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鳥インフルエンザに対しワクチンを使用しない理由はなんですか?

インフルエンザやコロナには、ワクチンを使用しているのになぜ、鳥インフルエンザには、ワクチンを使用しないのですか?
このような問いをお客様からいただきます。私はウィルスの専門家ではありませんができるかぎりわかりやすく説明してみます。

そうです。鳥インフルエンザワクチンを使用すれば、ウィルスの感染拡大を防ぎ、殺処分をすることをせずに、鶏の命を救うことができます。それではなぜ、使用しないのでしょうか?結論からいいますと、ワクチンをすると鶏肉やたまごを世界に輸出するときに、安く買い叩かれてしまうからです。国はそれを防ぎたいのです。


それでは、なぜワクチンをすると、安く買い叩かれてしまうのでしょうか?
ワクチンを摂取すると鶏に症状が出なくなりますから、野外感染をしたかわからなくなります。ワクチン投与をした国は、結果的に、野外株汚染国と同様に扱われてしまうのです。肉やたまごを輸入する国は、自国の養鶏業を守るために、野外感染した国から肉やたまごを輸入したくはありません。各国の政府が殺処分にこだわる理由は、清浄化を保ち、汚染国のレッテルを貼られることを防ぐためなのです。

それでは、鶏を殺処分をすることは仕方がないことなのでしょうか?ここからは、私見を交えながら話したいと思います。

感染件数が少ない場合は、殺処分をしてでも国益を守ることができます。しかし、現在のように鳥インフルエンザウィルスが蔓延し、感染するリスクが莫大に増加した場合はどうでしょうか?

コロナウィルスは、感染者の徹底的な洗い出しとその隔離を行いました。もちろん人間は殺処分はできませんから隔離治療を徹底的に行いました。しかし、感染が更に拡大をしたときに、人間界はウィズコロナ(コロナウィルスとともに。)を選択し、ワクチン投与に踏み切りました。鳥インフルエンザウィルスもこのままでいけば、ウィズ鳥インフルエンザを判断するときがくるはずです。

私達は欧州のようにその時を想定し準備をする必要があります。鶏肉やたまごが輸出入の対象商品であるが故に、解決しなくてはいけないこともあります。私なりに欧州の専門家のスピーチを聞いた上で、ワクチンを使用するために大切なことを以下にまとめてみました。

  1. ワクチン以外の高度なバイオセキュリティーがベースになっていること。

  2. 野外株に対し免疫性の高い高品質なワクチンであること。

  3. 適切なワクチン接種プログラムであること。ウィルスが蔓延するまでは絞り込んだ使い方を考えること。

  4. 適切な回数を確実に行うこと。

  5. ワクチン接種群の抗体の強さが常にモニタリングされていること。

  6. 野外株のサーベランスがしっかりしていること。ワクチン株と野外株が見極められること。

未来に向けて準備すること。それがいまの日本がすべきことであると私は感じました。






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