シリーズ化する人気作を書きたい人へ
人気作家になってシリーズものを書きたい!
エンタメ小説を書く方が、一度は思うことかもしれません。
ライトノベルやキャラ文芸、BLなど
エンタテインメント系の小説の場合、
長く続く人気シリーズを持つことが、
人気作家の一つのバロメーターと言えるかもしれません。
もちろん、シリーズを持たない人気作家もいます。
が、長く作家を続けていると、シリーズを持ったほうが
知名度的にも格的にも有利なように思います。
まず、代表作としてみんなが覚えてくれますね。
たとえその作品を読んだことがない人でも、
シリーズ名くらいは聞いたことがある、という人が増えます。
書店でも、新刊が出た時にシリーズものとして今までの既刊本と
一緒に平台で並べてくれるので、目立つようになります。
名前を覚えてもらうには、一番の近道かもしれません。
では、人気シリーズはどのように作られるのでしょうか。
すでに一定層のファンを獲得している人気作家の場合、
「今度、シリーズものをやりませんか」という
編集者からのオファーで始まることがあります。
が、無名の作家の場合は、ほとんどと言っていいくらい
そんなことはないのが現実です。
しかしデビュー作がシリーズものです、
という作家が多いのも事実。
これは、デビュー1作目を出してみたら
予想以上に反響が大きく売れてしまった、という場合です。
売れているものを、編集者がそのままにしておくことはありません。
作家が書けるのであれば、続きを書いてもらいます。
それが売れれば、また次を。
このようにして、シリーズものはできていきます。
シリーズものの宿命として、1作目よりは2作目、2作目よりは3作目……
と巻数が先にいくほど部数は落ちていきます。
これは、よほどの例外がない限り、すべての作品に当てはまります。
だって、考えてもみてください。
シリーズものを買う時、まず買うのは1巻目ではないでしょうか?
全部持っている人はいいのですが、試しに買う人も途中でやめてしまう人も、古い巻ほど持っているわけです。
そうすると、落ちていく一方で、何もいいことはないのではないか……?
と思ってしまうのは短絡的です。
1作目、2作目、3作目……と続いていきますと、
1作目よりは3作目のほうが部数は少ないですが、
3作目が売れた時、1作目の部数が上がるのです。
3作目で作品に気づいた読者が、1作目を買う、という現象が起きます。
このようにして、シリーズものは巻数をいくほどに部数を下げつつも、
全体の部数を底上げしていきます。
よって、新刊の売れ行きはほどほどでも、作家全体の利益には多大なものがあるのです。
出版社によっては、ある一定の部数を超えるとシリーズ化してOK、
というルールを作っているところもあるようです。
では、シリーズ化をもくろんで作品を作るとしたら、
どうしたらいいのでしょうか。
まず、売れる作品を書く、というのが第一条件ですが
続きが書けるものである、というのも同じように重要なことです。
どれだけ人気が出ても、キャラクターが死んでしまっているなど、
続きがどうしても書けないものではシリーズ化はできません。
また、ストーリー性よりも、キャラクター性に重きを置いたもののほうが、
シリーズ化させやすい、ということも言えるでしょう。
シリーズの最大の魅力は、読者が共感し、
大好きになってしまうキャラクターがいることです。
そのキャラに会いたいがために、また続きを読む、もしくは次の巻を開く、これがシリーズの仕組みです。
ですから、ストーリーに力を入れるよりも、キャラクター作りにまずは力を入れるべきなのです。
シリーズ化すると、アニメになったり映画になったり、
グッズになったりコラボをしたりと、小説以外の展開もできるので、
それも魅力の一つですね。
出版社以外との関わりも出てくるので、作家さんの世界も広がります。
最近は出版不況の影響で、シリーズ化も
なかなか難しくなってきていますが、
1作ではもったいない! というような世界観とキャラクターを作ること。
これが大事ですね。
まずはプロ作家になりたい、という目標のもとに頑張っている
アマチュアの方が多いかと思いますが、さらにその上の目標として、
「人気シリーズ作を作る」ということを想定してキャラ作りをしてみると、
もっと精度が上がるかもしれません。
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