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ちょっと先の未来を先取り!はじめてのCES2023レポート

あけましておめでとうございます、むらかみです。

突然ですが私は幼少期に愛・地球博に行ってから大の万博好き。
そのせいかちょっと未来を先取りできる展示会に無条件で反応してしまう人間になりました。

日本でもビッグサイトや幕張メッセなどで「○○EXPO」などよくやっているので、IT関連の展示会によく足を運んだりしています。

そのようなIT展示会のなかでも世界最大規模のものが「CES」です。
いつか行ってみたいと思っていたCES、2023年の年始についにプライベートで行ってきました!

私自身CESには初めて行ったのですが、いろいろな面白い商品を見つけてきたのでレポートを書いてみたいと思います!!

CESって何?

ベネチアン会場にある大きな看板

CESはコンシューマー・エレクトロニクス・ショーの略称で、アメリカのラスベガスで4日間(2023/1/5~8)に渡り開催される大規模なIT展示会です。

マップ

ラスベガスコンベンションセンター、Venetian、Ariaなど、複数の会場にまたいで世界各国の様々な電子機器が展示されます。

エリアは大きく分けて以下の3つです。

①Tech East:ラスベガスコンベンションセンターをメインとした会場
②Tech West:ベネチアンホテルをメインとした会場
③Tech South:アリアホテルをメインとした会場

世界中の会社が出展するので、4日間毎日会場に行ったとしても回れないほどの展示量です。(実際私も1日遅れての参加でしたが、Tech Southまで回ることができませんでしたw)

また、展示以外にもITの最新トレンドや新サービスの発表などを行うセッションも存在しており、モノそのものだけでなく最新トレンドの情報も追うことができます。

展示の種類

CESの展示には大きく分けて2つあります。

1つがスタートアップのエウレカパーク、もう1つはそれ以外の通常の企業展示です。

エウレカパークはTech Westのベネチアンホテル1階にある展示エリアです。
世界中のスタートアップが国ごとのパビリオンエリアに小さな展示スペースでたくさん並んでいます。

GoogleやBMWなどの大企業の展示は一戸建てで独立しているものもある
SHARPなどはWynnのミーティングルームで独立して展示


通常展示、スタートアップ展示区別なくイノベーションアワードの選考対象となります。

イノベーションアワードは様々な部門に別れて優れたデザインとエンジニアリングの商品を称える賞で、最も優れたものにはベスト・オブ・イノベーション賞が与えられます。

選考基準は以下

・エンジニアリング、機能性が優れていること
・デザイン性に優れ美しいこと
・他の製品と比較して卓越し、先進的であること

イノベーションアワードを受賞した商品はベネチアンの入り口に特設エリアが設置され、展示ブース内でアワードのエンブレムを使用することもできるため注目度が高まります。

通常展示

まずはスタートアップ以外の通常展示で様々な面白そうな展示を見つけることができたため、こちらで気になったものを紹介します!

※アワード受賞していたものは★で表します

調理の様子がわかりやすい電子レンジ用フィルム(META)★

調理中の様子がよく見える

こちらは電子レンジの発する有害な光線を遮断する透明色のフィルムです。

これまでの電子レンジは透過性の低いパンチングメタルを使用しているため、中の様子を鮮明に確認しながらの調理をすることはムズかしかったのですが、透過度が高い状態でマイクロ波を遮断できるこちらのフィルムを使用することで、調理中の食材の様子をよく見ることができるようになります。

そもそも「なぜ電子レンジはこんなに調理中の様子が見にくいのか?」など考えたことがなかったのですが、たしかに自分の経験としても「見えないけど焼けてる気がする」と思いオーブン機能作動中のレンジを開け、失敗したことが多数ありました。

未来のレンジの扉は徐々に透明になっていくかもしれませんね!


一瞬でまゆげが描ける!まゆげプリンター(L'ORÉAL)★

L'ORÉALは多数の商品がアワード認定されている

L'ORÉALのまゆげプリンター。展示はありませんでしたが、アワード会場でお目見えしていました。

スマホで好きな眉毛の形を選び、それを眉毛に当てるだけでかんたんに眉毛が印刷できてしまうスグレモノです。

似合う眉毛を見つけるのって地味に難しいので、こちらがあれば朝のメイク時間の時間短縮にもなりそうですね。

L'ORÉALはこれ以外にも、手や腕に障がいのある方が口紅をつけやすくなる器具や美顔器など、様々な商品がアワードに選ばれており、ショーケース1つを独占するような量でした。

コスメ業界のデジタル化を先導するような存在ですね。


瞬時に色が変わる未来の車(BMW)

色を瞬時に変えられる

CES関連のツイートなどでもよく見かけたのがこちらの車「i Vision Dee」です。

BMWはベネチアンやコンベンションセンターの中ではなく、1企業で1つの建物がパビリオンになっています。

外側の外壁が電子ペーパーになっており、スマホ操作で瞬時に色を変えることができます。

この車にはフロントのモニターが無いことも特徴です。
フロントガラスの下側がディスプレイになっており、近くにある店の情報を教えてくれたりします。

ソニーがホンダとの共同開発で発表したEV車も同様にフロントガラスに拡張現実表示されるようになっており、車業界の次のトレンドなのかもしれませんね。

https://www.bmw.co.jp/ja/topics/fascination-bmw/bmw-concept-vehicle/bmw-vision-ivisiondee-2023.html

弱視のためのアシストARゴーグル(Panasonic)

Biel Glasses社とパナソニックが共同開発した視覚情報をサポートスマートグラスです。

コンベンションセンターのセントラルホールで大きな面積を占めていた日本企業はパナソニックとソニーです。(相対的に見るとSAMSUNG>Sony>LG>Panasonic>Hisense>SKですかね)

パナソニックは今回メインで太陽光パネル等のtoB向けのソリューション展示の他に、ARやVR等の周辺機器の展示を行っていました。

こちらは弱視の方のためのARゴーグルだそうで、障害物や段差などの危険なポイントを検知し、拡張現実でわかりやすく表示してくれます。


叫んでも声がもれない防音マイクmutalk(Shiftall)

VRマン

パナソニックの展示エリア内にあったShiftallの展示エリア内にありました。
Shiftallはもともとパナソニック出身の方が作られた会社のようですね。

このブースではVRに関する様々なデバイスを展示していました。

いちばんユニークだったのは口に付けるタイプの防音マイク
実際にデモを見せてもらいましたが、普通に話している声は完全に何も聞こえなかったです。ゲームを大声でプレイする方などには便利そうですね。

他にはVRを使用している際に体感温度を再現できるペルチェ素子を使用したパーソナルエアコンや、手をすぐに開けることのできるVR用リモコンなどもありました。

視覚以外の感覚に対しても、リアルさが求められる時代のようですね。


折りたためるスマホ(SAMSUNG)

折り畳めるスマホ、Galaxy Z Filp4です。
こちらのタイプは上下に閉じることができるものです。

しかしガラケー時代は折りたたみは主流でしたが。この時代になって再び折りたたみ携帯が出てくるのはなかなかおもしろいですね。時代は繰り返すのだなということを感じさせれました。

横開きバージョンもあり

触ってみた感想としては折りたたみ部分の違和感が本当に無いことに驚きを感じました。ちなみに横開けタイプもあるので、これから技術が進めばノートパソコンなどももっとコンパクトになっていくかもしれませんね。

SAMSUNGは今回コンベンションセンターセントラルホールで最も広い面積のブースを持っていました。

ブースに入るために長い列ができるほどの人気ぶり。

韓国企業は自社製品の見せ方がとてもうまく、訪問者をワクワクさせるブース作りが印象的です。

モーションキャプチャ用デバイス(SONY)

SONYのブースにあったモバイルモーションキャプチャーデバイスです。
コロコロしていてかわいい見た目が目を引きますね。

デモで動いていたのはRAYNOSちゃん
このキャラクターのレベルも高くてめちゃくちゃ可愛いです。
SONYの方もこだわり抜いたキャラデザだそう。

このデバイスのすごいところは、とても軽くてかんたん、かつ値段もお手頃なところです。
持ってみてもほとんど重量を感じないほど軽く、6つ装着してスマホ接続するだけでかんたんにモーションキャプチャーを実現できます。

このレベルのものが4万円ほどで手に入るなんてすごいですね。

他にも裸眼3Dディスプレイやホンダとの共同開発のEV車など、SONYのブースは韓国企業とも引けを取らないようなワクワクする展示がたくさんありました。

CESの入場バッジのリボンもSONYロゴ入りで、大きなブースだったので日本の企業の中でも一番と言っていいほど存在感があったのではないでしょうか。

ラテアートの3Dバージョン!液体用3Dプリンタ(SUNTORY)★

水の中に浮かぶダイアモンド

SUNTORYが展示していた液体用の3Dプリンターです。
ラテアートの3Dバージョンと捉えるとわかりやすいと思います。

SUNTORYがCESに出展していると聞きとてもびっくりしたのですが、飲み物を作るだけでなく「やってみなはれ」精神をもとに様々な会社と共同で新規事業を推進しているそうです。

中の黒いインクはイカスミでできており、飲んでも問題ない素材で描かれているそう。他の色も出力可能で、野菜の汁なども使用して作られています。

デモも見せてもらいましたが、印刷設定してからこの柄ができるまでは15秒ほど。未来のカクテルにはこの技術が使われていそうですね。

SUNTORYは他にも生体データを常時取得するためのモニタリングデバイス(体内時計がわかる)や、腸の音を聞いて腸活を促すアプリなど、ユニークなアイデアで幅広いデバイスを制作し、数々の賞を受賞していました。

今後の動向にも注目ですね!

ロボットが見つめながら描いてくれる似顔絵ロボット(XORBIS)

韓国のデジタルコンテンツ制作会社XORBISの展示。
一番注目を浴びていたのは、こちらの似顔絵作成ロボットです。

写真を撮り画像を加工してプリントするのではなく、似顔絵のモデルに質問をしながらその答えを絵に反映させ、ロボットアームで握ったペンで実際に一筆一筆書いているのがこのロボットのすごいところ。


Sketcher Xで実際に書いた似顔絵

実際に書いているところを見ましたら、とてもよく似ていました。

こちらの会社のプロジェクトを見てみましたがどれも面白そうです。
今後も展示技術の発展にとてもワクワクしました。


石鹸で落ちるタトゥープリンター(prinker)

スマホから1タップでかんたんにタトゥーを印刷できるプリンタです。

使い方はかんたん、専用のアプリから印刷したい絵柄を選び、プリンターを肌にスッと当てるだけです。

実際にやってみたのですが上のような単純な絵なら2秒で印刷ができました。タトゥーとは表記されていますが、ウォータープルーフで石鹸で簡単に落とすことができます。

将来ライブなどでも使われることが多くなりそうですね。


ヒトを追従するスマホ/タブレットスタンド(pivo)★

ピボポッドはボディ/フェイストラッキングをして追従してくれるスマホ/タブレットマウントです。

スポーツ中の動画撮影や手が離せない際のビデオ通話など、ずっと追従してくれるので不便することなく簡単に動画撮影ができます。

これを持って複数箇所で画像を撮影すればストリートビュー的なコンテンツもかんたんに作れるようで、CESの会場のストリートビューのようなものもデモでできていました。

いびきを感知し呼吸を楽にするまくら(motion pillow)★

NOSE METALとどデカく書かれており、ロックスターが出迎えてくれる気になるブースがこちらです。

ライブ会場のようなブース設計だったので音響か何かのデバイスかと思いきや、なんといびきを防止するまくらの会社のブースでした。

NOSE METALというのはいびきがもっともパワフルなメタルミュージックだという皮肉からだそうですw

いびきの抑制方法もなかなかおもしろいです。
寝ている間のいびき音を学習、検知し、まくらの中のエアバッグをふくらませることで首を動かし、呼吸をしやすくすることでいびきが抑えられるとのこと。

なんと97%のユーザーがいびき回数を削減できたようです。


静電気を使用した繰り返し使えるコロコロ(クリエイティブテクノロジー)

こちらは日本のブースです。

特定の物質を吸着させることができる静電気の吸着技術は、服の工場で静電気を使用して裁断後の生地を1枚1枚めくる工場の機械に使用されているようです。

その技術を使用して、こちらのブースでは静電気を使用した様々なアイデア商品を展示していました。

そのなかでも気になったのが静電気コロコロ
電源を入れてコロコロするだけで、ゴミを吸着することができるということです。

まだ研究段階のデモだそうですが、繰り返し使えて紙のゴミが出ないので地球に優しいですね。他にも空気中のゴミを静電気を使用して吸着させる、ファンの無い空気清浄機などの展示もありました。

マリリン・モンローみたいになれるからだ用乾燥機

韓国の家電メーカーのからだ用乾燥機、プールや温泉向けに販売しているようです。

実際に乗ってみましたがマリリン・モンローの映画のように下からブオ〜〜と空気が出てくる仕組みになっています。

日本ではあまり見たことがないような機械でユニークです。
アメリカには一般家庭でもプールがあるので、家庭のプールなどで使用されるのかもしれないですね。

他にもCESではプール自動洗浄機など日本ではあまり見られない家電がたくさんありました。

似合うメイクを見つけられるMIXED REALITY MAKEUP(KOSE)

KOSEの展示ブースでは、顔にプロジェクションマッピングすることで自分に似合うメイクを見つけることができる体験ができました。

実際に体験してみましたが、プロジェクターの光が顔にあたっても眩しくなく、顔を動かしてもずれることなくメイクを維持してくれました。

色も実際の製品と近く、実際に試さずとも似合うか否かがわかり清潔なことから、KOSEの実店舗でも使われているようです。

個人的にはスマホ上のARメイクは見にくく近づいて見にくいので、実際に鏡で自分の顔を見れるというのはメリットだと思いました!

コンベンションセンターで存在感を放つ存在、LGの湾曲ディスプレイ(LG)

コンベンションセンターで最も存在感を放っていたブースが、こちらのLGのスペースです。

中央のエントランスから会場に入ると、右手に見えるのがこちらの湾曲ディスプレイ。圧巻としか言いようがないです。

他にも8K対応など多くのディスプレイや、LG gramなどのノートパソコン、家電類を展示していました。

LGは自社製品の魅せ方がとても上手く、魅力的な展示をしていたのが印象に残っています。

スタイリッシュな車椅子(WHILL)★

日本やカナダの空港などでも設置されているスタイリッシュな電動車椅子です。

「すべての人の移動を楽しくスマートにする」ということを実現すべく、免許不要で歩道を走行することができるあたらしいのりものを作っています。

日本でもお目にかかったことのある方はいらっしゃるのではないでしょうか?CESの会場内でも何人か乗っている方を見かけました。

イノベーションアワードの会場でも一番最初に展示されており、とても存在感を放っていたのが印象的です。


繰り返し使えるウイルステスター(OPTEEV)★

デバイスを起動させ呼気を吹くだけでコロナ、インフルエンザ、RSVなどの複数の病気を60秒で一気に検査できるデバイスです。

通常の検査キットとは異なり、複数回繰り返し使用することが可能なのでキットの在庫を気にすることなく毎日検査を行い、安全に過ごすことができます。

この他にも周りの空気にウイルスが含まれていないかを検知することもできる首かけ型のデバイスもあるようです。
タクシー運転手など、1対1で不特定多数の人と関わるような職業の方に有用そうですね。


未来のゲーム機、WOWCUBE(wowcube)

24のディスプレイを回して遊ぶルービックキューブ型の新感覚おもちゃです。

振ったり傾けたりすることができるので迷路やパズルなどのゲームはもちとんのこと、時計や株価の表示など普段使いのパーソナルアシスタントとしても使用することができます。

アップル共同創業者のウォズニアック氏も"This is the most incredible thing I've seen in a long time."と驚いた機体。

スマホと接続でき、自分で開発したゲームで遊ぶこともできるそうです。
未来のゲーム機はこんなふうになっていくのでしょうか。


エウレカパーク

ベネチアン1階のスタートアップ展示会場、エウレカパーク。
様々な国が、たくさんのスタートアップ企業を束ねる形でブースを出しています。

圧倒的な存在感を示していたのはやはり韓国です。

エウレカパークをぐるっと見ていっても、様々なところに散り散りになる形で韓国企業の展示がある状態です。調べたところによると全出展のなかで韓国はアメリカの次に数が多いようです。

韓国ブースでは2030年の万博開催に立候補していることも強くアピールしており、そこら中にEXPOのロゴも掲出されていました。もし万博開催国となった場合はKスタートアップの技術力の高さを全面に押し出せそうですね。

ぱっと見てパビリオンの数の多さでは、次いでフランス、台湾ですかね。
日本はJ-StartupsのブースとJapan Tech Projectのブースが出していました。

スイスはかわいらしいデザイン
ウクライナブースも!

エウレカパークの出展数は、国がどれほど力を入れて支援しているのかで大きく変わってきそうです。

【日本】視覚障がい者のためのアシスト機器(Ashirase)★

日本のブースのスタッフはみんな法被のような衣装を着ているのが特徴。
真ん中にJ-Startupsのブースが大きくあり、周りを取り囲むようにして複数の出展があります。(ちょっと真ん中のおもてなしスペースの使い方が贅沢かもw)

あしらせは、靴に装着して振動で足に知らせることで視覚障がい者の単独歩行を支えるナビゲーション装置です。

複雑な装置をつけなくても靴に取り付けるだけでかんたんにナビゲーションをしてくれるのは嬉しいですね。
足のジェスチャーでもハンズフリーで操作がかんたんにできるので、進むべき道に向かって集中して移動できます。

別ブースにもあしらせに似た機能を持つ製品を見つけましたが、こちらはウエストに巻くタイプのようです。カメラがついているので道案内に加えて障害物検知などもできるようですね。

【台湾】空気清浄機付きノイキャンイヤホン(ible)★

台湾の企業が作った、ノイキャンイヤホンを備えたウェアラブルイオン空気清浄機

コロナ禍で生まれた便利デバイスです。

食事中などマスクを外す必要があるタイミングでも細菌を95%、PM2.5や花粉を99.9%除去することができるそうです。

きれいな空気を吸いつつ音楽も聞くことができるのは一石二鳥ですね!!!(?)

【韓国】5つのベースで自由に香りを調合できるアロマディフューザー(STANDI)

5種類のベーシックな香りのカードリッジを入れるだけで気分に合わせたアロマをスマホ操作で45種類程度作成することができるアロマディフューザーです。

自分の好きなアロマを入れて他のアロマと調合することも可能なようです。

5種類のアロマを入れるだけでそれほどたくさんの香りを作れるなんてとても便利ですよね。中で調合まで行っているところがすごいですし、アイデアもとてもおもしろいと思いました。

ただし実物のSTANDIはその名の通りスタンド型なのでかなり大きいのがネック。もう少し小さいタイプのものがあれば家に欲しいと思いました。


【日本】超音波を使ったスカルプケアデバイス(Pixie Dust Technologies, inc)★

超音波で脳を刺激することでスカルプケアをする装置。
筑波大発ベンチャーのピクシーダストとアンファーの共同開発。

超音波研究者の星先生が怪我の治癒の研究のためにネズミに超音波を当て続けたところ、副産物として偶然毛が生えてしまったことから生まれたアイデアだそう笑

ブースには開発者の星先生本人がおり、お話することができたのが嬉しかったです。


【日本】立ち仕事サポート器具(archelis)

アルケリスは足腰の負担なく長時間の立ち仕事ができるアシストスーツです。ネーミングは「歩ける+椅子=アルケリス」から来ているようですね。

実際にためしてみましたが軽く膝を曲げるだけで本当に座ったように楽な体制になりました。膝を曲げようと思ったら膝の部分のパーツを動かすだけでかんたんにしゃがみこむこともできます。

工場の立ち仕事や手術室の長時間のオペの苦痛を減らすために開発されたようです。

これは長時間立ち続けて歩き回るCESの開催期間中に一番求めていたかもしれません笑 開催期間中に貸し出ししてほしかったです!

価格が40万円程度したので少々高かったのがネックですが、貸し出しなどであればニーズはありそうですね。


【ドイツ】パール型のイヤリングに見えるワイヤレスイヤホン(nova)

こちらはパールのイヤリングと思いきや指向性のワイヤレスイヤホン

10万円近くするのでかなりお高いですが、それに見合うほどエレガントでとても素敵なデザインです。

耳の穴に入れる形ではないので音が塞がらず、会話をしながら音楽を楽しむこともできます。実際に試してみましたが音も十分に良かったです。

あまり日本では見かけませんが、アクセサリーのようなデザインのイヤホンはもっとあっても良さそうですね。今後はハイブランドもこのような商品を発売していきそうです。

【フランス】一気に磨ける歯ブラシ(Y BRUSH)★

これはもう見たままのプロダクトですね笑

音波振動テクノロジーを使用して10秒で自動ディープクリーニングができる歯ブラシです。これをくわえて上の歯と下の歯に当てるだけできれいに歯磨きができるようです。

CESには何度か出展しているもののようで、すでに様々なメディアでも話題になっているそう。こちらの効果がどれくらいあるかは以下の歯科医師さんが書いたブログがとてもわかりやすかったです。


【韓国】焚き火のようなビジュアルのヒーター(GRAPHENE SQUARE)★

GRAPHENE SQUAREはグラフェンという素材を使用した製品を多数製造している韓国企業です。

グラフェンは炭素原子のみからなる非常に薄く透明なシート状の物質です。
薄いながらも耐久性がとても高く柔軟で、電気の伝導率が高いです。

こちらの製品はそのグラフェンから熱を生成するバーチャル暖炉で、少ないエネルギーで効率よく熱を生成できる優れた製品です。

折りたたみして持ち運ぶこともかんたんにできるような機能性の高いデザインにもなっています。

実際にデモを見せてもらいましたが、手をかざしてみるとじんわり温かいです。しかしあくまでも狭い範囲が暖かくなるような気がしたので、実際に家で試してみてどれくらい暖かくなるのかは気になりどころです。

ちなみに暖炉以外にもキッチン家電も同じブースでデモしており、こちらはタイム誌による2022年最高の発明に選ばれたようです。

トーストを焼いたりコーヒーを保温するなど、コンロや保温プレート、オーブンとしてマルチに使える家電です。

こちらも持ち運びがかんたんにでき、デザインがとてもスタイリッシュですね。火を使わないので安全性も高く、自分も家で試してみたくなりました。

【インド】空気を水に変えるデバイス(Karawater)★

こちらもタイム誌による2022年最高の発明に選ばれた商品です。

なんとプラグを差し込むだけで空気から毎日最大10リットルのアルカリ水を生成してくれるそう。夢のようなマシーンですね。

すでに空気から水を作るマシーンはいくつかあるそうですが、その中でもこのカラピュアは冷媒を用いないので騒音を出さないのが特徴。

空気中の水分からミネラルウォーターの生成をするので、除湿機としての機能も果たしてくれるそうです。

ただし大量の水を作るのには相応の消費電力が必要だったり、乾燥地帯では効率が悪いなど、完全にどこでも人が生活できる十分な飲料水を作り出すことは難しそうです。今後の進化にも期待ですね!

【スイス】高齢者見守りデバイス

スイスのエウレカブースは全面ピンクで統一されており、とても可愛らしいのが特徴です。

その中でも気になったのがこちらの高齢者見守りデバイス

このデバイスを天井に貼り付ければ、レーザーセンサーで高齢者の転倒などを検知できるようです。

通常の見守りはカメラなどをつけたりする方法がありそうですが、こちらのデバイスのよいポイントとしては、カメラやマイクが付いていないため暗闇でも異常を検知でき、プライバシーを保持しつつトイレやお風呂でも高齢者の見守りができるところだそうです。

家族がアプリでセンサーの結果を見守ることができるので、すぐに異常検知できます。

【フランス】電子署名のためのアナログはんこデバイス(KEYMO)★

アナログなはんこの形をしたこちらのデバイスは、所有者のフィジカルIDを含んだ、デジタル署名をするためのデバイスのようです。

スマホアプリの画面をセンサが読み取り押したログを両機で残すというもの。その際のネットワーク接続は不要です。

このようなサービスモデルだとサブスク課金型になりそうですが、KEYMOはそうではないのもポイントの1つ。1回このデバイスを買い切るだけで使用でき、継続してお金を払う必要はありません。

一見アナログな「はんこ」というものをデジタルに取り入れ、それを再活用しているところがとてもおもしろいと感じました。日本人からしてもハンコ文化は馴染み深いので、受け入れやすいのではないでしょうか。

ラスベガス Tips

今回CESに行ったことでいろいろ次回に活かせそうなポイントがあったので、次ラスベガスに行ったときにこうすべきだなと思ったことのメモ

  • シルク・ドゥ・ソレイユは絶対に見たほうがいい。真ん中よりも最前列のが安い。Oを最前列で見たら言葉では言い表せないほど感動しました。あと本当に目の前に演者さんがいるので衣装の精巧さとか表情の完璧さが垣間見えます。。。最前列も2ヶ月前くらいに予約しておけば普通に公式サイトでチケットを取れました。。。とにかく見ろ。

ベラージオのO劇場
MGMグランドのKA劇場
  • 一座に行くと本物のおいしい日本食が食べられて感動する、中華ファストフード店のパンダエクスプレスもまあまあおいしい。

  • コンベンションセンターの駐車場は1日10ドル、はやめに閉まるので注意が必要(私達は20時くらいに行って閉じ込められました)

  • ベネチアンEXPOにある駐車場は無料

  • 赤色で「←」の信号は左折してはいけない、緑色の「←」が別に存在する

  • ホテルには湯沸かし器が無い可能性があるので注意が必要(ホテルで熱湯を頼んだらサービス料込みで10ドルかかってしまいましたw)

  • モノレールのチケットはネットで買うとちょっとお得

  • 核実験博物館は車で10分くらいでいける、お土産がかなり独特

独裁者コーラの数々

まとめ

はじめてのCES、世界中の企業の方とお話したり、新しいデバイスに触れられてとても刺激的な体験でした!

万博が5年後の社会を見せてくれるなら、CESは3年後の生活を見せてくれるものなのかもしれないです。よりリアルに自分の生活にこれらのデバイスが入り込んでくる様を想像することができました。

出展製品で多かったものは、高精細ディスプレイ、裸眼で見れる3Dディスプレイ、VRゴーグルなどで、ユニークそうに見えて意外に多かったものは猫や犬用のIoTトイレや首輪、人間用のトイレのIoTデバイスなどです。

展示会に行くことの最大のメリットは、amazonで本を買う体験では得られない、本屋に行くときの独特のワクワクと同じで、新しい技術や考え方とのセレンディピティ的な出会いを、その製品に詳しい人とのお話付きで果たすことができるということだと思います。

今回は自分のあまり知らない分野のブースなどもじっくり見ることができたことで、そのメリットを享受できたのではないかなと思います。


また、CES全体を俯瞰していちばん思ったことは、韓国企業がとても多いということでした。

エウレカパークなど3分の1くらいが韓国の企業だったかと思います。

先述しましたが米国に次ぐ2番目の出展数だったようですね。国の支援も多額だったようで、大学から出展しているパビリオンが複数あったのも印象的です。数だけでなく技術力の高さやビジネスコミュニケーションの面でもとても優れていました。

逆に日本のブースは研究員が現地に派遣されているケースが多く、技術的な質問にはとても丁寧に回答いただけましたが、売り込む力としては海外企業のほうが一枚上手だったかもしれないです。「この仕組みによりこれができる」という説明と「これができることによりあなたにとってこんなメリットがある」という説明の仕方の違いを感じる場面がありました。

エウレカパークで目立っていたのは韓国以外に台湾、フランス、イスラエル、スイスなどでした。ロシアからの展示は禁止されているようですが、ウクライナの出展エリアはありました。

ウクライナブースでもらったシール

アメリカは国際問題への意識が高く、トランジットで滞在したサンフランシスコなどでは普通の民家にウクライナの国旗が掲げられている様子をよく目にしました。今回のCESの会場でもウクライナを支援するシールが配られてました。

ITの展示会ではありますが、世界中から出展が集まるCESでは国際的な情勢が透けて見えてきます。


アメリカに行ったり、CESで様々な海外企業のプロダクトを見て改めて感じたことは、日本人がとてもまじめな性格をしているということです。

大林組が建設した橋

これはいい意味でも悪い意味でも感じられたことです。

良い意味だときめ細やかなおもてなしや特注の建設など、きっちり進めることが求められているものに対してはハイクオリティな結果が出せます。フーバーダムのコロラドリバー橋の建設などはまさにその日本人のまじめさを生かしたすばらしい建築だと思いました。


悪い意味でいうと、(自戒でもありますが)どんなものでもまじめにやろうとする日本人は多少時間がかかろうと人手で頑張ってしまうため、機械にやらせようという意志をもたなくなってしまうことです。こちらは日本に帰国した際に一番最初に黄色い紙を人手で渡された瞬間に感じられることかもしれません。


「毎回こんな量の文字を彫るなんてめんどくさい」と思い、グーテンベルクのように活版印刷を始めることや、テストで100点取るために、ドラえもんの道具を定められた用途以外の使い方をしてみることこそ、イノベーションなのかもしれないと感じました。(今回のCESでいうとマウスピース型電動歯ブラシなどは、日本では思いつかなさそうな発明ですね笑

なので2022年はいろいろなインプットができた1年でしたが、2023年は、「めんどくさい」を原動力にアウトプットしていけるような1年にできればと思います!

このレポートも途中で「書くのめんどくさいな」と思いつつも、書いておくことでn年後に「あのときCESで見たのってなんだっけ…?」とカメラロールを遡るさらなる面倒くささを回避できたと思います、新年初めんどくささ回避となりました笑

CESはモノ自体から刺激を受けるだけではなく、日本や世界についてたくさんのことを考える機会にもなりました。とても充実した日々を過ごすことができたので、また機会があれば参加できればと思います!


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