新しい種
今日は清々しいくらいの快晴だった。
青い空と白い雲、そして新緑。その全部が太陽の光を受けて綺麗に映えている。運転する車の窓から見える景色で、気分が明るくなったのは久しぶりだ。
今日は息子と宮崎市の中心部で行われた「街中ピクニート」というイベントに行ってみることにした。
イベントが行われている高千穂通りに着くと、通りにはいくつかのブースが出展していた。うどんやパンなどの飲食物もあれば、服やおもちゃなども売られている。途中には、地元のアーティストが路上ライブのように歌を披露するスペースもあったりして、幅広い年代の人達を見かけた。
息子もブースの中でスパイダーマンやスターウォーズのおもちゃを買ってみたり、花の種を土に包んだ「種だんご」を作ってみたり。イベントに混ざって楽しんだ。
実はこの「街中ピクニート」、宮崎市で行われている「社会実験イベント」らしい。
例えば、通りにある違法駐輪に対して「ここに停めたらダメ」という看板を立てるのではなく、「ここでイベントをしたら違法駐輪が無くなるのではないか?」という考えのもと、今回のような通りを使ったイベントを実験的に行なったりしているとの話。
そこで歩行者や自転車の通行量の変化などを見るらしい。そういえば、たしかにそれっぽい雰囲気の人もいた気がする。ちなみに調査から算出したデータは、今後の街中での「にぎわい創出」などのための検討材料になるとのことだ。
あと、気になったのがコレ。
通りで行われていたスタンプラリーのカード。息子と一緒にスタンプを押して回ったのだが、全部集めると「こどもの貧困」についての理解につながるというもの。
驚いたのは、宮崎では貧困に苦しむこどもが7人に1人いるとのこと。ふと、息子のクラスの人数が27人だったことを思い出した。1クラスに3〜4人は貧困に苦しむこどもがいるということになる。
思いのほか、貧困の割合が高い。
でも、これが宮崎の現状らしい。知らなかった。
ちなみに、スタンプカードは全部のスタンプを集めると500円のクーポン券をもらえた。
今日は気温も25度を超え暑かったので、もらったクーポン券はすぐに「かき氷」へと姿を変えた。こういう形で街にお金がおちていく仕組みも素敵だ。
街中ピクニートは、「新しいことをしよう」という気概があふれていたイベントだったと思う。これが大きな形になるのは、まだきっと先だ。でも、そのために必要な土台を今作っているところなのだと感じた。
家に帰り着くと、息子と一緒に花の種が詰まった「種だんご」を庭に植えた。イベントで作り、持って帰ってきたやつだ。
「いつ花が咲くの?」
息子は少なからず期待しているように見えた。
「多分、そんなに遠くないと思う」
しばらくすれば、「種だんご」からはきっと綺麗な花が咲くだろう。
そしてこの宮崎という土地にも、新しい種がたくさん植わっていることが分かった。
こちらも花が咲くのは、きっと遠い先のことではない。
そんな気がした。
(note更新172日目)