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詩「私は隠れ蓑を着ていた」(阪田さかえ)

紙の束があふれて片づけています。過去に詩のアンソロジーのこれはと
いうのをコピーしていたものが出てきたけど、どの詩もなぜか一切ぴんと来ず、もはやコピーした時とは別人になっているのだと気がつきました。

おそらく、そのなかに、この私は隠れ蓑を着ていた(阪田さかえ)もあったのだと思うのだけど、この詩だけ手書きで書きつけてあった。
なにを思って手書きをしたのかはもはや不明だけど、この詩のみが良かったので引用してみます。
この阪田さかえも、原色小倉百人一首(文英堂)の付属CD(最近の分には付いてないかもしれない)の朗読者も、パソコンで調べてもひとつも情報が出てこない。そこがすごいなあと思う。

私は隠れ蓑を着ていた  阪田さかえ

私は無名になりたい。
そう思いながら無意識に          良い娘になりたいとしているところがある。
そのため夫とけんかになることでも、父や母の手前わらってすませていることもある。
私は裸になりたい。
私は夫と裸でむきあい思いきりけんかをしたい。



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