2023年4月、自分(愛球人)が考える今オフの移籍市場の現時点での「4つの論点(その2)」。【Bリーグ】【バスケ】
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まず、これまでの記事、(その1A)(その1B)をリンク添付させて頂きます。
では、執筆を進めます。
【論点2】なぜ、B1経験がゼロである磯野(熊本)が「今オフの移籍市場での最注目選手の1人」になり得るか?磯野が持つ「独特の資質能力」及び「よりドンピシャの球団」とは?
「えっ、磯野?ごめん、どんな選手?」
「経歴を見ると、B1経験自体がないよね?」
そう思う読者は、恐らく少なからずいるのでは?と想像です。
そう、「B1経験自体がゼロである選手が[もっと述べると、高校・大学時代だって無名の選手だった]、移籍市場の最注目選手に躍り出る」こと自体が、「極めて異例なことである」といってよいです。
これは、「いくつもの事情が複合的に絡んで生み出されている」といえます。どういうことかを、まず示させて頂きます。
(←1ページ目、2ページ目とリンク添付させて頂いてます。)
いまリンク添付させて頂きましたが、留意が必要なことがあって、それは
「現所属である熊本が『B2プレーオフ』に出場していて、理論上は『チームとしてのB1昇格の可能性がゼロではない』こと」
「少なくとも磯野自身は、『B2プレーオフの開催期間中』は『熊本のB1昇格のみに全集中、自分の去就はプレーオフの結果が出るまでは一切考えない』姿勢が示唆なこと」
があります。
というのも、磯野は「故郷が福岡」なんですよね。
ですので、(事実上の)プロ入り最初の球団に熊本を選んだのは、「故郷に近い九州の球団だから」が恐らく大きかったのではと想像するのです。
正直、現実的には、熊本が「今回のB2プレーオフを勝ち抜いてのB1昇格を叶える可能性は『10%程度』」と読んでいます。
理由は2つ、まずは今季のB2は「A千葉、佐賀、越谷、長崎の『4強』が戦力値的に突出していること」。熊本は全体5位で
「PO1回戦(vs長崎)」「PO準決勝(恐らくvsA千葉)」
ですけど、正直特に「A千葉に勝利できる絵がイメージできない」と思ってます。
フルメンバーでならば、A千葉と勝負になり得る、とも考えてますけど、インサイドの軸であるローソンが肉離れで、恐らくPO本番に間に合わないこと。これが「現実的には熊本がB2プレーオフを勝ち抜けるとは想像できない」の根拠です。
実は磯野は、昨オフも「B1への個人昇格が有力視」されていました。
ですが昨オフは、わりと早い段階で熊本残留が発表されました。
と、昨オフの残留発表時(6月14日)にコメントしています。
そう考えるとなおさら、「少なくとも現時点では、自分の去就は考えない。つまり全日程が終わってから考える」と考えてよいでしょう。それと共に、仮に熊本のB1昇格が叶った場合は、恐らく磯野は「移籍市場に出ず、残留にサインする」と読んでいます(その場合は、「SG/SFのグレードアップ」を試みる球団にとっては「戦略の見直し」を意味する。つまり「熊本がB2プレーオフを勝ち抜けるか」は今オフの移籍市場における「最大のファクターの1つ」といってよいかと)。
ですけど一方で、恐らくですけど「B1の複数球団から水面下で興味を示されている」ことも恐らく聞こえてきていると想像です。どういうことか。
今オフ、最大の注目選手の一人で、「金近(SG/SF。東海大学→千葉J。大学ではPF/Cを務めていた)」がいました。高校時代から将来を有望視されてましたけど、あの2月の日本代表でのパフォーマンスはとても衝撃でした。
「ああ、これはいますぐにアーリーエントリーをして、今オフのBリーグ入りが本人のためだろうな」と。
どの球団にいくのだろう?は自分も気に掛かっていて、金近は大阪の出身ですので、大阪に来て欲しいと正直思ってました。ですけど一方で、
「既に大阪が予約済みだろう」と思われていた(少なくとも自分はそう確信していた)高島が、入団先に宇都宮を選んだこと。
これを踏まえると、「金近が大阪(あるいは京都)を選ぶことは、まずないだろうな」と(ちなみに京都の場合は、いま欲しいのは「スタータイプのSF」ではなくて「全体バランスをとれるタイプのSF」なので、金近は「むしろ獲る必要はない」と自分は思ってましたが)。
そう考えると、漠然とだけど考え得る道は3つで、
理想としては、「出場機会が見込める球団」でかつ「CSレベルに近いほどより望ましい」と。
ですので、「千葉J」「川崎」のどちらかが特に有力では?と漠然と読んではいたんですよね。尤も、より有力は川崎だろうと自分は読んでましたが(理由はシンプルに、「次世代の中心選手候補の確保が急務である」「SFのドングリーズを解消できる」の2つのニーズをドンピシャで満たすから)。
面白い可能性としては「広島」がありました。広島(というか岡崎GM)のチーム作りの傾向として、「短期・中長期の両面を意識してのチーム作りが伝わってくる」と思ってましたから。
ですけど広島の場合、同じポジションで地元出身の三谷がいる(完全なる「相思相愛」が伝わるし、恐らく三谷はこの12月に正式入団になると考えてよいでしょう、恐らく高島の二の舞にはならないだろうと)。金近を獲りに行くと、三谷にとっては「成長を塞ぐ存在になってしまう」、いわば「リスクでしかない」。そう考えると、検討はするだろうけど最終的に入団へと動くことは見送るだろうと。
ですので、金近が最終的に「千葉J」を選んだことは、「ああ、川崎ではなくて千葉Jですかあ」とは思いましたけど、千葉Jには(東海大の先輩である)大倉がいますので、その意味でも「まあ、納得だよね」と。
それ以上に、正直「入団先が今オフを待たずに決まってよかった。おめでとう」が素直な気持ちでした。
尤も金近が大学卒業を待たずにBリーグ入りを決めたことは、確かにハレーションはあります。まあこの件は、NBAやMLBでは「アーリーエントリーが当たり前にある」訳ですし、「大学卒業までプロ入りを待つことは、一選手としては時間の無駄でしかない」ケースがあることも事実です、そして金近はまさしくこれに該当し得る。
正直に述べれば、勿論「何かしらのシステムの再整備があって欲しい」と願いますけど、これは「日本の教育制度の再構築と直結してくる」んですよね、ですので実はとても難しい問題になってしまう。
個人的には、金近(あるいは河村)のようなケースは、今後も起こり得ると思ってます。そのときに「中退です」と一律にすることが、本人のためにプラスであるといえるのだろうか?と。
どういうことかと申しますと、例えば
と思うんですよね。
そう、金近が今オフを待たずして入団先が決まったことは、
と共に、
実は最も強く感じたのは、この思いでした。
何故、磯野が今オフに「複数のB1球団の壮絶な争奪戦になる」と読むのか。それは
という趣旨を、先述させて頂きました。ではどういうことかを、より掘り下げさせて頂きます。
いま、「(昨オフに)B1未経験の立場でB1移籍を叶えた」立場である「佐々木(PG/SG。熊本→三遠)」を、参考資料として示させて頂きました。
併せて、「TS%」「A/TO」「スティール(30分換算)」の3つの指標を強調させて頂きました。
何故ならば、この「TS%」「A/TO」「スティール」は、いわば「バスケIQを示す指標」であると自分は考えていて、今季「B1未経験だがB1で成功を収めた」佐々木は、この「TS%」「A/TO」「スティール」に優れていたんですよね。
そう、この3つの指標が高い選手は「大崩れするリスクが小さい」。
ですので、昨オフに佐々木がB1に個人昇格を叶えた際、自分は正直「一定の成功はできる」と読んでいました。「30分換算でのEFF」で「6.00を下回ることは考えづらい」からと。
だからといって、さすがに今季の佐々木が「EFFが10点超え」、つまり「オールスターレベル」の指標を叩き出すとは、全く想像できなかった感じですけど(個人的には、Bリーグで「MIP」があって、かつ投票権があれば、迷わずに「佐々木」に投票です。それほどの「嬉しい驚き」でした)。
それは佐々木が「TS%」「A/TO」「スティール」が3つ共に優れている、つまり「バスケIQ」「守備力」に優れていることをB2で2年連続で証明していて、いわば「B1で勝負する準備を整えていたから」と解釈してます。
勿論、シンプルに佐々木は「B2でのEFFが、2年連続で10点超えであったから」も大きいです。
そう考えると磯野は、ポジションは異なりますけど
ことを考えると、「磯野はほぼ高確率で、B1で成功できる。少なくともB1でのEFFが『6.00』を下回ることは想像しづらい」ことが伺えます。
これをさらに掘り下げます。磯野が「バスケIQ」「守備力」に優れる、だから大崩れが考えづらいことを、これまで述べました。
また、磯野のナチュラルポジションは「SG/SF」です。そう考えると「A/TO」が高数値であることは「チームの得点期待値をより高める一助になり得る」ことを示しているといえます。
で、「バスケIQ」「守備力」「アシスト能力」を兼備することを、ここまで述べてきましたが、磯野の特徴の本質は
「SG/SFの日本人選手として『ほぼ唯一無二の資質能力の持ち主』」
を、先述で強調してきました。この「ほぼ唯一無二の資質能力」とは何か。
実は、磯野と似た資質能力を持つ日本人選手は、実はいます。
そう、「中山拓哉(秋田。SG/PG)」。自分は「日本人no.1のディフェンダー&ハードワーカー&オールラウンダー」と高く評価しています。自分が日本代表のHCならば、「守備力を強化したいときの第3PG&控えSG」として基本的に招集&起用し続けるでしょう。
ですけど、中山は既に事実上の「生涯秋田宣言」をしています。
2021年オフに「3年契約」を公式発表しており(現行契約としては残り1年になるが)、2022年9月に、秋田出身のローカルタレントと結婚を発表、これにより「生涯秋田宣言」をしたも同然です。
コート上では「エナジー全開」だけど、コート外では「いい意味でマイペース」というギャップの持ち主に映る。「お金じゃない」を体現している存在の1人ともいえます(性格的にも「秋田の温かい雰囲気に合っている」といえるでしょう)。
つまり、中山が移籍市場に出ることは「事実上ゼロと考えてよい」。
このことも、今オフでの磯野の推定市場価値を跳ね上げてる理由の一つです。
そう、「磯野、中山、ベンドラメ、佐々木」の「唯一無二の資質能力」とは何かと申しますと
そう、ここ3~5年ほどでバスケの戦術・スタイルは急激に変化してきていて(特にNBAではこれが顕著)の感じですが、いつの時代でも大切で、特に今後なおさら重要になってくるであろう資質能力、それは
「攻撃回数を増やせる一助になり得る資質能力」に優れる。
そのような選手は、「B1球団は24球団ある」といっても、「磯野、中山、ベンドラメ、佐々木」の「事実上4人のみ」です(佐々木はORはやや劣るが、それでもこの資質能力の持ち主に近いとみなしてよいと考えて挙げてます)。
自分が、「中山を高く評価する理由」、「ベンドラメが今オフに移籍市場に出る可能性がゼロではないと考える理由」、そして「磯野が今オフの移籍市場の最注目選手と考える理由」が、まさしくこれです。
しかも、「中山、ベンドラメ、佐々木」は、ナチュラルポジションは「PG/SG」です。
そう、「攻撃回数を増やせる一助になり得る資質能力に優れるSG/SFの日本人選手」は「磯野が唯一である」訳です。
つまり、「攻撃回数を増やせるSG/SFを獲れる機会」という意味で、今オフの「磯野」は、「これを逃したら向こう数年はチャンス自体がない」を意味する訳です。
だから、磯野は「市場価値以上の契約を手にできる」可能性が高い、その意味で「移籍市場に出る合理的理由がある」といえると。
で、「磯野を補強したいニーズを持つ球団」という意味では、特に下記の要素を持つ球団が特に該当し得るといえます。
いま挙げた「4つの要素」をすべて満たす球団が「3球団」あります。
それが「横浜BC」「島根」「京都」です。
いずれの球団も、磯野がすっぽりと収まります。3球団の中で「最も出場機会を確約できそうな球団」となると、恐らく「京都」でしょう。
実は京都は、「コアメンバーの4人」は既に固まっています。
要は、コアメンバーは「正SF」「第3外国人」を除けば確立されている。
これは「スタイル構築1年目」としては「とても良好な傾向」です。
これに「磯野」を(恐らく「8.00程度」のEFFは見込めるだろう)補強できれば、少なくとも「明確な弱点はほぼなくなる」といえます。
それに磯野は「全体バランスをとれる」「守備力に優れる」「スペーシングに優れる」が特徴です。
これにより「コアメンバーの4人(久保田、ライト、ユトフ、ディアロ)」がより活きるのではと。
自分が京都のGMならば、「磯野の補強にオールインする」。
いわゆる「マーケットサイズ」に恵まれない京都としては、「優良コスパ」である磯野は、なおさら「ドンピシャの選手」といえます。
「攻撃回数、失点数がリーグ平均以下」である意味でも、磯野の補強は「弱点補強の意味でこれ以上ない補強ターゲット」といってよいです。
ですけど、個人的には「磯野」が最も輝ける球団は「横浜BC」であると考えてます。理由は
では、「横浜BCのコアメンバー」「横浜BCのSG/SF」は、それぞれどうであるのか。
いわれていたイメージほど、SG/SF陣のEFFが悪い訳ではない。
キング、森川は「CSレベル」のライン(6.00以上)に到達できてます。
(一方で、松崎は「プロの洗礼」に苦しんでいることが伺えます。)
ただ、「攻撃回数を増やして失点数を減らしたい」「河村→ジャクソンのデュオをより活かしたい」意味では、「磯野の補強のニーズはある」といえます。
それに、今季の横浜BCは、青木勇人HC、選手のいずれも「自分たちのバスケは『まずは守備ありき』」とよく述べています。その一方で、「失点数がかさんで負けてしまう試合」も、少なからずあると映ってます。
その意味で、「『走るバスケの深化』『攻撃回数の増加』『失点数の減少』の3つの要素をすべて満たし得る補強ターゲット」=「磯野のほぼ1択」であることがいえます。
そう考えると、「より確実に出場機会を確保できる」意味では「京都」、「より優勝したいに近付け得る」意味では「横浜BC」であることが伺えます。
では、(その3)で、【論点3】、つまり「ベンドラメ礼生(PG。SR渋谷)」についてを綴らせて頂きます。
【バスケットボール#26C】