2023年4月、自分(愛球人)が考える今オフの移籍市場の現時点での「4つの論点(その1A)」。【Bリーグ】【バスケ】
【論点1】河村の海外挑戦のより現実的なタイミングはいつか?またその場合、より現実的な移籍先はどのリーグか?(前編)
いま、今回の記事の冒頭で、『月刊バスケットボール』最新号での河村勇輝へのインタビュー記事での、「今後の動向に直結すること」の部分を引用させて頂きました。トップ画像も、今回は河村を用いさせて頂いてます。
この2023年の「年始1回目のnote」。「河村の海外挑戦の可能性を考える」をテーマに選びました。理由はシンプルに、「最もホットなテーマ」であると判断したからです。
で、このときに、自分は下記の趣旨を綴らせて頂きました。
で、「移籍市場の論点」は、昨オフ(2022年オフ)も綴らせて頂きました。
2022年版では、「6つの論点」として下記のことを挙げていました。
結論を述べると、「2022年版」では、「盛大に外した」感じです。
例えば「エバンスが琉球→広島への移籍」とか、自分は「いや、移籍する合理的理由があるのか?」と感じていましたので、正直とても驚きでしたし、「えっ」と驚くことがめまぐるしく起こる、「だから移籍市場は面白くて恐ろしい」、と考えさせられる感じでしたけど。
では、今オフ、つまり「2023年版」。あくまでも「現時点で」の注釈付きですし、昨オフとは異なり、今オフは特に日本人選手では、実は「移籍市場に出る可能性が一定以上ある」「移籍した方がよい合理的理由がある」選手が数えるほどしかいません。これは、直近の2年間で「有力日本人選手がかつてないほどの大移動になったから、その反動で今オフは移籍市場はわりと静かになる可能性が高いのでは?」ということが正直あります。
時間と文章量の関係から、今回は「主として日本人選手に絞って」の言及になります。現実論としては、恐らく今オフの移籍市場の最注目選手は
「ジョシュ・ホーキンソン(信州。PF/C。帰化選手。この2月に帰化)」
になるのでは?と思ってますけど。
(信州ファンには申し訳ないですけど、
「ホーキンソンは99%、有力球団に移籍するだろう。移籍先が『横浜BC』『島根』『その他』のいずれになるのか?」
と正直強く感じてます。)
あるいは、帰化枠/アジア枠でならば
「CJ・ペレス(SG/PG。フィリピン代表のスコアラー)」
「ジェイミー・マロンゾ(SF/PF。フィリピン代表の3.5番)」
この2人は、昨オフも「Bリーグ入り」の噂がありました。恐らく今オフのBリーグ入りの可能性は高いだろう、と自分は読んでいます。
とりわけマロンゾは、「帰化枠/アジア枠の3.5番タイプ」は、今後のBリーグでニーズが一気に高くなると読んでるんですよね。と申しますのも「『帰化枠/アジア枠の3.5番』だからこその独特のニーズ」があると感じていて、
ということです。
とはいえ、この「帰化枠/アジア枠の良質の3.5番」を満たし得る選手自体がとても貴重であること。そういう選手って、それこそ「数えるほどしかいない」んですよね。
で、マロンゾは「フィリピン人では、no.1の3.5番タイプである」が特徴です。「30分換算でのEFFで、10点台超えは計算できるのでは?」と自分は読んでいます。
特にこの2球団は、マロンゾと相性がよさそうでは?と強く映ってます。
それと、外国人選手でならば、「国内移籍の可能性がある選手」で要注目が2人。
「オフェンスマシーン的なPF」である「ブロック・モータム(北海道)」。
と、「得点能力の高さ、爆発力、シュートレンジ」がとても伝わる指標になっています(一方で守備はやや苦手な感じで、「北海道の失点数の多さの一因」にもなっている感があります)。
個人的には「CSレベルの有力球団の第3外国人」として最適任、と思ってます。とりわけ「島根が第3外国人として獲ると、優勝へのラストピースの1人になり得るのでは?」と思ってますし、モータムはオーストラリア人ですので、「ニック・ケイとの人間関係に問題がなければ」の注釈付きにはなりますが、これがクリアできていれば、「島根」にとってはドンピシャな感じになりそうでは?と。
今季の島根は「ビュフォード、ニック・ケイ、安藤誓の『ビッグ3』+『ロールプレイヤー』」のシステムが明確に確立された感じで、つまり
「第3外国人」=「半ロールプレイヤー化」=「役割の明確性がより求められる」
になってるんですよね。
これに照らせば、モータムは「20分強での出場時間で、シュートレンジを活かした爆発力で、相手守備陣を拡げさせてビュフォード、ニック・ケイのリングアタックをより増やす」という明確な役割を見込めます。
欧州での経験が豊富ですので、それを通して培っての「勝利のカルチャー」のさらなる醸成にも寄与できるでしょう。
島根への移籍の可能性は、モータムが「優勝したい」をより優先順位と考えるかどうかによる感じになりますが、自分は「島根への移籍可能性は、少なからずあり得るのでは?」と正直呼んでいます。
あるいは、「広島」だと「ニック・メイヨの上位互換になり得る」こと。
(ユトフ[京都]も魅力的だが、ユトフは本人も家族も京都に早々に馴染んでいて、「まず確実に来季も残留と考えてよい」のでと。)
それと、「群馬」。「キーナンの上位互換といえる」こともですし、群馬の正センターは「典型的な古典型ビッグマン」であるターズースキーですので、「ニーズをドンピシャで満たし得る」と思うんですよね。
「シュートレンジに優れる4.5番タイプ」はとても貴重である感じですし、パワーよりはスピード・機動力により魅力がある選手タイプですので、スポットでのSF起用も面白そうだと。その意味でも、モータムは今オフの移籍市場の要注目選手の1人と正直映ってます。
「リード・トラビス(島根)」。来季開幕時年齢が実質28歳と「これからが全盛期」の感じで、彼もまたスピード・パワー・爆発力を兼備の「オフェンスマシーン」タイプです。
昨季は島根のバズソーを牽引する一人でしたが、今季は「ビッグ3」スタイルの確立と、それが自身の負傷離脱の間になされてしまった影響もあり、「半ロールプレイヤー化」にアジャスト(対応)し切れずに苦しんでいると映ってます。
一バスケファンとしては、トラビスは「より大きな役割を与えてこそ、より輝ける」選手であると思ってます。その意味で、ドンピシャな移籍先があるんですよね。
そう、
と、自分は映ってるんですよね。
確かに、オマラは充分に「B1レベルのセンター」へと成長を遂げていることは伝わりますし、いつもエナジーを注ぎ続けようの姿勢は感じます。
ですけど裏を返せば、「できる最大級の努力の到達点が、B1の第3外国人」(第3外国人としてならば優良ともいえる)ともいえるんですよね。
そう、結局のところ、今季の大阪には
「ニュービルとデュオを結成できるビッグマンが、いなかった。」
これに尽きると感じてます、悔しいですけど。
(申し訳ないけど、9月の新体制発表会、及びPSMの「奈良vs大阪」の時点で、それはある程度読めてしまっていた。)
これに加えて、オマラとハントは、「シュートレンジが狭いビッグマン」ということで、プレーエリアがほぼ完全に重複してしまってます。
そのようなタイプは、この5年で急激に戦術傾向が変化している現代バスケでは、「古典型ビッグマンは1人が限界、2人では多すぎる」が回答として明確に出てしまっている感じがあり、これは昨季の広島の「ジャクソンとエチェニケ、両雄並び立たず」で雄弁なほどに示された感があります。
(同じことは、京都の「ディアロとウドゥ」にもいえます。ウドゥをBリーグで観られることはとても嬉しいし、今季終盤の京都に大きく貢献していると映るけど、今オフの京都は第3外国人として「機動力とシュートレンジを兼備できるビッグマン、できればより若い」がより望ましいと自分は強く感じてます。)
そう考えると、トラビスは、今季は3P成功率に苦しんでいる感じではありますけど、
確かに今季は得点面での指標が軒並み落ちていることは否めませんが、シュートレンジはあることは伝わりますので、「古典型ビッグマン」であるオマラとはシナジーがよいのでは?と。
「no.2オプション」と考えれば、ニュービルとデュオを結成できる水準にはある、と自分は映ってます。
…なんだかこの時点で、「帰化枠/アジア枠/外国人選手」の移籍市場に結構な文章力を充てそうなフラグが立っていますが、実は、自分が「今オフにBリーグに入団が叶うとより嬉しいです!」と思ってる外国人選手がいます。
「今オフにBリーグに入団が叶うとより嬉しいです!」の1人目、「ソン・メイカー(C/PF。豪州代表。元ミルウォーキー・バックス等)」。「NBA経験者(263試合出場)」で、今季は「中国CBA」でプレーしてました。「来季開幕時年齢が26歳」と若いことも大きな魅力です。
「来るわけないだろ!」と思ってる読者さん、少なからずいるかなと想像ですけど、自分は「正直、結構あるんじゃないかなあ?」と思ってます。
理由はシンプルで、「中国CBAではまずまずの好成績だったけど、出場機会はだんだん減少傾向になっていった、故に来季も中国CBAでの継続という可能性は恐らく高くない」こと。
これが日本でだと、恐らくですけど「正ビッグマン」はまず確実。しかも日本は「活躍すれば出場機会はちゃんと与えるし、熱烈に温かく応援してくれるし、給与は高くはないけど確実に支払われる」。
その意味で、「Bリーグ入りの合理的理由がある」訳です。
「シュートレンジがあるビッグマン」であり、「機動力に優れる」こともメイカーの特徴の一つです。
そして何よりも「リムプロテクター」であること。特に「ブロック能力」は「NBA時代から特筆」の感じでした。
今季、ウドゥが島根・京都でプレーしていますが(ウドゥもNBA時代は「ブロッカー」としてブイブイいわせていた)、シュートレンジを含めると「ウドゥの上位互換」と解釈できるでしょう。「古典型ビッグマン」とのシナジーを見込める意味でも、大きなプラスです。
ですので例えば、「正ビッグマン」の補強が急務である「大阪」が特にドンピシャですけど、「正ビッグマン」での起用を確約できて、かつ「一定以上の補強資金を見込める」球団でならば、他にも手を挙げる球団はあり得る、と自分は読んでいます。
「今オフにBリーグに入団が叶うとより嬉しいです!」の2人目、「オマリ・スペルマン(PF。元アトランタ・ホークス等)」。「NBA経験者(95試合出場)」で、直近2年間は「韓国KBL」でプレーしてました。「来季開幕時年齢が26歳」と若いことも大きな魅力です。
この、スペルマン。昨オフも「Bリーグ行き説」の噂がありました。韓国KBLは、Bリーグとほぼ同等の位置付けのリーグですが、「昨季・今季とPERが20点超え」であるので、Bリーグでも「B1の正PF」として計算できます。
「203cm,111kg」と、「横幅の大きさが特徴」の選手です。
で、スペルマンの最大の特徴は「3P能力が高いビッグマン、つまりストレッチ4である」ことです。
「3P試投率が40%超え、3P成功率が35%程度のPF」は、「Bリーグの傾向的には特にニーズが高い」と映ります。
現役のBリーグの外国人選手でだと、「ジェロード・ユトフ(京都)」、「ニック・メイヨ(広島)」、「ブロック・モータム(北海道)」といった選手がタイプ的に近いかなのイメージです。
どの球団に特にフィットできそうかは、これといって絞れないですけど、「3P能力が高いPFが要補強ポイントの球団」であれば、「スペルマンはドンピシャといえる良質の選手である」と映る、が自分の考えです。
やはり、「NBA経験者」がBリーグに来ると、それだけでもファンの集客源になり得ることは、自分は応援球団の1つが京都ですが、
「シェック・ディアロ(京都。NBAで183試合の出場歴。いまでは「CD」の愛称で親しまれている)」
で、とても実感しています。で、「俺様はNBAで183試合に出場してたんだぞ」というプライドの塊と想像していたら、実際はいい意味で全くの真逆で、
「絶対に日本で成功するんだ!」
と。いわば「日本に馴染もう」という意識が、9月の新体制発表会のときから、とても伝わってきてたんですよね。もう、心をわしづかみにされた(笑)。
基本、Bリーグに来る外国人選手は、「何か特徴がある、でも一方で何か弱点があるから、日本行きになる」傾向が強いです(これは野球のNPBでは、なおさらこの傾向です)。
ですけど、ディアロ、あるいは
「カイル・オクイン(三河→三遠。NBAで472試合の出場歴)」
は、さすが「NBA経験者」だなあ、と感じさせてくれます。
それも、ディアロもオクインも、NBAでは思いっきり「ロールプレイヤー」でした。ディアロはBリーグでも「できる部分ではさすがの貫禄だが、できることの幅は狭い」、いわば「ピーキー」とも解釈できる感じですけど(ごめんなさい)、それをも含めて強く感じてます。
それに、自分はこれまでも何回も言及してきてるかなですが、
と自分は解釈してますけど、
いま挙げた4人、いずれも「NBA経験がゼロ」なんですよね。
いや、ニュービルの「クラッチ能力」、ニック・ケイの「バスケIQ」を持ってしても届かないNBAって、どんだけすごいステージですか?と。
(そして特に「ニック・ケイ」は、現役NBA選手が何人もいる豪州代表で主力選手を務め続けているが、「FIBAルールとNBAルールでは、何かしらの似て非なるものがあるのかなあ…?」と考えさせられます。)
そして視点を変えれば、ニュービル、ニック・ケイ、ブラックシアー(あるいは「スコット・エサトン[名古屋D]」「マット・ジャニング[川崎]」「マシュー・ライト[京都。アジア枠]」もそうでしょう)は、いままででならば「中国CBA」でプレーしていただろう、とても魅力的な選手です(これはオクイン、ディアロにもいえます)。
そのような選手がBリーグに来るようになっている、それがどれほど嬉しいことか!と。
そういう存在が、日本人選手への刺激は勿論、観ている「バスケ好きの子ども(少年少女)」へのプラスの影響を生み出して、それが「日本バスケ界のさらなる成長」になると、とても嬉しいです!と思うのです。
で、今オフのBリーグの外国人選手の移籍市場、個人的には
「NCAA上がりの新人選手」にも、とても注目してます。
「コフィ・コーバーン(新潟。C)(EFF[24.23])」
「ケヴェ・アルマ(新潟。PF/C)(EFF[18.27])」
2人共に、「NCAAからプロ入り1年目でのBリーグ入り」でした。
特にコーバーンは、NBAドラフトの2巡目指名候補にも挙がっていました(指名漏れになったからBリーグに来たわけですが)。
アルマも1年目から好数値ですけど、特にコーバーンは「CSレベルの球団でも正センターを務め得る」といえる「24点台のEFF」です。
昨オフのコーバーン、アルマのBリーグ入りは、
を示唆した意味で、とても興味深いです。
その意味で、今オフの「NCAA上がり」で、特にビッグマンで
「今オフにBリーグ入りが叶えば、即戦力といえるビッグマンが2人」
いると思ってます。それが
の2人です。
ナンジについては、いまリンク添付させて頂いた「2月28日のnote記事」で言及させて頂いていて、趣旨としては
「声を大にして」、そう感じてます。今オフの京都は
この2人を獲れれば、それだけで大成功といえる!と。
(磯野については、後で【論点2】で言及ですが、「ある唯一無二の資質能力」を持っているんですよね、それ故に全力で欲しい訳ですし、それ故に「今オフの移籍市場の最注目選手」な訳ですが、おのずと競合球団が多くなるだろう訳で…、な感じですけど。)
そう、まず、「ジャック・ナンジ」は
という資質能力が魅力なんですよね。
で、ナンジ以上に今季のNCAAで強烈な成績を叩き出しているのが「ジェイク・スティーブンス」です。実は
コーバーンが「3年生」、スティーブンスが「5年生」ということを割り引く必要はあるかなですけど、それでも「PERが35点台」は「異次元の数値」といえます。
ですけど実は、このスティーブンス、今季のNCAAで圧倒的なパフォーマンスなのに、
「NBAドラフト、2巡目指名の可能性さえ、ほぼなし」
の現況評価です。これは恐らく、弱小大学に在籍していて「ほぼワンマンにならざるを得ない」ことがマイナスに作用していると想像です(実際、2月下旬の時点では「USG%が33%台」ととても高かった。いまは「USG%、30.67%」と数字が収束した感じですが、USG%は高すぎると「ボール独占傾向」の烙印を押されて、実はあまりよろしくなかったりです。
ですけど、裏を返せば、この「NCAAで高数値の新人選手を新外国人としてBリーグ入団を実現できるチャンス」は、そうはないといえます(スティーブンス、コーバーンのようなレベルの選手は、いままでならばそれこそ「中国CBA」が受け皿だったでしょうから)。
しかもこのスティーブンス、特に「攻撃能力が卓越」なんですよね。
典型的な「古典型ビッグマン」であるコーバーンよりも、ニーズはより大きいと正直読んでいます。
個人的には、「スティーブンス」は特に「島根の第3外国人」として「トラビスの上位互換」といえる、それこそ「島根の第3外国人」として(「優良コスパ」を含めての)「これ以上ないドンピシャの補強選手」といえます。
そう考えると、同じ「オフェンスマシーン」タイプですけど、「経験のモータム」か「若さのスティーブンス」か、の感じになります。
…と、想像以上に「帰化枠/アジア枠」「外国人選手」に文字数を充てる感じになりました。
ですので、【論点1】の本題、河村のことの掘り下げを、(その1B)と題して綴らせて頂きます。
【バスケットボール#26A】