自分がGMならばこう描く補強の構想・戦略(2024年オフ、京都)。【Bリーグ】【バスケ】【エッセイ】
「A/TO」「守備(スティール数)」「速攻得点数」、今季の京都の課題(要補強ポイント)は、この3つではっきりしている。だからこそ、今オフに的確な補強ができるかが、とても重要になると伝えたい!
(最初に述べます、「とても長い」上に、
本来ならば、「見出しをより分ける」「2つに分割する」がより望ましかったと思いますが、時間的な関係もあり、今回はこの1つでいきます。
それと、書きかけ的に映る部分もあるかもですが、趣旨・大枠としては書き切っていますので、趣旨が伝われば、と思っております。
今回の文章は、4月21日の佐賀戦を終えたときのイメージで綴ってます。ですので、水野の大怪我云々は反映していません[なお水野については、「負傷を治し切った上で、それから少なくとも1年」は球団に置き続ける、それが「人間としてして欲しいこと」と申し添えさせて頂く感じです。ましてや、京都に人一倍強い想いを持って入団してきた経緯を踏まえるとなおさらそうである、と]。
「こういう考えもあるんだ」というか、今回は「自分が京都のGMならば」のイメージで綴らせて頂いてます、いまの京都に足りてない要素に照らしての、「要補強ポイントにドンピシャの選手」のイメージで。
これを踏まえた上で、読み進めて頂けると、とても嬉しいです。)
「16勝40敗、勝率.286、全体21位(ワースト4)」。
(昨季が「22勝38敗、勝率.367、全体19位」。)
「こんなはずではなかった」。今季の京都に対する、1人のバスケファンとしての、自分の正直な感情です。
客観的に見れば、「こんなはずではなかった」今季に陥ったのは、「1位(横浜BC)、2位(京都)」、この2球団が特にそうであることを、感じているバスケファンは結構多くいるのでは?と想像の感じです。
横浜BCのことは、後日に別途にnoteで「河村の現在地」のことを、綴らせて頂こうと思っておりますので、そこで言及させて頂こうと思っていますけど、残り4試合を考慮すれば、恐らく河村は「アシスト王という定位置」は確保できそうと読んでますが、今季の開幕前(自分を含めて、「CS出場はまず濃厚というか、RS中地区1位通過も充分に現実圏、論点は『CSでどこまで勝ち上がれるか、ファイナル[そして優勝]に届くか』」と思っていたバスケファンは結構多いのではと想像です)にイメージしていた「横浜BCとしての結果、立ち位置」を考えると、
「CS出場どころか、勝率.500にも届かない」
特に3月27日以降の「直近11試合」では「1勝10敗」(それも、大敗の試合も少なからずある)、この現況は全く想像できなかった、少なくとも自分はそうです。
そう、今季が「こんなはずではなかった」という意味で、横浜BCに次いで「酷い(ひどい)シーズン」になってしまったのが、「京都」である。
似た成績でいえば、「北海道」や「茨城」もそうかもしれません。ですけど、「茨城」は昨季から、「HCとGMの意思疎通が思うようにできていなかった」感じが隠せていませんでしたし(尤も「選手間の雰囲気自体はとてもいい」。それと、選手の中に「明らかにB1レベルではない選手が複数人」いてるの感じで、志向するバスケスタイルは魅力的な一方で、選手の質には不安感が否めなかったこと。それに、PSG(プレシーズンゲーム)での「vs北海道」で「酷い内容」であったことも「今季はある程度は苦しむだろうな」の感じだったんですよね(とはいえ、これほどに苦しむとはですが)。
あるいは、「北海道」。ここについては、資金力、立地の両面で、そもそも限界感がある。正直、「B2降格もゼロではない」と読んでいました。そう、「見た目的な戦力値に比して、実際勝利数以上に頑張ってるが伝わる」んですよね。
確かに失点数は多いですけど、「より攻撃回数を多く」「ハードワーク」が、徐々にだけど「球団カルチャー」として根付き始めている感じで。それに、立地的な不利さを逆手にとって、「島谷、関野、菊地」と、地元選手を軸にチームづくりをすることも、理に適っていると映るのです(特に島谷は、MIPが「Improved(最も成長した)」であれば、そこに票が入るに値すると思えるほどの「嬉しい誤算」といえる成長を示してます)。
似たような勝利数でも(北海道は17勝、京都は16勝)、北海道の今季は「むしろより前向き」と映るんですよね。いわば「思ったよりも勝負できている」と。
「こんなはずではなかった」でいえば、「大阪」もそうです。選手編成的には、「勝率.500は現実的なラインといえる戦力」ではあったと思ってるんですよね。ただ、「よくないなりにも、勝率.400程度ではまとめる感じになりそうなこと」「PSGでの内容が酷かったこと」「志向するバスケスタイルに比して、年齢構成が高いこと」といったことを考えると、
ただ、大阪について述べれば、「EFFに優れる≠チームを勝利に導ける」という選手っているんだなの感じで。名指しをすると「ロング」のことです。
そう、確かに「得点能力に優れる(なお、ほぼゴール下限定)」。でも一方で、「守備能力に限界感がある(サボっているのではない、そもそもの守備能力に限界があるのだと。北海道時代から失点数が多かったですけど、「ああ、そもそも『無理なものは無理』ってタイプだ」と)」「FT成功率の低さ(60%という許容ラインを下回っている)」、いわば「長所を短所でプラマイゼロにしてしまっている」。
はっきり述べれば、「B1残留のためには必要(『点を取る形』の意味では一定の計算はできるので)だが、よくて『勝率.500ライン』の選手。『CSレベル』に到達のためならば、むしろ『足枷(あしかせ)でしかない』」。
で、ロングは、「HCの希望で補強した」(これは、昨オフの大阪のブースターミーティングの場で、黒木前GMが明言してます)の感じですけど、「長所を短所でプラマイゼロにする(少なくとも、市場価値に見合っていない『実質的な勝利貢献度』でしかないことは明らか)中心選手がいるって、こんなにもきついのか…」と突き付けられた感じなんですよね。で、本人なりには全力姿勢が伝わるから、なおさら心苦しいと。
勿論、こうなった要因としては「ロング」だけではないのかな、とも感じますけど。
さらに述べれば、Bリーグの傾向として(一部に例外はあるとはいえ)はっきりした傾向であるのが、「正PGの質」と「チームとしての最終勝利数」がほぼ比例する傾向なんですよね。
直近の2年、大阪の正PGは「鈴木達也」です。いわゆる「ピュアPG」で、ゲームメイクの質という1点では「CSレベル」ですし、大阪での2年間で、特に守備面が大きく成長しています。ですけど、総合力という意味では「中堅球団の正PG」の域を出ない、だからといって他球団から日本人の正PGを獲れそうかというと、そもそも今オフは正PGクラスが市場に出る可能性自体がほとんどなさそうなこともあり(唯一、齋藤[名古屋D]は可能性がゼロではないが、移籍市場に出る場合は「優勝したい」「故郷(神奈川)に近い関東圏の球団で」という理由が容易に想像できるので、いずれにせよ「事実上のノーチャンス」に変わりはない)、そう、大阪が「CSレベル」に返り咲くには、「外国人の正PGの補強が必要」と、自分は強く感じてます。
で、いまの大阪って、「イ・ヒョンジュン」「カロイアロ」の2人がいるといないとで、「質的に全く異なるバスケ」になってると映ってます。そう、カロイアロは年齢的な不安がゼロではないですが、
「外国人PG-橋本-イ・ヒョンジュン-カロイアロ-(?)」
になるんですよね。この「?」、つまり「日本人ビッグマン」になってくる。そう、譲次と併用できるもう1人、これは「短期的な重要戦力」でも「中長期的な『ポスト譲次』」でもある選手、名指しすれば、これは本題の「京都の重要補強ターゲット」でも言及しますが、
「シェーファー(三河)の補強の争奪戦」
大阪は、これに参戦がマスト、と思っているのです。
その上、鈴木達也は、今オフに移籍の可能性があるとも自分は読んでいます。そう、年齢的に「優勝したい」(33歳。ベテランの域に入っている)の思いが強くなる感じですし、
・「かつて在籍した三遠が、今季優勝争いに駆け上がっていること」
・「『CSレベルの球団』であり、かつ『第2PGが要補強ポイントの球団』があること(名指しをすると『島根』。しかも島根の場合、昨オフからずっとこれが補強ポイントとしてはっきりとある)」
・「いまの自身と似た立場である橋本竜馬(北海道→A東京)が、『優勝したい』の理由で昨オフに移籍して、A東京にとって『プラスの影響』になっていること」
そういったいくつもの理由がある。
そう、いまの大阪って、「(竹内)譲次、(鈴木)達也という、2人の『活きた教科書』がいる存在に、特にコアメンバーや若手は感謝ものだよ!」とずっと感じますし、だからこそ達也には、「1年でも長く大阪にいて欲しい」(ちなみにプロデビューは奈良とのことで、「奈良でデビューしたから、いまの自分がいる」とも仰ってます)と強く感じますけど、一方で、「残された選手生命を、自分自身のために充てて欲しい」とも思うのです、その意味で「CSレベルの球団(はっきり言えば「島根」)に行きたいならば、送り出すのみ」が、1バスケファンとしての正直な気持ちです。
そう、ボールは達也側にある訳ですけど、島根と達也はいわば「win-win」にあるといえるのです。
「32分45秒→35分20秒→34分21秒」
いま示したのは、安藤誓の「島根入団以降の3年間での、平均出場時間」ですけど、「他球団の正PGに比して、4分~10分程度長い」のです。
はっきり述べれば「長すぎる。できれば28分程度に収まる感じが、より望ましいのでは」。これは「第2PGが事実上いないから」なんですよね(2022年オフに津山を補強して、津山は島根で居場所を確保できているが、それは「6thマン的な3Pシューター」としてであり、「第2PG」としての当初の思惑としてではなかった)。
さらに述べれば、今オフに大阪に残留を選んでも、どのみち「第2PG」になる可能性が高い(たとえリスクがあろうとも「より質の高い正PGにしないと『CS出場=絵空事』になる」ことは、今季ではっきりした感じがある)、これも自分が、「鈴木達也は、移籍やむなし」と判断してる理由です。勿論、達也がそれでも大阪に残留になれば嬉しいですけど、「後悔のない決断をして欲しい」、これが正直な気持ちなんですよね。
…で、前置きが想像以上に長くなりました。
そう、今季の京都は「こんなはずではなかった」。
今季の開幕前。自分は、京都について、下記の見立てをしていました。
現実論的な見込み勝率に幅がありますが、「勝率.400~勝率.550」、自分は今季の開幕前の京都、このような読みでした。どこかで苦しむときがあるだろうとは思うけど、「志向するバスケスタイル」自体が読み取れない昨季に比しては良化が確実に見込めるから、「ステップの年」にはできるのではないかな、と読んでたんですよね。
「選手の入れ替えの数が半数以上になった」ことについては、自分は「やむなし」と正直思っていました。そう、昨季の京都は、日本人選手の質でいえば「リーグでワースト5以内には確実になるレベル」と考えざるを得ませんでしたので(明らかに「どうしてもB1にいたいから京都に来た」の質の選手が複数人混ざっていたので)。
「年齢構成が極端に若手に偏っていること」は、「ああ、恐らく意図的だろうなあ」とは感じていました。これは、ラナ政権の誕生当初の2022年オフ、永吉が「本人は残留を希望していたが、HCの意向で構想外になった」時点で、「ああ、これも1つの考え方かな」ではあったんですよね。尤も今季の12月頃までは、「永吉がもしいれば、1人の選手(貴重な『日本人の良質の3.5番』であるので)としてもだし、精神的支柱としてもを含めて、とても重要戦力といえるのになあ…」と思った感じですが。
あるいは昨オフでだと、川嶋(秋田→FE名古屋)、彼も岡田と同様に「京都にとっての地元選手」ですし、実際に補強に興味を示しているという噂がありました。で、川嶋は「高速バスケでこそより輝ける」「スティール能力が最大の特徴」という意味でもドンピシャですけど、「オーバー30」という意味で、いわば「京都のタイムラインに合わない」と判断したのかなと。
そう、年齢構成が若手に偏っている云々は、自分はあまり気にしていませんでした。小西、澁田と、「若いけどリーダーシップを併せ持てる選手がいる」から、そこについては大きな問題にはならないと思っていたので。
ただ、「うまくいかないときに、どう対応するのか」の不安は、正直ありました。そう、現実論として、Bリーグには「降格がある」ので(自分は、バスケットボールというスポーツの特性的に「昇降格とは相性が悪すぎる」と思っているので、この「昇降格制度は絶対に不要だよ!」と思っていますが、現行ルールはルールですから)、開幕14試合での成績次第では「降格リスクにおびえ続けることになる」、そこが不安ではあったのです。
で、開幕14試合で「3勝11敗」、開幕ダッシュに大失敗。それも特に、「大阪→A東京→広島→琉球の6連戦」では、「内容的にも酷い試合」を6試合連続で続けてしまいました。
12月以降、「島根から2勝、宇都宮、琉球、川崎に1勝ずつ」を挙げるなど、見せ場を生み出せるようにはなってきました。
で、2月7日の「vs大阪」。ここで前田が負傷離脱から復帰で、「事実上のフルメンバー」になります。さあ、ここからよりギアを上げられるぞ!と思っていた。
ですけど、そこから4月7日の「vsSR渋谷」まで、「1勝13敗」。勝利数もですけど、その間の内容が、開幕直後と同等程度に酷くてと。
で、実は今回のnote記事。実は当初は、4月13日、14日の京阪ダービーに間に合うように、の感じで執筆を進めていました。で、いよいよ執筆のラストスパートと思っていた4月12日(舞洲での京阪ダービー本番の前日)。思わぬアクシデントが起きてしまい(PC関係で故障が発生。PC自体は大丈夫ですが)、執筆を進められない事態が起きました。
で、実は自分、
「同一球団の試合を、6試合連続で生観戦」、勿論、人生で初めてです。
そう、「12日間で6試合」、体力的にも正直ぎりぎりです。
ですけど、「怪我の功名」といえる感じで、この「生観戦の6連戦」を踏まえての執筆になり、結果的に「より有意義になった」感じで。そう、この「6連戦」で、「いまの京都の現在地」「今季の京都の長所と課題」が、一気に浮き彫りになったのでと。
(←「生観戦の6連戦」の感想ポスト。いずれも「ツリー状」です。
「vs長崎(15)」「vs大阪,第1戦(26)」「vs大阪,第2戦(22)」
「vs島根(30)」「vs佐賀,第1戦(21+8)」「vs佐賀,第2戦(18)」。)
では、「なぜ、今季の京都は『こんなはずではなかった』に陥ったのか」へと、話を進めます。
(←「EFF」にカーソルを合わせての、今季のB1の全24球団の成績。
今季の京都が、主要な指標が軒並み「リーグ平均未満」であることが伝わるかなです。)
冒頭でも述べたように、今季の京都は「こんなはずではなかった」。
これは「結果」もそうですし、「内容」でもそうなろうとしています。
そう、主要な指標のほとんどが「リーグ平均未満」です。
昨季の最終勝利数が「22勝38敗、勝率.367、全体19位」。
ですけど昨季は、「スタイル構築1年目」であり、「見ればわかるレベルでの、選手層の薄さ」でした。いわば、わかりやすい「ホップの年」。
これを考慮すれば、「実際勝利数以上に、希望を感じられる年」であったといえます。
あとで改めて言及させて頂きますが、昨季の京都は「志向するバスケスタイルが、最後まで伝わらなかった」。これに対して今季の京都は、「志向するバスケスタイルの大枠自体は、伝わるようになった」。この意味で進歩、成長といえますし、今季の京都の「チームとしての雰囲気自体」は、実はとてもいいのです。それこそ「あなた、勝率.400未満の球団なの?」と。雰囲気だけを見れば、「CS出場争いの球団」と思うほどです。
そう、自分の場合は、「現実的に生観戦できる球団だから」補正もあるのですが、今季の京都は、この補正関係なしに「純粋に『応援したいと思える』独特の雰囲気」を持ってるんですよ。
ですので、「報われて欲しい」。でも一方で、浮き彫りになる「数字」「生観戦や配信観戦を通しての内容」を総合すると、「そりゃあ勝てないわ」ということが、いくつも積み上がってしまっているでもあるのです。
掘り下げた数字を示させて頂く前に、今季の京都は、「志向するバスケスタイルの大枠は、伝わるようになった」と述べましたが、
そう、昨季の京都は、よくも悪くも「特定の中心選手(ライト、ユトフ、ディアロ)への『個人技依存』」でした(これ自体は、B1残留のためにやむなしであった感じがある)。これが今季は、「個人技だけに頼らない、こういうスタイルを目指そう」という大枠を描けるようになっただけでも、進歩、成長といえるのです。
実際、内容はともかく、「選手全員が、同じ方向を向けている」ことは、生観戦のたびにとても伝わってきますので。
それに、いわゆる「ハーフコートバスケ」は、「強者のスタイル」と自分は思ってるんですよね。これは「よくてミドルマーケット」である(これは「都市」「財務基盤」の両面で)京都にとっては、「物理的に不可能」といえるのです。
そう、今季だと「ゴリゴリのハーフコートバスケ」は、「SR渋谷の1球団のみ」です(A東京や琉球もこれに近いが、一方で速攻への意識もとても強かったりします)、でもハーフコートバスケって「一定程度の個人能力があってこそ」だと自分は思うんですよね。それに「強固な守備意識」なくしては成立しないことをも含めて。
そう考えると、京都の志向するバスケスタイルは「走るバスケ」「高速バスケ」になるのは、「とても理に適っている」と自分は思うのです。尤も、あとで改めて言及させて頂きますが、「どのように」の要素が希薄な感じも否めずで、それが「こんなはずではなかった」に陥った理由の1つであると自分は感じていますが。
そう、いま示させて頂いたのは、「攻撃回数、FG試投数をより多く」に直結し得る指標を抽出させて頂いたのですけど、ほとんどが「リーグ平均未満」です、とりわけ「平均A/TO数」「平均スティール数」「速攻得点数」は、リーグ平均どころか最下位争いの方がより近い。そりゃあ「攻撃回数」「FG試投数」がリーグ平均未満にとどまり、「勝負のスタートラインにさえならない」はずだわと。
(←「EFF」にカーソルを合わせての、今季の京都の各選手の成績。)
では、「なぜ、今季の京都は『こんなはずではなかった』に陥ったのか」、及び、「今オフの京都の理想の選手編成(ベストシナリオ)」を示させて頂く前に、ここで、「今季の京都の基本的な選手編成と成績(30分換算でのEFF)」を示させて頂くことから、話を進めます。
「力量の問題」「采配の問題」「意識の問題」「どのようにの問題(戦術の問題」「選手編成の問題」。
(「資質能力の問題」とまでは言いたくない、本人なりには一生懸命なのはとても伝わるので。)
そう、RSを進める過程で、これほどまでに課題が積み上がるとは…と、正直いま自分は、受け容れたくない、天を仰ぐ思いでいます。
ですけど、バスケットボールの恐ろしいところは、「数字という根拠」で残酷に突き付けられるのです。
よく、HCを替えて欲しいといいますが、自分は、HC、スタッフ、選手のいずれにせよ、「相応の根拠なしに安易に変えて欲しいということは望ましくない」という価値観です、いわば「感情論で安易に言うことは、フェアではない」と。
そう、今季の京都は、「とても雰囲気がいい」「同じ方向を向けている」。これってとても大切なことですし、HCを替える云々の基準って、勝利数以上に、「雰囲気が壊れていないか」「ばらばらになりかけていないか」が最大の基準であると思うんですよね、その意味で、ラナHCを今オフで交替ということは「まず考えられない」が、自分の解釈です。
で、いま、この文章を執筆していて、自分はいま、心の中では涙が溢れ出ています。そう、この選手の放出やむなし(それも、自分なりにですが、言葉を選びながら綴ってるつもりですので、回りくどい言い回しになっています)と綴っていますけど、でも一方で、放出やむなしといっている選手とか、テコ入れが絶対に必要といっているマネージャー・アナリストとかにだって、応援している人間は勿論、支えている人間(家族・友人とか)が当然いる訳です。
例えば、放出やむなしの1人に挙げている、「水野」。御存じの人間が少なくないと想像ですが、水野には姉がいます、それも「現役のWリーグ選手(三菱電機。昨季までシャンソン化粧品。特徴は「3P特化型の控えSF」)」です。で、水野も姉も、御互いが御互いを高め合う姿勢が伝わるんですよね、そう、姉は「水野の最大のファン」と想像するのです。自分が水野の姉の立場として、この文章を目にしたら、そりゃあ落胆するだろう、いや「泣き崩れる」かもです。
だけど、バスケットボールの恐ろしさって、まず、ほとんどの要素が「数字」として突き付けられること。水野の場合でだと、「3P試投率でリーグ平均未満」の大きな要因になってしまっています。
そう、水野は、よくいえば「ドライブが特徴で、守備意識が大きく向上」の感じです。それに京都での2年間で「PG/SG/SF、3つのポジションに対応できる」選手に成長してます。イメージ的には「渡辺竜(SR渋谷。今季からB3の福井)」です。
これは昨季までだと、「一定の褒め言葉」でした。実際、渡辺竜の「攻守両面での全力姿勢、特に守備意識の高さ」は、もっと評価されていいと思ってますし、「189cmというサイズにして、PG/SG/SFと3つのポジションに対応可能」なことは、日本バスケ界では稀有といえます。
で、昨オフ、渡辺竜は移籍市場に出ました。「大型の守備型の第2PG(かつ汎用性に優れる)として、どこか手を挙げる球団はあるのでは?」と、自分は読んでいました。ですけど、あくまで噂ベースとはいえ、「少なくともB1球団からは、どこも興味を示さなかった」といわれています(最終的にはB3の新球団の福井[というか、恩師である伊佐HCの球団]に拾われる形になりました)。そう、仮にそうであるならば、「第2PGが要補強ポイント(しかも渡辺竜の場合、SG/SFにも対応できる守備型をも兼ねるので、その機動力を含めて、なおさらドンピシャであると映るのだが)である島根」からも、興味を示されなかったことになります。
それはなぜだろう?と考えたときに、
「汎用性、守備意識≦3P能力の拙さ」(年々、3P試投率が下落傾向)
と判断されたこと。かなりかみ砕けば「『ノンシューター』と判断された」、それが「汎用性や守備意識という長所をプラマイゼロにするほどの短所と判断された」ということです。
これは、いまの水野にもあてはまる、ということになります。実際、相手の守備陣からは「ノンシューター」とみなす守り方をされてますから。で、今季終盤に「守備型」として活路を見出しつつあって、実際、出場機会を増やしてはいました。ですけど、その守備はといえば「まあ、いわれてみれば、そこで印象的な活躍をした部分はあるといえばあるけど…」です。
いま、リンク添付させて頂いた記事。記事名は「あへあへ単打マン」、いわゆる「アヘ単」あるいは「単打マン」という言葉ならば、耳にしたことがあるかもです。
わかりやすく述べれば、いまの水野は、野球でいえば「単打マン」なんですよね。確かにそのドライブ自体は、はっきりと特徴といえますけど、
「汎用性、守備意識≦3P能力の拙さ」
そう、プラスの意味でもマイナスの意味でも、渡辺竜なのです。これが、伊藤達哉(名古屋D)や森井(横浜BC)、あるいは小西だと、確かにノンシューターではありますけど、それを補って余る「アシスト能力」「守備能力」を持ちますから。小西とかは「単打マン」とはいわない。「似ているようで少なからず異なる」になるのです。
あとで言及させて頂きますけど、いまの水野って、「統計指標の急激な発達・浸透」に逆行、これが正直心苦しいんですよね。勿論、「欲しい選手が獲れなかった場合」でならば、残留で全然よい訳ですし、「京都で絶対に成功したい」想いが人一倍強いことが伝わるのでなおさらではありますが。
そう、水野にとって逆風であるのは、ここ3年ほどで、Bリーグが「3P試投率」をどんどん重要視するようになっていることです、特に今季は一気に顕著になっています。実際、3P試投率を増やした選手が目立っている感じですし、3Pを特徴とする選手は、「3P特化型」の傾向をなおさら強めている。
そう、残酷だなと感じますけど、水野の場合、「3Pの試投率も成功率も、これではB1では厳しいなあ…」と。いわば「努力してこれ」なんですよ、とても悲しいですけど。
しかも、姉は逆に、清々しいほどの「3P特化型」です(FGの「80/89」が3Pです)。確かに水野は、今季終盤、出場機会を増やして一定の貢献は伝わりますので、「必要な3P型の補強ができなかった場合は、残留であってもよいとは思う」ではありますが、裏を返せば「現況では、それ以上ではない」と、自分は判断しています。
それに、選手枠が基本は「12人」です(今季の京都は「13人」、これが結局選手枠の圧迫を誘発して逆効果になったと自分は思ってます。個人的な本音は、「むしろ11人スタートでもよかったくらいだ」と思っていましたので)、そう、野球以上に、
んですよね。で、いま、野球やバスケットボールでは、自分が大嫌いな言葉であるとあらかじめ強調した上で述べますが、
「不良債権」「死刑囚」
という言葉があります。この2つの言葉、「ああ、とても酷い言葉だ」と自分は思っていますが、これは2つの意味があると自分は思っていて、
「年俸に見合わない」「その1枠自体が圧迫でしかない」
野球の場合は前者の意味合いがしばしばですけど、バスケの場合、
「その1枠が、勝利貢献期待値をもたらせない枠(この場合、統計指標で出る「WS(Win Share)」だけを述べていない、数字に表れない感覚的な要素をも含んでいますが)」
が生じれば生じるほど、勝利数が減退する(=開幕当初の期待値からかけ離れていく)リスクが大きくなります。
いま、野球やバスケットボールで顕著になってきているのが、
です。この「プロウト」的な存在が、なぜ台頭してきているのか、理由は恐らくいろいろある(単純には説明し切れない)と感じますけど、最大の理由は、ここ3年~5年で急激に顕著になってきている、「統計技術の発達・浸透」である、と自分は解釈しています。
この「統計技術の発達・浸透」。これが、野球ならば「セイバーメトリクス」、バスケットボールならば「アドバンスドスタッツ」です。
今季のBリーグ。「宇都宮の復活」(勿論これは、「ニュービルと比江島が想像以上に融合に成功できたから」も大きな理由の1つと思いますが)、「三遠の大躍進」が特に大きなトピックといえると思いますが、この2球団こそ、いまのバスケットボールの「ビッグウェーブ」といえる
これを最大化したバスケ。野球でいえば「『四死球』『二塁打』『走塁意識(これは盗塁は勿論、エンドラン、ベースランニングとかをも用いる)』を特に重要視する野球」に相通じます。実際、昨季の阪神がそうで、打順的には正直「非効率的」な感じもしますが(個人的には、昨季だと「大山を3番、佐藤輝を4番」にした方が、より合理的だったと自分は思ってます)、志向する野球自体は、
勿論、投手力自体がとても強力であることも大きいのですが、「必ずしも破壊力(長打力)があるとはいえない打線を最大化したことが結実した」といえるのです。
で、三遠や宇都宮。まず、「宇都宮」だと、2021年の年明けからずっと、「よりアップテンポに」を志向する一方で、「年齢構成の高齢化」と「結局、スローテンポを脱却できない」が、年々顕在化の一途になり、昨季は「崩壊の一歩手前」まで陥りました(崩壊しなかったのは、選手自身がずっと積み上げ続けた「ブレックスメンタリティー」を持ち続けたからが大きく、正直崩壊してもおかしくなかった。裏を返せば、いかに「志向するバスケスタイル、カルチャーの確立」がとても重要かがわかる)。
優勝に輝いた「2021-2022」でさえ、「スローテンポ」からは脱却できなかった。最終的に辿り着いたのは、よくも悪くも「戦術比江島」でゴリ押し切る、でした(それが最も合理的であった感じでもありますが。そう、「いかに比江島の1on1を創出させるか」を最重要視した戦術、といえます)。
最終的にこれを信じた安齋HCも、これに応えた比江島も、そしてこれへの「遂行力」の高さを示した他選手も、いずれもとてもすごいのです。あの2022年のCS、特に準決勝(あの川崎を「中立地化」したファンもすごい。第1戦、明らかに川崎は動揺していた)、そして決勝(あの比江島の輝きは、「永遠に語り継がれて欲しい」と強く思ってます!特に第2戦の「4Q,46.5秒」、クーリーとの1on1を決めた[しかもバスカン、1FTも成功]、あの「THE STEP」は永遠の伝説!)。いい意味で、まるで創作の世界です。
で、今季の宇都宮。
実は、攻撃回数自体は、今季も下から数えた方が早いです。感覚的には、いままでより増えてるんじゃない?(リーグ平均に近い感じ)、と映るのですが、実は「スローテンポが、少しましになった程度」。
ですけど、FG試投数になると「リーグ平均の少し下」になります。
これは、宇都宮にしては「かなり改善した」といえます、そう、「年齢構成の高齢化」は、顕在化してから今季が4年目、今季は高嶋や小川の起用で多少は改善してますが、本質的には「高齢化に目を瞑ったまま」です。
とはいえ、「高齢化」をうまく折り合いをつけられているのは、比江島は「オーバー30に突入してからの直近3年の『いま』が全盛期といえるハイパフォぶり」なこと。2022年オフに長期大型契約を結んだ?といわれていますが(公表されていないので、あくまでも噂でしかない。はっきりしているのは2022年オフを境に「生涯宇都宮」の姿勢を明確化していることだが)、今季は比江島に加えて、昨季に衰えの傾向があった遠藤、渡邉裕も「できることの質を高めるにより特化」で復調傾向で、そして(竹内)公輔に至っては「日本人ビッグマンno.1」の座を奪い返すハイパフォぶりです(精神的支柱のみならず、「日本人ビッグマン」の純粋な実力で「パリ五輪の12人枠」の選出に適任!と強く伝えたいです)。
では宇都宮の何がすごいかというと、「A/TO」「3P試投率」です。さらに述べれば、「3Pの成功率」も1位なので、「3P成功数」も1位です。
よりシュートレンジを強調することで、相手守備を拡げさせることができる(「中を閉めればいい」としづらくなる)。これは「3Pの成功能力により自信があるから」も理由の1つでしょう。で、シュートレンジを強調することで、ニュービルや比江島の1on1の創出機会(そして創出された1on1を成功できる確率)をより増やせるという「プラスの循環」になると。
その上、「A/TO」にも優れる。そう、「A/TO」は「バスケIQに優れるを特に顕著に示す指標」と、自分のnoteでは繰り返し強調してますけど。
で、宇都宮の場合、もともと
「破壊力は『比江島』と『ハイロープレイ』に依存な分(実際、宇都宮の試合では他球団に比して、実況の「ハイロー」使用率が高めな印象があります)、守備意識はリーグ最高レベル」
という球団カルチャーがあります(ただ昨季は、「比江島にはやられても仕方がない、他をやらせなければいい」を徹底されて攻略できず、かつてない逆境へと追い込まれた)。
だけど、(年齢構成的に考えて、いまの感じで勝負できるのは今季がラストチャンスかもしれないということで、チームの皆でオフに話し合ったのかもと想像ですが、)
それができること自体が、とてもすごいと思うのです。これは、「京都のこれからのヒント」の1つになり得るのでは?と思ってるんですよね。
それに、宇都宮の選手構成って、「ニュービルと比江島のスーパーデュオを最大級に活かす」で成功した訳です(そしてこれは、Bリーグで主流であった「PGとビッグマンを最大級に活かす」と「ちょっと違う」でもある)。これは、「岡田とライトをより最大級に活かす」で歩んでいくが求められる京都にとってのヒントにもなり得る、と思ってるんですよね。
で、次に、「三遠」。
いわゆる、「個人能力により劣る球団が、最もできる活路」=「より攻撃回数、FG試投数を最大化する」、これを具現化したこと自体がまずすごいのですし、確かに三遠の選手編成って、「バスケIQに優れる選手が多い」印象はもともとあったのです(その一方で、選手層自体は厚いとはいえない)。
ですけど、「負け癖」にどっぷりの球団ですので(野球でいえば「横浜DeNA」「千葉ロッテ」とかもそう、「持っている潜在能力は大きいけど、勝負どころで負け癖が出てしまう」意味で)、そこがネックではと思っていたのですけど、それを一気に超えたと。
何がすごいって、「EFF」「OFレーティング」「アシスト数」「A/TO」「TS%」、この5項目が「ダントツの1位」なんですよ。
その上、「3PとFTを両方共に高い試投数を誇る」(FTの成功率は平均程度だが、3Pの成功率は4位。ちなみに試投数でだと、3Pが2位[1位と1本差なので、1位のようなもの]、FTが1位)。これって、野球でいえば「四死球も二塁打も両方共に高い水準にある」ってことなんですよね。
そう、B2降格相当(コロナ特例で降格を免れたであって、本来ならば降格相当だった。21-22当時は、京都より酷かった)から、わずか2年で、「最高レベルの破壊力」を持つに至った。大野篤史HCの、すさまじい手腕です。
自分は正直、京都ファンの立場としては、昨季の時点では京都と立ち位置が変わらなかったのに、これほどの大きな差を一気に拡げられて、とても悔しいし、受け入れ難いのが本音です。でも、「目の付け所が巧い」、そう、「3P」「FT」「A/TO」という「現代バスケの3つの最重要ファクター」に特化したこと。これは「京都のこれからのヒント」の1つになり得るのでは?と思うのです。
「A/TO」。今季の京都が、最も苦しんだこと。それも、「岡田もライトも、見た目に比してTOが多めの選手」であることはもう浮き彫りになってます。ですので「あともう1人、A/TOに優れるコアメンバーが確実に必要」になります。
「FT」。ジャクソンを置くことはこれ自体がデバフになってしまうことは、残酷なほどに今季ではっきりしました(それも「努力してこれ」)。外国人の入れ替えは不可避な訳ですが、「FT成功率がある程度は見込めること」が求められてきます。それと、「FTを奪取できること」も併せて重要といえるでしょう。これは場合によってはロールプレイヤーにもいえて、そう、「ファウルをもらうプレー」を意識して欲しい(特に、相手で明確にファウルトラブルを抱えている主力選手がいる場合に!)ときに起用できる選手がいると、より心強いといえます。
「3P」。京都の現有戦力では、「ライト」「前田」頼みです。ジョーンズは一定の結果を出してますが、アジリティーや守備能力とかで「はっきりと衰えの傾向」があり、来季の構想に置くのは「NO」と考えざるを得ない。岡田は3P意識が年明け以降は向上の傾向ですが、本質的には「ドライブがより特徴」の選手です。加えて「小西、水野と、ノンシューターが2人」、これ自体がシンプルに枠を圧迫してます。どちらか1人とは放出の決断をして、そこに「3P能力により優れるシューター」を補強できると、より望ましいと映るのです。
尤も特に、「3P能力に優れるピュアシューター」は、昨季に前田に人気が集中したといわれているように(だからこそ、京都が前田を確保できた意味はとても大きかったし、前田は京都にとって「少なくとも今後3年程度で計算したい、中長期的なコアメンバー」と位置付けたい!)、「そもそも移籍市場に出る絶対数自体が少ない」んですよね、なぜってシンプルに、良質な3Pシューターは所属球団が手放したくないですから。そうなると、「欲しい3Pシューターが移籍市場自体に出なかった→水野がもう1年は残留」も、少なからずあり得る(尤も水野自身は昨オフもそうだったが、今オフだって「残留したい」が第一義とはっきりといえますが)と読むのです。そう、「ない袖は振れない」訳ですから。
そして、「速攻得点数」が三遠は2位です(1位は長崎。ちなみに長崎は、「攻撃回数が1位、FG試投数が7位」です)。その1つに「スティールへの意識」(三遠は7位。ちなみに速攻意識が高い代表格の長崎が1位、群馬が2位です)があると自分は思っていて、いわば
と思ってるんですよね。
で、三遠の場合、大野篤史HCの手腕は勿論、コーチ・スタッフの質量も正直あると思ってます。というか、三遠って直近の決算が赤字で、人件費が高めに計上されてますけど、これ、恐らくですけど、
「『チーム大野』が、ほぼまるまるセットで来るとは、球団側は想像していなかったのでは?」
(噂ベースだが、当初は大野HCの招聘の際に、セットで来るコーチ・スタッフは2人程度であったといわれている[計算的にも、そう考えると辻褄は合う。ちなみに自分は「大村SDC+1人」と思ってます]。で、「チーム大野」は、吉田MG[現広島MG]以外はセットで付いてきた[それも、大野HCを慕う感じで]、の感じです。)
と。そう、大野HCの人望の賜物な訳ですけど、今季の三遠で、特に特徴的な役割のスタッフがいます。
いまリンク添付させて頂きましたけど、今季、三遠には「スタティスティカルアナリスト」がいます(宮崎淳也さん)。意味としては「統計専門のアナリスト」です。
ニュービルがBリーグ入りして以降(これが2020年)、これを境に、Bリーグのレベルは一気に加速度的に上昇していってます。で、バスケ界(Bリーグ)での「統計指標で示され得ること」も、ニュービルのBリーグ入りとリンクするように、すさまじいペースで進歩を遂げてます。
いわば「統計指標の急激な進歩・発達」に対応できること(統計指標をいかにうまく活用できるか、ということ)、これはもはや、無視できない感じになってきています。勿論、「統計指標だけが、すべてではない」でもあって、「統計指標では必ずしもすくいあげられない、感覚的なこと」をも含めた総合的な判断になってくる感じでもありますけど(実際、特に「守備型」タイプの選手は、統計指標だけではその選手の特徴を必ずしも投影できなかったりしますので。例えば白濱[島根]とかがこのタイプですから)。
ただ、はっきりといえることは、現況という意味で「宇都宮、三遠」にあって「京都」にないことって、
と。そう、今季の京都は、「ファウル数の管理」「24秒ルールの献上」「同じような失点のされ方」など、「これでは勝てる訳がないでしょう?」という「自滅による負け方」がとにかく目立ちました。
それ故に自分は、「マネージャー、アナリストの2人制の導入」こそが、「今オフの京都の最重要の補強ポイント」である、と述べてますけど、とりわけ、「統計専門のアナリスト」の補強こそ、今オフの京都が最重要、最重要、最重要に補強が必要なこと!と、自分は強く感じてます。
で、補強のことでいえば、「渡邊雄太」のこと。
結論から述べますと、
誤解されたくないのは、そりゃあ心情的には、「渡邊雄太が関西圏の球団に来たら、とても嬉しいよ!」です。でもいまの京都は、「1人の選手に2億円を集中投資できるレベルに到達していない」こともですし、「そもそも、いまの立ち位置は『ステップの年』のままである」。
しかも今オフ、シェーファーを獲れるチャンスがある、後述で言及しますが、シェーファーを全力で獲ることは、「短期的」「中長期的」の両面で、いくつものメリットがあるのです。そう、「名より実を取る」、それが「シェーファー争奪戦をより優先させる」ことです。
そう、渡邊雄太は、「どれほどの成績を叩き出せるのか」に、シンプルにとても興味があります。はっきり述べれば「トリプルダブルをどれほど叩き出せるのか」と。
そう、比較対象を挙げるならば
そう、ビュフォード、エバンスは、実は「NBA経験がゼロ」です。というか「日本(Bリーグ)で大成した選手」であり、エバンスは「将来の帰化希望」を公言するほどに馴染んでます。
あるいは、「ニュービル(宇都宮)」「ニック・ケイ(島根)」「エサトン(名古屋D)」「カロイアロ(大阪)」「ブラックシアー(広島)」といった優良外国人も、実は「NBA経験がゼロ」です。いわば「ニュービル、ニック・ケイ、エサトンでも到達できないNBA」に「6年、213試合出場」、とてもすごいことです(ちなみにNBA経験が長い選手でだと、「レイマン(三河)が『6年、243試合』」「ディアロが『実質4年、183試合』」「ライアン・ケリー(SR渋谷)が『4年、156試合』」です)。
そう、心情的には観たい。でもいまの京都は、必要な補強ポイントをいくつも抱えてます。渡邊を獲ると、負傷欠場時のリスクが大きすぎる(そもそも「2億円を集中投資」できるほどの基盤があるとは思えないので、その時点で「名誉ある不参加」1択ですが)。繰り返しですけど、いまの京都の最善策は「名より実を取る」であると自分は思うのです。
ちなみに、渡邊雄太の争奪戦、「2億円を捻出できるか」もですけど、「プレーリズム」も重要な要素と自分は思ってます。その意味で、少なくとも「A東京」「SR渋谷」は恐らく合わないが自分の読みです、理由はシンプルに「ハーフコート主体」だから。
では、特に合いそうな球団はというと、自分は
自分が渡邊雄太ならば、この2球団のいずれかです。
特に、河村とのスーパーデュオは、是非とも観たい感じです。
(「河村の現在地」は、後日に別途で綴りたいと構想ですが。)
では、話を戻します。
イメージとしては、
になります。(1)~(4)のいずれも、「プランB」のイメージはないです。「上述の補強が、もしいずれも叶えば」ですし、かつ「額面通り、うまくいけば」ではありますが、
それに、上述の補強が実現すれば、「控えの日本人選手6人」のそれぞれに、「役割を明確に付与する」ことができるメリットもあります。
では、「4人の補強ターゲット」について、それぞれに言及させて頂きます。
(補強1)シェーファーアヴィ幸樹(三河。PF/C)[正PFを務め得る、貴重な良質の日本人ビッグマン]。
(←三河の公式による、シェーファーの大怪我からの復帰までの道のりをまとめた動画。自分も観させて頂きましたけど、「おかえり、ずっと待ってたよ」と、思わず感涙になりました。)
今オフの京都は、渡邊雄太をスルーして、「シェーファーを全身全霊で、最優先で補強に動いて欲しい!」、自分は正直、3月の時点からずっと感じてます。で、シェーファーの補強は、「いくつものメリット」がある(これは後述で改めて言及)のですが、そもそも
「シェーファー側の目線として、『今オフに移籍を考える合理的な理由』が存在するから」
でもあります。
というのも、「渡邊雄太」のことを抜きにして考えますけど、
「Bリーグの移籍市場、直近で3年連続で、『有力選手の大移動』」
でした。それもあり、今オフは『移籍市場に出る合理的な理由を持つ有力選手自体が数えるほど」といわれてます。
で、この「合理的な理由」を持つのが、「3人」です。
「齋藤(名古屋D)」「山口(茨城)」。裏を返せば、「移籍市場に出る合理的な理由がある」有力日本人選手は、現時点ではこの2人+「シェーファー」の「3人のみ」です。
あとは、「栗原ルイス(信州)」も動向が注目ではありますけど、「信州が自分を見出してくれた」恩義を強く持っていそうな感じですから、移籍市場に出る可能性は「ほとんどない」と、自分は読んでいます(あるいは、昨オフの「川真田(滋賀)」のように「手を挙げた全球団と、話のテーブルには就くが、移籍か残留かはぎりぎりまで熟考」かもですけど)。
で、このうち、齋藤は「今季のCSでの結果次第」の意味合いが強い。仮に移籍市場に出る場合でも、関東圏の球団以外は恐らくノーチャンスです。
そう考えるとなおさら、「山口」「シェーファー」は、いままで以上に「相対的な市場価値が上昇」になるのです。言い換えれば「割高覚悟でも獲りに行く意義がある」と。
では、シェーファーは、なぜ「今オフ、移籍市場に出る合理的な理由がある」と読むのかです。
そう、シェーファーを獲ることは、京都目線でだといくつものメリットがある。割高であろうとも、最優先で獲る意義は「ある」といえます。
ですけど、「正PFを任せ得る日本人ビッグマン」では、現況でだと恐らくほぼ唯一であること、しかも「3P能力、スピードを併せ持つ」をも考慮だとなおさらです(プランBでだと「渡邉飛勇」がいるが、いまの飛勇は「古典型」の域を出ずなので、ペイント渋滞のリスクがある。それに加えて負傷癖も)。ですので、複数球団の争奪戦はまず確実でしょう。
あるいは、客観的には「移籍市場に出る合理的な理由」があっても、あくまでも「ボールはシェーファーにある」訳なので(三河側から「来季構想外」にすることはまずない)、「今オフ、移籍市場に出ること自体がない可能性もゼロではない」のです、出場機会は減少したけど、三河の成績自体は復調傾向ではあるので。ですので、「そもそも移籍市場に出ないと、構想が根底から狂う」リスクもあります。
(はっきり述べれば、いまの京都の課題の解決のためには「シェーファーの補強がマスト」と考える訳なので、「プランB」は正直「想像できない」です。)
そう、リスクはある。でもだからこそ、獲れた時のメリットは大きい。
「選手編成、戦術の柔軟性をもたらせる」戦力面でのメリット。
「オールスターレベルを複数人擁せる、若い女性ファンを確保できる」マーケティング面でのメリット。そしてその上、「準地元選手」。
イメージ的には、マッコールの出場時に、「シェーファーが20分程度」「ラシードが8分程度」をシェアし合うイメージになります(そう、シェーファーには「4Qのクラッチタイム時にコートにいる」が求められるので、ファウル数管理の意味で「ラシードには、今季以上に存在意義が付与される」ともいえます)。ラシードは、正PFにするには、やや危うさがありますが、「第4ビッグマンとして」でならば一定の信頼性があることは今季で証明されましたから。
仮に「プランB」にならざるを得ない場合でならば、「渡邉飛勇」よりは「平岩(A東京)」を推します。Bリーグ時代から観ている人間ならば、「出場機会がほとんどないのに、ずっとA東京にしがみつき続けている」のイメージかなですが、実は平岩は、高校時代は「八村の対抗1番手」的な選手でした。ですので、高校時代の輝きや期待値を思うと、現況は「こんなはずでとどまる選手ではないでしょう?」と、自分は正直強く感じてます。
で、A東京でまとまった出場機会を得るときは、「主力(特にロシター)に離脱者が出た場合」に事実上限定される。で、出場すれば「とことん駄目なときもあるけど、でも一定の貢献はできる」の感じです。
で、アドマイティスHCは平岩について、よく「練習では最も一生懸命さが伝わる選手で、どうにか起用したいとは思っている」と言及してます。昨季から一貫してそうですので、少なくとも「全く評価してない訳ではない」のは確かでしょう。だけどこの言葉って、裏を返せば「どうにか起用したいけど、ロシターがいると、ロシターは唯一無二であるが故に、どうしても依存してしまい、平岩の起用タイミングを失ってしまうんだ」が言外にある、と解釈してるんですよね。
で、平岩。A東京で実質5年目(特別指定時代をノーカウントでも4年目)です。それもあり、ここ2年は「まとまった出場機会にこだわって、移籍した方がいい。期限付き移籍という方法だってあるのだから」との声が公然とありますし、自分も正直そう感じてます。
A東京にしがみつくのは、勿論いくつもの理由があるからでしょう。
「練習からレベルの高いバスケを体感できて、それが成長に結び付くから」(立派な専用練習場の存在も勿論大きい。ちなみにA東京は毎年、専用練習場でのプレシーズンゲームを開催している)
「他球団に比して、給与が高い」(実際、A東京のチーム人件費は、毎年他球団を圧倒している)
「都市部だから、大好きな鉄道をいつも感じられるから」(日本は「鉄道大国」であるが、これはあくまでも都市部でのこと。余談ですが自分も「鉄道好きの1人」です)
真意は想像の域を出ないとはいえ、いずれも「まあ、確かに考えられる理由といえばそうだけど…」ではあります。だけど、自分からみれば、「持っている潜在能力を『100』とすれば、『30』も出し切れてない感じのままで終わって、後悔しないといえるの?」と正直感じるのです。
これは今季のラシードがそうで、実は千葉J時代のラシードは、自分は正直「全く評価してない」でした。というか「試合出場さえままならない」、たまに試合出場のときの数字は「歩くEFFマイナス」、これでは「ポジれる要素が全くない」と(ただ当時から、「確かに数字はそうかもしれないけど、でも本当はとても一生懸命な選手なんだよ」の声も耳にしてはいました)。
ですけど、今季。応援球団である京都に来た。初めて目にした、練習試合。そこでの姿勢で、自分の解釈は一瞬にして「180度ひっくり返った」です。いまではラシードは「大好きな1人」になり、「数字ではプライスレスの存在意義!ミスターハンナリーズ、名誉生え抜きになって欲しい!」と強く感じてます。これは「必要とされている喜び」も勿論大きいと想像ですが、「選手というのは、まとまった出場機会があってこそ」の好例であると思うのです。
(←「歩くEFFマイナス」の語源である、「歩くテクニカルファウル」と称された選手、「ラシード・ウォーレス(元ピストンズ等)」。自分がNBAを観始めたときの選手でもあり、とても印象的です。いわゆる「ストレッチ4.5」の草分け的な選手でもあります。
そういえば偶然にも同じ「ラシード」だと、綴りながら気付きますが。)
そう考えると、「プランB」で、潜在能力を評価して平岩を獲りに行く(勿論あくまでも、シェーファーの補強失敗時の域は出ませんし、是非ともシェーファーを補強して欲しいは揺るがないですが)、を推したいですし、京都だと「鉄道もいっぱいあるよ、鉄道博物館だってあるよ」でもあるのですが、平岩を獲る場合のネックもあります。
そう、「ペイントの渋滞リスク」。「古典型ビッグマン」を地で行く感じですので(シュートレンジもよくてハイポスト付近まで)、「得点面には一切期待しない、ひたすら守備やスクリーナーで貢献してくれ」のイメージかなです。尤もこの場合でだと、ラシードとの競争で、競争に勝利した方が正PFでのイメージになります。
(補強2)タージェレ・マッコール(ケアンズ[豪州NBL]、PG/SG/SF)[「A/TO」「スティール」に優れる新外国人]。
https://nbl.com.au/player/3713/1676713/tahjere-mccall
(←なぜか、うまくリンク添付ができなかった、豪州NBLでのマッコールのスタッツです。)
(←動画は「9分間」。2022-2023[豪州NBL、ケアンズでの在籍2年目。2021年夏から今季まで、ケアンズに3年間在籍でした]でのプレー集です。ちなみに、豪州NBLのリーグ公式によるハイライトになります。)
最初に述べます。実は3月末までは、自分は、「是非とも補強して欲しい」と強く思っていた選手が、別にいました。
(←「RealGM」では、B2リーグは「なぜか対象外」であるので、ベルのB2での成績は反映されていません。)
「ジェームズ・ベル(SF/PF。B2の山形)」。実は自分は、ベルについて、12月9日のnote記事の時点で、「今オフ、いや今季途中にでも、ベルを獲って欲しい!」と真顔で思っていました。
そう、ベルは実は、昨オフに早々に、山形と契約延長をしています。「よほど山形が気に入った」と考えるのがより自然ですが、「水面下で他球団(これはB1球団の可能性もある)から触手が伸びた影響?」もゼロではないかもです。
今季の京都が「こんなはずではなかった」に陥った理由の大きな1つが「デイヴィスが計算外に終わった」ことです。で、選手タイプ的には、「ポイント3.5番」という意味でだと、デイヴィスの後継としては「ベル」になるんですよね。
あの時点でだと、ベルは山形と早々に契約延長をして、RS開幕からまだ2か月弱。で、京都側の目線でだと、「ディアロの帰還が叶うチャンスを逃したくない」は、いわば当然ではあった。ですので、「ペイントエリアの渋滞」のリスクをとってでも「ディアロ帰還」は、納得ではあったのです。
とはいえ、それでも「ベルの補強」は、どこかであって欲しかったも正直な本音で。そう、それは「ジョーンズ」は「第3外国人レベルの成績」にずっととどまっていたから(確かに「3P能力」は健在だけど、「A/TO」「守備」は衰えを隠せない感じだった)、それならば「ジョーンズをどこかで見切りをつけて、ベルを獲る」、自分が京都のGMならばですが、そうして欲しかったのが正直な本音です。
そう、ベルは、数字のみならず、生観戦をもさせて頂いた上で、「B1で勝負できるレベルであるから」と判断しているからですが、
成績を見れば、Bリーグに合う(下位互換なことは否めないが、その意味でビュフォード、エバンスに相通ずる)感じではありますが、2年共にB2であるので、B1でだと「蓋を開けないとわからない」感じではあります。
ですけど、「A/TO」が、いわゆる「3.5番」にしてはとても高い。その意味で「大崩れはしないだろう」と映るんですよね。
で、自分がなぜベルを高く評価するのかというと、「A/TO」「3P能力」を併せ持つこともですけど、「スピードに優れるので、京都のプレーリズムに合いそう」「守備意識の高さ」をも併せ持つんですよね。
ただ一方で、弱点もあります。「守備意識に優れる」ではありますが、これは「平面でだと」の注釈付き。はっきり述べれば「PFにも対応できるが、パワー型には脆い」、いわば「SF成分がより強い3.5番」です。そう考えると、できれば「良質の日本人PF」を抱き合わせで起用がより望ましい。
そう、「なんとしても、シェーファーが欲しい」になる。で、「A/TO」「3P能力」といういまの京都の課題を克服できる切り札とはいえるけど、「蓋を開けないとわからない」リスクはある(年齢的には「32歳」なので、2年程度を任せることは可能とは思うがと)。
いわばベルは、1選手としてでだと、いまの京都に高確率で合いそうとは思うけど、中心選手としての位置付けでだと確信までは持てない。そのような中で、「4月の本拠地&舞洲での6連戦」を迎えたのです。
…そう、4月の6連戦で突き付けられたこと。
「A/TO」と「守備」。これは今季の京都で、ずっと課題として「これでもか」と突き付けられ続けたことです。「A/TO」はわかっていたことですが、
そう、「『A/TO』『スティール』の2つに優れる選手」って、実は「稀少なタイプ」なんですよね。それでいて、「今後恐らく、Bリーグで特にニーズがある選手タイプ」になるだろうと。これは、「『A/TO』に優れる3.5番」が「いま、Bリーグで最もニーズがある選手タイプ」であることと相通ずると思ってるんですよね。
で、稀少なタイプである中で、ヒットする選手が1人いました。
というのも、この種のタイプで特にヒットするのは「中国CBA」ですが、このnote記事では繰り返し言及してきたように、「中国CBA」は「スタッツが跳ね上がりやすい傾向」「給与が高いので、なかなかBリーグに流れてくれない」んですよね。
で、Bリーグにとって「現実的にある程度の数値が見込めそうな供給源」といえる「豪州NBL」「韓国KBL」の中で1人だけヒットしたのが、(マッコール)だったのです。
で、先に述べると、「マッコール」「ベル」「ディアロ」という方法も、「1つの方法としてあってよい」も、正直な本音です。でもそれだと、「機動力に全振りで面白そう」ではあるのですけど、「パワーとサイズでゴリ押し切られると、フルボッコ確定」になってしまう。
現実論、Bリーグは「ポストアップ絶対主義」といわれてきたように、「ペイントで勝負できるビッグマンが2人必要(しかもうち1人は3P能力を兼備であること)」が、Bリーグの選手編成には求められる(ある種の「縛りプレー」ともいえます)。そうなると、マッコールかベルかの二者択一にならざるを得ない訳で、
「速攻得点数」「A/TO」「守備」「3P試投率」
いまの京都にとって、特に重要視になる「4つの要素」のうち、どれを特に優先順位にとなると、
「速攻得点数」≧≧「A/TO」≧「守備(特にスティール)」≧「3P試投率」
と映るんですよね。
そうなると、いまの京都に必要なのは「マッコール≧≧ベル」になる。
どのみち「シェーファーの補強がマスト」であるならば、なおさらと。
で、マッコールのような選手タイプ自体が稀少ですので、マッコールの補強は、いわば「マスト」です。ベルはいわば「プランB」ですけど、仮にベルになった場合、「攻撃面の課題はある程度克服できても、守備面での課題は放置のまま」といえます、それほどにいまの京都は「ボール奪取への意識」が最重要課題といえるのでと。
「4月の6連戦」。特に顕著が、vs佐賀でした。1試合目は劇的な逆転勝利(「京都の球団史でも輝き続ける1試合」と強く伝えたいですが)でしたが、2試合を通して強烈な存在感であったのが「ガルシア(佐賀)」です。
「A/TO」「スティール」の2つに優れる選手って、「こんなにも、味方だと心強くて、相手だと恐怖になるのか」と、生観戦をすると想像以上の実感であったんですよね。
で、「マッコール」。「豪州NBLの選手」ですけど、「Bリーグ経験がゼロ」ですので、ここで、「選手としての特徴」を綴らせて頂きます。
豪州NBLからでいえば、その代表例が「ニュービル(大阪→宇都宮)」。
実は豪州NBL時代は「ケアンズに2年間(2018~2020)在籍」でした。
で、2年目の2019-2020に、「最優秀守備選手賞」に輝いてます。
ニュービルは、Bリーグでいわば「衝撃的なパフォーマンス」を示して、いつしか「神」の愛称を頂き、そして「Bリーグのレベル向上のきっかけ」ともいわれてます。
で、ニュービルって理想的な存在だなと思うのは、「A/TO」「3P能力」「守備能力」を併せ持っているからです。ただ意外にも、豪州NBL時代は
「A/TO」(1.17→1.75)
と、あまり高くはなかった。ですのでBリーグが、よほど合ったんだなということが伺えます。
「23.72→24.54→19.95→19.85」
これが、ニュービルのBリーグでの「30分換算EFF」です。
それに「USG%」も「25.0→28.3→25.7→27.3」。ボールホグの目安である「30%」を超えたことは、意外にもゼロです。つまり、ニュービルは「アンセルフィッシュにして、異次元の成績」を叩き出し続けている、これが「どれほどとてもすごいことか」であると伝えたいのです。
繰り返しになりますけど、ニュービルはBリーグの歴史においても「永遠の伝説」です。そう考えると、マッコールは、ニュービルほどを求めるのはさすがに、ではありますが、でも「違いを生み出せる」のでは、と思ってるんですよね。
(それにしても、今季のニュービル、自分は「MVP級」といえる輝きに映ってますけど、「30分換算EFF」では意外とそこまで高くはない。尤も今オフも、結局「MVPと、インターナショナルMVPを分割することはなかった」訳で、自分はこれに「激しく強い違和感」を抱いてますけど、インターナショナルMVPがあれば、「ニュービルはこれに値する」と思ってるんですよね。クラーク[三遠]、ビュフォード、エバンスと票を分け合う感じで。)
それに対して、マッコール。ニュービルとは異なり、「3P能力は最低限」の感じです。ですけど、「いまの京都に最も足りていない、守備の意識を持ち込める」(佐賀が「守備意識のカルチャー」を生み出せてる、共有できてるのは、ガルシアの存在・影響はとても大きいと思いますので)、それに「A/TOで、いまの京都より良化が見込める」「速攻得点数の向上の原動力になり得る」(←繰り返すけど、今オフの京都の最重要課題は「速攻得点数をリーグのトップ5に近付けられるように」ってこと!)意味でも、是非とも欲しいんですよね。
で、マッコールの「選手タイプ」を、「いまのBリーグの選手」でイメージするならば、「かなりかみ砕けば」ですけど、
なんですよね(これは、ガルシア、トレイ・ジョーンズそれぞれの数値、特にガルシアだと、「スティール」にも注目して頂ければですけど)。
で、マッコール。起用としては「正SFとして」ですけど、はっきりと「ポイントSF」って感じですし、いわば「岡田、ライトとハンドラーを分け合うイメージ」になります。「アンセルフィッシュ」とはいえ、「ボールは1つしかない」問題とも、向き合うことになります。
ここ3年ほどで、Bリーグは「ハンドラータイプは、何人いてもいい」の傾向が急激に強くなってきている感じで、「ポイント3.5番」「ポイントビッグマン」タイプも年々増えてきている感覚があります。「ニック・ケイ」「エバンス」「クラーク」「カロイアロ」、あるいは「ユトフ」「ロスコ・アレン(川崎)」とかもそうです。
で、「USG%」は、岡田が「24.35%」、ライトが「24.06%→25.06%」。
「FG試投数」は、岡田が「10.80」、ライトが「11.95→12.35」です。
マッコールは恐らく「13本程度」。そう考えると、
「1stがマッコール、2ndが岡田、3rdがライトorトラビス」
に、理論上はなりそうですが、そう、「岡田、ライト、マッコールの3人揃えば、相手守備陣にとって怖さをもたらせる」と理論上はなるのですけど、3人を同時に起用するには、相応の工夫が必要になる、とも映るんですよね。
どういうことかと申しますと、
「岡田、ライト、マッコールの3人のうち2人(状況次第では1人のみの場合もだが)が、常時コートに立っている状況を創出する」
「4Qのクラッチタイム時でこそ、最も破壊力のある5人を送り出せるように。そこから逆算して選手起用を組み立てるイメージで」
のイメージなんですよね。
そう、今季の京都が、なぜ「こんなはずではなかった」に陥ったのかというと、理由は1つではないとはここまで繰り返し言及させて頂いてますが、
そう、「普通な采配ができずに、自滅して負けた」試合がいくつもあるのです。「持っている戦力を最大化させて真っ向勝負した上で、でも負けた」ならば、「勝負した結果だから、仕方ないよね」とより納得できる。
そう、「ハンドラー的なポイントSFで振る舞える新外国人の要補強」は、「破壊力を併せ持つハンドラーが3人いれば、コート上に1人もいないという『頭が沸いてるのか的な采配』にはなり得ないから」の意味合いも、正直込めています。
勿論、「相手守備に的を絞らせない」の意味合いも強いです。特に、Cにトラビスを入れれば、「留意せねばならない選手が4人いる」になるので、誰かにダブルチームに行けばいい的な守備が難しくなるメリットがありますし、1on1を創出したいならば、シェーファーがPnR創出のためのスクリーナー(と守備)に特化のイメージでと。
(そう、vs島根で、「ビュフォードの1on1がいくつも創出されたのは、ニック・ケイやマーティンによるPnRの賜物である」ように。)
で、イメージとしては、「マッコールがニュービルorビュフォード、岡田が比江島or安藤誓、ライトが遠藤or津山(そもそもライトは、フィリピンPBA時代は「守備型としても良質」と評価されていた)、シェーファーがエドワーズorニカ、トラビスがジェレットorニック・ケイ」の感じです。
いずれにせよ、いまの京都には「A/TO」「スティール」「速攻得点数」がいますぐにでも最重要に良化が必要である、だからこそ「マッコール」は全身全霊で要補強、と伝えたいんですよね。特に「いいボール奪取なくして、速攻得点数の向上はない」訳ですから。
(補強3)リード・トラビス(北海道。PF/C)[『機動力』『3P能力』『OR能力』『一定程度のFT能力』を兼備できる新外国人]。
要補強の3人目、「トラビス」。かなりかみ砕くならば「機動力に優れる、ストレッチ4.5」です。実は心情的には、別の選手が念頭にありました。でも、いまの京都が抱える「要補強ポイント」に照らせばと。
「ジェロード・ユトフ(横浜BC)」。今季「30分換算EFF」は「17.32」。
そう、昨季に京都でエースを務めた、ユトフです(京都にいた昨季は「19.82」でした)。自分は正直、今季の京都が「こんなはずではなかった」に陥った大きな理由の1つが「ユトフの退団という計算外」であったと正直思ってます(理由の全てではないが、構想が狂った意味では無視できない理由ではあるので。それに、昨季の「RS終盤~ファン感謝祭」を見る限りでは、
「本人以上に、家族が京都を気に入っている感じと映るし、ユトフ自身も京都でとても躍動感が伝わるので、『最も輝ける、心の居場所』という意味で、残留しない理由がないだろう」
と、正直とても楽観していました。
ですが、「退団→横浜BC」。考えられる理由は「優勝したい」もあるでしょうが、特に「河村と共にプレーしたい」だったのでしょう。
今季のユトフは、12月~1月中旬に不調の時期はありましたが、1月下旬以降は「京都時代のユトフ」を取り戻した感じがあります。
そう、ユトフは「数字以上に、シュートレンジに優れる」なんですよね。これに加えて「攻守両面で全力姿勢」「機動力、守備意識に優れる」「A/TOがビッグマンにしては高い」。
そう、「A/TO」「3P能力」「守備意識」というユトフの長所を失ったこと(「3P能力」は、今季のジョーンズもこれに近い感じではあったが)が、今季の京都の失意に直結したことが伺えます。
それに、「人間性がとても素敵」なんですよ!だからこそ感じる、「あなたが京都に復帰して頂ければ、どれほど素敵だろう」、これが自分の本音です。
ですけど、「いまの京都に足りないこと」を「ドライに、客観的に」考えたときに、ユトフには「無視できない弱点」があるのです。
実は、ユトフは「FTの試投数自体がとても少ない」傾向なのです。
これは昨季の京都が「FT成功数が最下位争い」であったことに、まともに直結しています(尤も、ユトフは「FT成功率」自体は75%程度と、ビッグマンにしては高い成功率です)。
そう、「ファウルをもらうプレー」が苦手なんだなと。いわれてみれば、ユトフってペイントに侵入する際、SFのような「ステップ」や「ダイブ」が多い、一方で「ポストアップ」がほとんどないです。
それと、守備面でも。ユトフは「スピード型、テクニック型」を守ることはわりと得意ですが、「パワー型」への対応は「明確に苦手」です。
それに、「OR能力」も「2.00を下回る」、正直、ビッグマンとしては「できればもう少しは欲しい」感じです。
そう、特に「FT」「OR」。それに「パワー型が苦手」だと、Cに入る時間帯が多くなりそうな、ここで示す補強構想案でだと、「守備面で穴になる」が目に見えています。そう考えると「プランBの域を出ない」と(繰り返しですけど、心情的な本音は「帰還して欲しい」です)。
で、そう、「3P、FT、OR、機動力を高次元で兼備できる『ストレッチ4.5』」、かつ「直近でBリーグで、今オフに移籍市場に出る可能性がある」、これに該当するのが「トラビス」です。
どういうことかというと、トラビスの北海道への入団は、ウェルシュの負傷離脱を受けてなのですが、ウェルシュは「帰国を伴う長期離脱(この発表をする時点で「今季の残り試合は全休」を明言と同義である)」だけど、「IL登録であり、契約解除はしていない」。そう、恐らくですけど「現行契約が来季まで残っている」と考えるのがより自然でしょう。
(で、ウェルシュは「7フッター(213cm)」「3Pできる」「守備意識が高い」「機動力を兼備」「攻守両面で全力姿勢」。数字以上の優良外国人と自分は思っているので、2年契約は当然といえます。)
そう考えると、今オフに北海道は、「トラビス」か「ウィリスjr」のどちらかの放出の決断を迫られると想像です。そう、「トラビスには、今オフに移籍市場に出る合理的な理由がある」といえます。
で、京都がトラビスを獲るメリット。
そう、「攻撃面での引き出しが多い」「機動力こそ特徴であるので、プレーリズムに合う」「3P,FT,ORのいずれをも併せ持つ」「年齢的にこれからが全盛期」。
不安を挙げるならば、「FG試投機会をある程度与えてこそ」ではありますが、「USG%が跳ね上がるタイプではない」ので、連携を積めば折り合いはできるだろう、と読んでます。
で、「6thマン(第3外国人)」に充ててますが、これは、トラビスの長所は「4Qのクラッチタイムでこそ、特に欲しいから」。裏を返せば「4Qのクラッチタイムでは、トラビスが出場できるように」逆算して組む、のイメージです。
(補強4)中野司(北海道。SG/SF)[「3P能力」に優れるピュアシューターにして、「ファウルをもらうプレー」「FT能力」を併せ持つ稀有さ]。
補強の4人目、「中野司(北海道)」。
「控えのSG/SF」の位置付けですが、移籍市場に出れば、是非とも補強して欲しい選手!と強く感じてます。
この、中野。故郷は兵庫(川西。いわゆる「阪神間地域」)とのことですが、選手としては「北海道の一筋、6年目」です。
それも、「折茂武彦社長のお気に入り」といわれてます。実際、昨オフも「移籍市場に出れば、貴重な3P特化型として、一定の人気になるのでは?」といわれていましたが、あっさりと残留しました。
中野の「選手としての特徴」は、細かくは後述で綴りますが、かみ砕けば「『3P特化型』でありながら、『FTも試投数・成功率が共に高い』意味で稀有さを持つ」選手です。いわば「爆発力が魅力」である一方で「アシスト面、守備面はほとんど望めない」(というか守備能力は、正直「ザル」です)感じですので、「6thマン特化型」ともいえます。
イメージ的には「KJ松井(いまはB3の香川。かつて2019年~2021年に2年間、京都でプレーしていた)の下位互換」です。
それに、「この10月で28歳」ですので、仮に補強が叶えば「チームでは年長の部類」になりますけど、京都のタイムラインに合致できること。
で、「準地元選手」ですし、「小西の大学の先輩」(関西学院大学。実際、「バスケットLIVEの企画」で共演したことがある)でもあることも、補強ターゲットに挙げる理由の1つになってます。
で、中野。実は今オフ、いままでで最も「移籍市場に出る合理的な理由」を持つオフになる、と読んでます。これを下記で示します。
いま、中野が「今オフの移籍市場に出る合理的な理由」として、「菊地の入団・台頭」を挙げました。
菊地は「北海道にとっての地元選手」ですけど、「178cmの低身長のスコアラー特化型」です。今季だと「3P特化型」で、
観ていて「思い切りがある」「ロマンを感じる」、そして「観ていて楽しい」。
低身長のスコアラー特化型。アレン・アイバーソン(元シクサーズ等)や、アイザイア・トーマス(元セルティックス等)を連想させます。
で、今季は「3P特化型」。3P試投率が高いこと自体はいいことなのですが、それだけに収まる感じにはなって欲しくないなと。そう、フローター、ミドルジャンパーとか、「低身長を逆手に取る」得点技術はいくつかありますから、「得点を取る引き出しを増やす」が叶うと、菊地自身にも北海道にとっても、大きなプラスになるはずと。
そう、「菊地」という、とても楽しみな存在の台頭で、中野は一気に優先順位を落とした感じがあります。今季は年末までは、生命線である3P成功率に苦しんで、これがチームの3Pの試投率・成功率にも影を落とすことになり、「内容自体は悪くないのに勝利数が伴わない」の主要因になった感じが否めません。
で、そこに、自分の存在意義を脅かす、似た選手タイプが入団してきた、しかも試しに起用したら結果を出された、結果として自分の出場機会の減少になった。
どうするかは、ボールは中野にあります。ですので「もう1年、北海道で勝負して、そこでの内容・結果で改めて考える」もゼロではない。
ですけど自分が中野の立場ならば、「他球団の話を聴ける機会は、『いま』だろう」と。そう、「まだ30歳になってないいまならば、純粋に1選手として他球団はどう評価しているかをフラットに捉えられるのでは」と。
で、京都側の目線でだと、「中野を獲るメリット」がいくつもあるんですよね。
そう、いわゆる「3P特化型」って、「FT成功数(30分換算)が1未満」がほとんどですので(「ロールプレイヤー」だとなおさら)、「3Pが得意で、FTの試投数も成功率にも優れる」選手自体が、とても貴重であることが伺えます。
この稀有な特殊能力。守備は正直ザルですけど、起用法をうまく工夫できれば、大きなプラスになり得ると思うんですよね。
ただし一方で、これまで北海道一筋の選手でもあるので、それこそ「移籍市場に出るにはいまがベストのタイミング」ではあるのですけど、でも一方で「そもそも移籍市場に出ない」可能性もゼロではないです。
仮にその場合は、「水野の残留」のイメージでしょう。そう、3P能力に優れていても、B1レベルで勝負できるかわからない選手をプランBで獲るよりは、京都で絶対に成功したい想いが人一倍の水野を残留での方が、ベターといえるかなですので。
あるいは「11人で開幕して、12人目はRSを進める過程で浮き彫りになった課題・弱点を補強のために、いわば『枠を空けて柔軟性を持たせる』」も、1つの方法であると正直感じます。
ただネックは、大学4年生世代で「この選手だと、即戦力で見込める!」(これは勿論、京都により合いそうという意味で)というのが、なかなか見当たらないことです。1人、「佐藤涼成(PG。福岡第一高校→白鴎大学3年生)」は面白い存在と自分は思ってるのですけど、まだ3年生であることを考えると「囲い込み的に試しに特別指定選手で抑えておく」にならざるを得ないんですよね。
ですので「12人目で枠を浮かせるを活かしての、途中補強」でだと(正直自分は、これも1つの方法であると感じてはいますが)、言葉通りの「そのときにならないとわからない」の感じになるかなと。
…と、想像以上にとても長くなりましたけど、ここに挙げた「4人の補強ターゲット」。それぞれに「唯一無二の付加価値」がありますので、いずれも複数球団の争奪戦が容易に想像できる。で、「プランB」になると、「そもそも要補強の指標のうちの何かを諦めざるを得なくなる」。そういったことをも踏まえると、「4人共に補強できる可能性自体が、50%もない」ではあるんですよね。
まとめますと、
【バスケットボール#37A】【エッセイ#30A】