進む欧州でのワクチン議論
2023年4月17日バルセロナで行われた国際採卵養鶏委員会(IEC)の会議に出席しました。IECとは、世界中の多くの採卵養鶏家、養鶏関係者が会員となっている国際組織であり、世界の採卵養鶏界を牽引しています。
私の今回の目的の一つは、鳥インフルエンザワクチンに対する欧州各国の動向を知ることでした。
今回の会議に報告されたいくつかのレポートは、鳥インフルエンザウィルスの脅威は年々増していることをわかりやすく示していました。世界中で、たまごの安定供給、国の財産と行政機能、関係者の精神、そして動物の福祉を脅かし続けていることを明確に示していました。
欧州では、鳥インフルエンザワクチンの使用について活発な議論が既に活発にされていました。いくつかの国ではワクチンのトライアルがまさに始まろうとしていました。国と養鶏家が力を合わせ、ワクチン使用に関する多くの難題をクリアするべく動き出していることに、私は感銘を受けました。
鳥インフルエンザ感染症は、法定伝染病であり、まさに国がリーダーシップを発揮する必要がありますが、日本ではワクチン使用に関して国の動きはありません。業界の一部からやっと声が上がり始めたところです。
日本人の慎重さは、良いところも多分にありますが、ときに残酷な結果をだすこともあります。国と業界が力を合わせて、欧州のように取り組みを始める必要があるのではと、今回の訪欧で強く感じました。