騒動から見える役割のギャップ
家にいてもテレビをつけない私が、今日は瞬きも忘れるくらい画面に集中して見ていた。本日14時から放送された吉本興業社長の会見。動画でも各社でライブ中継されており、多くの国民が注目していることが伺えた。
衝撃が冷めない20日の会見、嘘をついていたのは許されることではない。だけど事実を公表した上で新たな問題が明るみになった。パワハラともいえる上層部の高圧的な発言、自分で真実を話せない苦しみ、行動できない歯がゆさ、私も同じような気持ちになったことがある・・・。
他人事とは思えなかった。
会見を聞いてこれは芸能人に限ったことではなく、どんな職種でも社員として働いているならいつ我が身に降りかかってもおかしくないケースだと思う。そして、今日の社長の会見を聞いて組織で働いている人の闇を垣間見たようだった。きっと会社側も社員と会社を守ろうとしていたのは大前提だったはず。けれど思いの受け止め方に差が出来ていた、それがこんなにもたくさんの人が傷つく結果になったのだろうと個人的には思う。
どこの会社も社員と役職をもった管理職がいる。会社が大きくなればなるほど組織として運営していくのは必須。私は一般職員と中間管理職を働く中で経験した。役職を持っている人と持っていない人では入ってくる情報も仕事に対する考え方も違ってくる。上になればなるほど現場で働く人たちの気持ちから離れた思想を持ってしまう。様々な持ち場で働いている以上しょうがない事なのかもしれない。
でも、ここで忘れてはいけないのは一般職員は役員の仕事内容は分からないけど管理職は一般職員の仕事内容を理解しているということ。役員たるもの現場のことを理解し、良き指導者になることが重要だと私は思う。
人の上に立つということは良くも悪くも人格を変えていく。偉くなったと踏ん反り返り部下の偉業は自分のもの、失敗は部下のせいというスタイルでは人はついてこない。残ったのは働いても働いても改善されない職場環境。
私もたくさんの醜いものを見てきた。社員をコマのように扱う上司、いうことを聞かない職員に冷たい態度をとる先輩、抱えきれない問題を相談しているのにかかわらず解決できない指導者。自分の手となり足となり支えてくれている人たちへの誠意がまるでなかった。本当に嫌だった。
騒動の渦中にいた芸人さんは、不安で苦しみ、どうしたら真っ当でいられるのか相当悩んだと思う。そんな時に正しい方向に導くのがトップのあるべき姿だと思う。
人の上にいる人間は、常に尊敬され、誰よりも仕事をし、情熱を持っていなければいけない。
会見では悪い事ばかりでなく、後輩・同期・先輩芸人が様々なメディアで建設的な意見を発信していた。擁護だけではなく厳しい意見も。苦楽を共にした同志が静観でなく、心のある言葉で訴えてる姿に心打たれた。本来笑いを提供しなくてはいけないのに涙を流して仲間のために叫ぶ。素晴らしい絆が築かれていることも明るみになった。
「いつかこのことを笑いに変えていじる日が来るように」とある先輩芸人が言っていた。
辛い事も笑いに変えるポジティブな姿を見て、私たちはいつも元気をもらっている。
現在の苦境を笑いに変える姿を見てみんなが笑顔になる日が早く来てほしい。
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