未経験で雑誌編集者になったときの記憶を手繰り寄せてみた
こんばんは!
お正月気分も少し抜けてきて、だんだん頭も働いてきました。
更新が不定期になっていますが、必ず記事は書いていきますのでお付き合い頂けたら嬉しいです!
世間は通常業務に戻りつつありますが、今日は東京は大雪でしたね。
私は電車が止まりそうだったので、早めに帰宅をさせて頂き、テレワークで仕事をしていました。雪がすごすぎて、ここは東京か?と思いましたが皆様ご無事でしょうか。
昨年、クリエイティブのお仕事について、記事を書きましたが
私の小さな経験でもお役に立てるのなら、これからもこのジャンルで書いていきたいと思っています。
編集者ってそもそも募集あるの?とか未経験でなれるの?とかいろいろな質問を頂いたことがあり、私が編集者になったときのことを少し思い出してみました。かなり昔ですが。
私は2006年ごろ編集者になりました。当時はクリエイティブのお仕事って紙が多くてWEBのお仕事はまだここまでなかったような気がします。(今は、逆転していますよね)
私は、福岡にある大学の文学部を卒業しました。
レポートや論文が嫌いではなかった。いや、自分で色々調べて何かを書く事は、むしろ好きでした。楽しいなぁと思っていました。「ああ、だから私は本を作る仕事をするんだ」と思い、出版社に入りたい!と、本当にその時の自分に説教したいレベルですが、ひくほど甘い考えで、準備や業界研究もあまりしてませんでした。
たまたま行きたい東京の出版社が募集しているのを知り、いてもたってもいられず、スーツと少しのお金を握りしめて、空港でチケットを取り、東京に行ったのです。親に「今東京にいるから会社受けてくる」と事後報告で電話をするという今思えばありえない行動でした。親には怒られましたが…
今もよく言われるのですが、私、行動力だけはあるのです。
自分で激安で泊まれる宿を探し、当日予約をして泊めてもらい、その出版社の受験をしましたが、もちろん不合格…
何も対策していなかったし、単に本が好きな地方の女子大生ってだけ。本当に甘かったと自分でも思います。
その時はそれなりに落ち込みましたが、気を取り直し、その後、縁を頂いた会社で接客業をしました。
仕事は責任が必要で、大変でしたが、同期にも恵まれていたし、やりがいのあるお仕事でした。経験ができて本当に良かったと今でも思っています。
ただ、私は新卒で本を作る仕事がしたかったのに、できなかった。
そんな思いが残像のようにずっと頭にこびりついていました。
接客って、お客様とお話し、ありがとうと言って頂く、楽しく素晴らしい仕事なのですが、私は幼いころから絵を描いたり、文章を書いたりするのがとても好きな子供でした。
自分の作ったものが形として残ることに価値を感じるタイプだったので、何かを作りたいという思いがずっとどこかに残っていたのです。
4年目のある日、制服を着ると急に胸が苦しくなりました。
ああ、これはもうだめだな、と鏡を見ながら少し笑いが出ました。
その時、何となく自分の中で何かが吹っ切れました。
「本をつくる仕事をするんだ」と、その時自分の中に根拠のない確定事項が生まれたのです。
じゃあ、早速仕事を探すんだ!と。
クリエイティブの「ク」もわからず、求人を探しましたが、既に26歳。
デザインソフトも使えない、経験がなにもない…
そんな何もできない未経験の人を雇ってくれるところなんてなかなか見つからず…
毎日落ち込んでいました。ある日、求人サイトをみていると某雑誌の編集者の募集がありました。しかも、「未経験可」と書いてあり、面接日が仕事の公休日!自分の知ってる雑誌だ!これは運命だと思いました。
ちぎれそうな藁を何とか掴んだ私は、会社説明会で一番前の席に座り、聞く言葉全てを耳の中に封じ込めようととにかく真剣に話を聞きました。
それから面接を4回ぐらいして採用いただきました。
ただ、思いを伝えただけ…のような気がします。
何もできないけど、情熱と思いだけはありました。いや、それしかなかった。
後で聞いたのですが、私の真剣度がすごかったので採用してくださったとのこと。
採用してくれた上司には本当に感謝です。
この結果を接客業をしていた会社の上司に話すと、とても喜んでくれました。
会社として応援します、といってくださり、温かく送り出してくださいました。
本当に、私の人生は人の優しさと感謝でできています。
入社してすぐは、わからないことだらけ。
専門用語がわからない。
Macってなに?
イラレ?フォトショップ?EPS?
パワポすら使えないから、本を買って自分で勉強する。
本当に何もできなかったしきつかった。
(編集者の仕事に関しては、また詳しく書きたい事は沢山あるので別の記事で書きますね)
生まれて初めて完成した記事は、先輩に教えて頂きながら、ライターさんやカメラマンさんに助けて頂きながら、何とか仕上げた2Pの小さな記事でしたが、それでも私の名前がクレジットに載っていて、友達からたくさん連絡をもらって、かなり前のことですが、その日のことは今でも鮮明に覚えています。
私は事情があって少し業界を離れていたものの、その間は舞台の脚本を書いていたり、社内の冊子やDMは作成していたので、完璧に離れて何も作らなかった期間はありません。
編集者になってから今まで、様々なクリエイターの方とお会いしました。ディレクターさん、ライターさん、カメラマンさん、デザイナーさん、イラストレーターさん。
あくまでも、私の知ってる方限定にはなるのですが、1年以上続いている人で業界を辞めた人は、片手で数えるほどしかいない。かくいう私も戻ってきましたし、何なら一度去って戻ってきた人も何人もいます。もちろん、会社を変えることはあるにせよ、クリエイティブのお仕事を辞めて、全く違うことをしてる人って、私はあんまり知りません。
大変なことは本当にたくさんあるけど、やっぱり自分の作品ができたとき、そしてそれを誰かに見てもらったときの快感からは逃れられない。
今は、そんな機会が本当に増えてきたし、テレワークもできるようになってきたから、本当に良い時代になったなぁと思いながら、この記事を書いています。