードルはさほど高くはない。)

 (2)長池駅自体の改良。具体的には下記の手順です。
 [1]「相対式2面2線」自体はそのままだけど、2番線(奈良方面ホーム)を、より1番線に近付ける。
 [2][1]に加えて、1番線(京都方面ホーム)・2番線の両方を、「現在よりも2両分、ホーム自体を奈良側へと移設工事」をする。
 [3]手順としては、[1]の実現のために、その間は2番線を封鎖して1番線のみの発着とする[ダイヤ上のボトルネックになるが、それは仕方ないと割り切る考え方]。
 [4][3]に着手したら、そこで併せて京都側に引き上げ線を確保する。引き上げ線を確保できたら、改良工事を済ませた新2番線を使用で、もとの「相対式2面2線」に戻すイメージ。
 (引き上げ線を奈良側に設ける場合、「民家に対する用地買収交渉」及び「奈良側にある踏切を2両相当分、奈良側に移設が必要」という障壁が生じるため。ちなみに「引き上げ線を京都側に設ける」場合は、「カーブ上に引き上げ線を設ける」感じになるけど。

 (3)「城陽~長池の複線化」「長池駅のホームを2両相当分、南側に移設する」「長池駅の北側に引き上げ線を設ける」工事を完了でき次第、
 [1]長池駅の「みやこ路快速」「快速」の停車。
 [2]現在の「城陽駅発着の電車」を、「長池駅発着」へと1駅分延長。



 そう、いま、「長池駅」及び「城陽駅」のそれぞれの時刻表をリンク添付させて頂きましたけど、仮に「長池駅」の一連の改良案が実現できれば、

 昼間時・夕方時[京都行き](現行2本→改良案実現後6本)
 昼間時・夕方時[奈良行き](現行2本→改良案実現後4本)

 これの実現が叶えば、「収容能力的なアクセス面」は問題ないといえます。京都駅まで一本ですし、「複線化&快速停車」の実現が叶えば「京都駅まで『快速で30分程度、長池駅始発の普通で38分程度』」でいける計算ですので。
 ちなみに、亀岡にある京都サンガFCの現スタジアム、「亀岡駅~京都駅」は「快速で20分程度」です。それよりかはやや時間が掛かる計算ですけど、「京都城陽プレミアムアウトレット構想」を追い風にできれば、京都の「新アリーナ構想」は、

 「京都の『新アリーナ構想』は、『木津川運動公園案(E案)』が、『より現実的には望ましい案になり得る』といえるのでは?」

 が、候補案の5つの場所のすべてを実際に視察を踏まえての、現時点での自分の考えです。勿論、「最終的にどの案になろうとも、それが『複数の案の比較検討の結果として』、あるいは『球団に携わるあらゆる人間の意見(これは若い世代のインターン・ボランティアの意見をも踏まえてを想定ですけど)を踏まえての判断として』であることが前提だけど、その結果で決めたことならば尊重されて然るべきと考えます。」と併せて申し添えさせて頂きますけど。

 そう、「結論ありき」、つまり現況でいえば「北山案(A案)ありき」で「新アリーナ構想」を進めることがより望ましいとは思わない(繰り返すけど、「北山案(A案)自体に反対である訳ではない」)、それ故に今回、こうして「新アリーナ構想」の考察を、はっきりと言及させて頂いた訳です。


 今回の考察、「プロローグ」として、「新アリーナ構想」を綴らせて頂いたら、気が付けば「13000字以上」という、想像以上にとても長い文章量になってしまいましたけど、一つの参考になりますと、とても嬉しいです。
 では(その2)で、「11月30日の『京都vs広島』の生観戦日記」を、綴らせて頂きます。


 【バスケットボール#19A】

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