鉱物資源の秘密:地質学と宝石学の世界(1)
※ 表紙のイラストは、この文章を読み込んでDALL-E3が生成したイメージ画像で、私の写真ではありません。私自身は、このような初心者のようなレンズやルーペの使い方はしません。このマガジンではルーペの使い方の基本についても解説する予定です。
はじめに
このマガジンをお読みいただく前に、知っておいていただきたい基本事項をご紹介します。後続の記事では鉱山名や鉱物資源の特性、生物学の特徴を意図的に曖昧に記述することがあります。これには特定の理由がありますので、まずはこの記事に記載されている基本的な概念を理解した上で、続編シリーズをお読みください。
多国籍企業経営者としての活動
私は多国籍企業の経営者として活動する一方で、国内外の大学や研究所に招聘研究員としても在籍しています。アフリカ諸国で #アグロフォレストリー 開発に取り組み、同時に無電化地域への #再生可能エネルギー 導入プロジェクトも推進しています。これらの事業に関連して、地質調査、土壌調査、環境アセスメントなどを国内外で実施しています。その他の関連事業としては、資源産出国での資源採掘権の取引などにも関わっていますが、これらの情報には、しばしば国家機密が含まれています。
学術論文と守秘義務
資源産出国での鉱脈や鉱石や埋蔵量などの調査や分析結果などは、必要に応じて部分的に学術論文や資源レポートなどで発表していますが、守秘義務と情報の悪用を防ぐため、これらの情報を一般に公開することは控えています。この情報の悪用とは、例えば、 #化石 や #隕石 、 #鉱物資源 に関する情報が、コレクターやマニアに伝わることで生じる #盗掘 や破壊などのことです。化石の採取には特殊な技術が必要であり、素人による不適切な採取は化石を破壊し、その学術的価値を失わせるリスクが極めて高いです。
マガジンの目的と範囲
このマガジンは化石の専門誌ではなく、 #地質学 、 #鉱物資源 、 #宝石 など幅広いトピックについて解説していく予定です。そのため、化石に特に興味がない読者にとっては、『化石の盗掘による学術的価値の損失』の意味が直感的に理解しづらいかもしれません。そこで、この問題の背景と重要性について説明します。
化石の盗掘の影響
化石の盗掘は、単に個々の化石が失われるだけでなく、これらが発見された場所と状況から得られる貴重な科学的情報も同時に失われます。この情報は、生物の進化や地球の歴史を理解する上で不可欠です。また、違法な盗掘活動は、合法的な科学研究や教育活動に対しても悪影響を及ぼし、地域コミュニティの文化遺産を損なうことにもなります。
進化情報の重要性
一般的な #鉱物資源 に関する専門家の著書は、貴重な学術情報を提供していますが、しばしば『進化の情報がなぜ重要なの?』という一般人の疑問に対して、即座に答えることが難しいことがあります。これはスーパーコンピュータの世界でも同様です。たとえば、2009年に蓮舫議員がスパコン開発予算の削減について『世界一になる理由はなにがあるんでしょうか? #2位じゃだめなんでしょうか ?』と問いかけた際、官僚や専門家は適切な回答を提供できませんでした。私は情報工学者として、このような基本的な質問に対して十分な答えを出せなかった専門家たちの対応に驚きました。
AI進化アルゴリズムの重要性
そこで、情報工学者の視点から『AIの進化アルゴリズムの重要性』について説明します。AIの進化過程を正確に理解し管理できない場合、AIの発展において深刻な問題が生じる可能性があります。例えば、 #進化アルゴリズム を用いたAIが進化する過程で、そのアルゴリズムの進化過程を追跡し理解することができなければ、予期せぬ挙動や倫理的な問題が生じるリスクが高まります。さらに、進化過程を理解することは、AIの能力を最大限に引き出し、より効率的かつ安全な技術開発を実現するためにも不可欠です。このように、進化情報の理解は、科学的な探究だけでなく、実用的なテクノロジーの発展にも重要な役割を果たします。
進化アルゴリズムの予測可能性
AIプログラミングやシミュレーションにおける『 #進化的アルゴリズム 』は、AIの進化において『予測可能』と『予測不可能』の両説が存在します。これらは数学や論理学の証明手法を用いてそれぞれの立場を支持しています。しかし、進化アルゴリズムの基本的な原理と適用範囲を理解することが、これらのアルゴリズムの挙動をよりよく予測するための基盤となります。
進化・退化・絶滅
地球上の生物は過去約5億年間で、少なくとも5回の大規模な #絶滅イベント を経験しています。これらの絶滅はそれぞれの時代の地球環境の変化に起因していると考えられます。絶滅の原因には諸説ありますが、例えばシアノバクテリアの増加による酸素濃度の急上昇や、逆に酸素不足による海洋生物の生態系変動、 #火山噴火 や #巨大隕石 の落下に伴う気候変動、病原菌やウイルスの蔓延などが挙げられます。これらの原因は完全には解明されておらず、研究課題が多く残されています。進化、退化、絶滅の原因を理解することは、 #気候変動問題 への適切な対応にも不可欠です。
#地層 や化石から得られる情報は、進化、退化、絶滅史を理解するための重要な情報源となります。また、これらの情報は、現在世界で最も重要な課題の一つである気候変動問題やAI倫理問題の解決の鍵を握っているとも言えます。このような視点での解説は珍しいかもしれませんが、何でも自分の得意な分野に関連付けて解説することは、私の解説スタイルの特徴の一つです。
実際には、他の学者も似たようなアプローチを取ることがあります。例えば、経済学者は、 #資源経済学 のような自分の得意な分野に話題を持ち込むことができます。そのため、専門分野を幅広く持っておくことは決して悪いことではありません(笑)
化石論文の発表とその影響
SNSが普及する以前に日本の化石の宝庫に関する英語論文を発表した際には、海外からの盗掘者は少なかったですが、近年では英語で学術論文を書いても、翻訳ソフトとGPS付きのスマートフォンを利用した盗掘者が急増しています。
宝石や貴石の盗掘問題
この現象はアフリカ諸国で見られる宝石や貴石のケースも同じです。宝石や #貴石 の中には、川底や地面に自然に存在するものもあります。ところが、素人が鉱脈から原石を採取しようとすると、その価値を損なう可能性が非常に高いです。
採掘権と法的リスク
また、 #鉱山 や #鉱脈 には #採掘権 が設定されており、日本国外では採掘権が設定してある地域に無許可で立ち入っただけで、盗掘と見做されて逮捕や、射殺されるリスクがあります。許されるのは、砂浜に転がっている貝殻を旅行の思い出の品として少量持ち帰る程度です。
砂と土の持ち帰り規制
砂浜や砂漠に行くと、石英(水晶)の綺麗な砂もあるので、砂を持って帰る人も多いですが、少量なら大丈夫でも、500ccのペットボトル1本くらいの量になると多過ぎて、国によっては出国時の手荷物検査で、トラブルに巻き込まれる可能性が高いです。 #ドバイ 、 #カタール 、 #北アフリカ諸国 の瓶の中に砂絵を描いたお土産に関しては、問題ありませんが、砂浜や砂漠からの砂の持ち帰りは、また別の問題です。
土の持ち帰りと検疫の問題
砂は少量なら問題にならないことが多いですが、土に関しては砂とは完全に扱いが異なります。土が問題になるのは、訪問国からの出国時ではなく、日本に帰国しての入国時に、 #検疫の問題 が発生します。海外から検疫を経ていない土を持ち帰る行為は、病原菌や害虫の卵を持ち帰り大問題を引き起こすリスクがあるので、絶対にやってはいけない行為です。日本国内法では、海外から重機や農機を輸入する際に、機械に付着している土でも『土の輸入』と見做され、最大3年の懲役または100万円以下の罰金が科せられることもあります。
コレクターの心理と法的リスク
私自身に #蒐集癖 があるので、他のマニアの心理や行動力や能力などを熟知していますが、彼らは時に法律を知らずに、取引禁止物質や生物を収集することがあります。寧ろ、禁止されているからこそコレクションするレベルの蒐集癖になると、既に犯罪者予備軍になっている可能性があります。
希少生物とその取引
また、化石や隕石や宝石の原石のような非生物以外にも、熱帯魚や小動物、爬虫類から昆虫に至るまで高額で取引されている #希少生物 は多岐にわたります。私の活動範囲には、 #ホウシャガメ が生息している地域もありますが、このカメは子亀でも数百万円単位で販売されています。大型熱帯魚のアロワナは一匹数千万円で取引されることもあります。 #アロワナ はアジアアロワナ、オーストラリアアロワナ、アフリカアロワナに分類され、特にスーパーレッドアロワナが高額で取引されています。
国際条約と法的リスク
アジアアロワナの輸出はワシントン条約で厳しく規制されており、密輸は逮捕されるリスクがあります。しかし、日本国内で販売されているアジアアロワナの合法性の判断は難しい場合があります。仮に何らかの証明書が付いていたとしても、その証明書が偽造されていないことを確認することは、一般のマニアには困難でしょう。
錦鯉とマネーロンダリングのリスク
一方、『泳ぐ宝石』とも呼ばれる錦鯉は、落札価格が二億円を超えることもありますが、錦鯉は天然ではないため、検疫証明書があれば輸出しても問題ありません。しかし、高額な取引は #マネーロンダリング の観点から注意が必要です。
化石とワシントン条約
化石に関しては、 #ワシントン条約 は関係ないと思うかもしれません。ところが、この条約は、象牙や #絶滅危惧種 の毛皮、爪、臓器なども規制対象で、化石もワシントン条約違反の可能性が高いものが多くあります。
その他の国際条約と化石の取扱い
ワシントン条約以外にも抵触するリスクのある国際条約には、以下のようなものがあります。
世界遺産条約(世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約)
・重要な自然遺産や文化遺産を保護することを目的としています。化石が含まれる地域が世界遺産として登録されることで、その保護が強化されます。
文化財不法輸出入等禁止条約(文化財の不法な輸入、輸出及び所有権移転を禁止し及び防止する手段に関する条約)
・文化財の不法な輸出入や盗難を防ぐための措置を講じることを加盟国に義務付けています。これには化石が含まれる場合もあります。
各国の化石に関する法律
アメリカ合衆国の法律:古生物学資源保護法(Paleontological Resources Preservation Act)により、連邦地域内での化石の非商業的な採取を規制しています。
中国の法律:文化財保護法により、重要な化石の採掘と販売を厳しく制限しています。
その他の国々の法律:多くの国々が自国内での化石の発掘、保護、貿易に関する法律を持っています。
日本における化石の盗掘問題とその影響
日本の法律と化石の保護
日本では文化財保護法や自然公園法などによって化石の採取が規制されており、これらの法律に違反する行為は罰される可能性があります。化石の適切な保護と管理は自然や文化遺産の維持に不可欠です。
資源のコレクションと法律知識の重要性
法律と条約の熟知の必要性
資源のコレクションには、 #生物資源 や #鉱物資源 にかかわらず、様々な国内外の法律や条例、国際条約を熟知する必要があります。
マガジンの目指す方向性
学術的、法的、文学的視点の提供:このマガジンでは、地質学、鉱物資源学、宝石学に興味を持つ方々に、学術的な観点だけでなく、法的側面や文学も含めた幅広い視点を提供する予定です。
情報の批判的受容の重要性
私の基本的な立場は、中途半端な情報だけで過激な #環境保護活動 を行うような人々とも、 #グリーンウォッシング 批判されている企業とも、環境問題を無視する人々とも異なります。そのため、読者には自分が信じる情報の正しさや、私の主張の妥当性を批判的に見る習慣を身に着けていただきたいと思います。
独特のコンテンツへの取り組み
このマガジンでは、一般的な鉱物資源に関する書籍で触れられていない、興味深いテーマを取り上げています。読者からの質問によって、突然話題が変わることもありますが、この予測不可能性が当マガジンの特色の一つです。紙媒体では難しいこの手法ですが、ブログでは柔軟に対応することが可能であり、これが私の基本的な姿勢です。
明日はマガジンの構成案を作成する予定ですが、予期せぬ質問、例えば『2001~2021年の #アフガニスタン戦争 の実際の原因は、 #アメリカ同時多発テロ事件 や #アルカイダ の #ウサーマ・ビン・ラーディン 、 #タリバン とは無関係な #リチウム資源 を巡る争いだった、というのは本当ですか?』のようなものに遭遇することもあります。この種の質問にも、私の知識の範囲内で回答する予定ですので、質問があればどんなものでもお気軽にお寄せください。
つづく…
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?