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祖母が遺してくれたもの
朝顔を咲かせて入谷の路地住居
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先日実家に帰省した際、祖父母の仏壇脇に飾ってありました。
邦子。
祖母が詠んだ夏の句です。
7年前に他界した祖母は、俳句や書、読書が大好きな文芸愛好者でした。
恐らく、所属していた俳句倶楽部の【吟行】で訪れた際に詠んだ句なのでしょう。
【吟行】ぎんこう
詩歌を吟詠しながら歩くこと。
和歌や俳句の題材を求めて、名所・旧跡などに出かけること。
句を詠んだとき、祖母が見ていた景色はこんな感じ?
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少し、瑞々しさを出して。
打ち水を放つ!
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祖母の俳句手帳
そう言えば、祖母の俳句手帳を持っています。
遺品の中にあり、私が譲り受けていたことをすっかり忘れていました。
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和紙で丁寧に貼られている手帳カバーは自作のようです。
何度も開いてはメモをしていたのでしょう。
和紙の毛羽立ちに温もりを感じます。
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それにしても、直筆の文字って凄いパワーを感じませんか?
ひと文字ひと文字に、強い思いというか【念】に似た何かを感じます。
特に俳句は、五感を研ぎ澄まさなければ作れないものですし、
ことば一文字に込める思いが伝わってくるからなのでしょうか・・・
孫の私が解読
"祖母が見ていた景色を私も見てみたいな"
と思うのは自然な流れですが、
見てわかる通り、走り書きのメモを読み進めていくのは割と根気のいる作業です(美文字なんですけどね)。
そこで孫の私が少しずつ解読し、”素敵だな "と思った句だけ紹介する。
これって、おばあちゃんどう思うかな。
許してくれるかな。
"恥ずかしいから止めて"と思うかな。
でも生前、"文才があったら小説家になりたかった"といっていたし、
"自分のキモチや考えを何かしらの手段で伝えたい"という思いが強い人だったので、素敵な句なら喜んでくれるかも知れません。
少しずつ読み進め、素敵な句を見つけたら紹介させていただきますね。
もうすぐお盆。
このことを祖母に報告する予定です。
あと半分の夏を素敵にお過ごしください。
それではまた。
その日「自分が見たいもの」「居たい空間」「気持ちの移ろい」など…その日にしかない生み出せない感覚をイラストにして、不定期でお伝えしています。イラストは、AIイラスト生成ツール【Image Creator from Designer】を使用しています。