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イギリスの注意書きに異常に出現率が高かった基本動詞

私は、2022年4月にイギリスを旅してきました。英語圏の旅は、かなり久しぶりでした。

※2022年4月イギリス旅行の全記事は、こちらから読み進めていただけます!


イギリスでは、街の標識の英語に注目していたのですが、そこで「ある基本動詞」が頻出していました。

この動詞は、映画などではそこまで出てきません。でも、注意書き、看板では、異常な出現率の高さだったのです。

もちろん、誰でも知ってる超基礎的な動詞なのですが、何だと思いますか?


make?

take?

have?


いいえ、違います。


何かと言うと・・・



KEEPでした。

※KEEP LEFT(左側通行)


このKEEPが、街中の注意書きにあふれていました。

Keep out(入るな)
PLEASE KEEP OFF THE GRASS(芝生に入らないでください)

※ウェールズ語と英語の二カ国表記。

関連記事:

PLEASE KEEP OUT OF THE WATER(池に入らないでください)※公園の看板
KEEP CLEAR AT ALL TIMES(常時ここを塞がないこと)※駐車場の注意書き
KEEP CLEAR(ここを物で塞がないこと。ここに立ち止まらないこと。)※電車の改札
Dogs Must Be Kept On A Lead(犬はリードにつなぐこと)

※アメリカ人の夫のマイクによると、アメリカではleadではなくleashを使うことが多いそうです。

Please keep feet off seats(座席に足を乗せないでください)
Please keep your bags with you at all times and report any unattended items or suspicious behaviour to a member of staff(自分の荷物から目を離さないこと。持ち主のわからない荷物や不審な行動を見かけたら、係員に報告すること)

※これは、日本の新幹線でもよくアナウンスされている注意事項ですね。

Please keep your belongings and clothing clear of the doors(持ち物や服がドアに挟まれないようにご注意ください)

※これも、日本の電車でもよく見る注意事項ですが、日本人の発想する英語では、ここにkeepは来ないんですよね〜。

Keep apart 2 chevrons(マーク2つ分の車間距離を保つこと)

こういう標識ははじめて見て面白いなーと思いました。この尖った山形のマークをchevronと言うみたいですが、chevronってガソリンスタンドありますよね・・・

Fire door Keep shut(防火扉につき閉じておくこと)
Keep social distance(ソーシャルディスタンスを保ちましょう)

ご時世的に、このサインはめちゃくちゃ多かったですね。

KEEPING YOU SAFE(手洗い・手の消毒であなたの健康が守れます)

この看板も多かった。

Keep it under your hat!(秘密を口外するな)

これは、カーディフ城に展示してあった第二次大戦中のポスター。

家族の軍人の赴任先などの情報を軽々しく他人に話すなと市民に注意を促すためのポスターのようです。(どこにナチスのスパイが潜んでいるかわからないから)

関連記事:

Be like Dad keep Mum!(??)

これは訳しづらい!!

あえて訳すなら、「パパのようにママを守って、秘密も漏らすな」とかになるでしょうか。これもカーディフ城に展示してあった戦時中のポスター。

mumは「黙っている」と「ママ(お母さん)」をかけてあります。(keep mumは「秘密を漏らさない」という意味)

※アメリカ英語だと「お母さん」は「mom」です。

おそらく戦場で頑張っているであろう父親を持つ子供に向けた、「余計なことを話してスパイに聞かれるな」という注意と、「お母さんを守るんだよ」というポスターのよう。


このように、keepがあらゆるところで使われていたのですが、そのどれ一つとして同じ訳し方ができないのです。

辞書の定義通りの「保つ」「守る」なんて日本語にすると、とても不自然になってしまうものが多数。

実際、この記事を書いていて、日本語訳を考えるのに結構苦労しました(汗)


でも、このkeepを見て感じるコアイメージは「積極的に努力して守る」っていう感覚。

努めて何かをする(あるいはしないようにする)という意味が込められている単語だと感じました。

簡単な動詞だけど、すごく深い。

こういう基礎的な動詞ほど、意味や用途が広すぎて、だからこそ難しいのですよね。


いかがでしたでしょうか?街にあふれる英語の看板を例に、基礎的な単語の奥深さをお話ししてみましたが、楽しんでいただけたら幸いです。


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