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近未来麻雀小説(28)過去からの刺客 VII

これまでのあらすじ

 コンビ打ちされてしまっては勝ち目がないと察した和了太は、何時ものように秘密道具に頼ってしまった。和了太のリクエストに応じて銅鑼右衛門が、異次元世界から取り寄せたのは、スタンド・ブースターという隕鉄から作られた意志を持ったブースター矢で、和了太のスタンド♬Take On Meから♬テイクオンミー・レクイエムを出現させた。

 ところが、♬テイクオンミー・レクイエムは、麻雀におけるポンに相当する『よこどり』するくらいの能力しかなく、ベイズの勝麻がマチルダの『仲良しセット』の150,000点に振り込んでしまった。その結果、マチルダはさらに得点をあげて2位の和了太を引き離し、ベイズの勝麻は単独4位に堕ちた。

1位:マチルダ   1,211,000点(1,061,000+150,000)
2位:役満和了太   969,000点
3位:モリエホン   461,000点
4位:ベイズの勝麻  311,000点(461,000-150,000)

麻邪羅・第一戦・東2局2本場
 
1位:役満和了太  2,901,000点
2位:マチルダ     17,000点
2位:モリエホン    17,000点
2位:ベイズの勝麻   17,000点

 ベイズの勝麻とモリエホン元伍長は、和了太があと一回だけでも、一色あがりでハコ割れることに恐怖心を抱いていた。

 ところが、和了太は『あれっ? いつの間にかボクが1位になってる?』と首を傾げていた。このデータ改竄こそが、あらゆる情報機器やAIなどをハッキングする和了太の進化したスタンド♬テイクオンミー・レクイエムの真の能力だった。

 和了太だけは電脳化されていなかったので、ハッキング被害にあわず、点数の変化に気が付いたのだ。AI雀卓ロボも麻雀奉行、周囲の雀士や観客の電脳は全て♬テイクオンミー・レクイエムによって、疑似体験を植え付けられていた。そのため、データ改竄を認識することができず、これまでの試合で和了太が上がり続けてきてこの点数になったと信じていた。

 ところが、マチルダ少佐は、和了太の異変に気が付いて彼女のスタンド♬Have a Cigarの #ジョジョの奇妙な冒険 #レオーネ・アバッキオ のスタンドの #ムーディー・ブルース のような過去をリプレイするスタンド能力を駆使して、三分前に遡ってリプレイすると♬テイクオンミー・レクイエムが、 #疑似体験 ウイルスを拡散させる場面の再現に成功してイカサマを見破った。

『あンたのスタンド能力は、 #攻殻機動隊 劇場版の #人形遣い のように #疑似体験 を植え付ける能力にゃ! 今度はあたいが疑似体験を植え付けるにゃり』というと、ブースト矢は♬Have a Cigarを貫き♬ハブアシガー・レクイエムを出現させた。

マチルダの進化したスタンドの♬ハブアシガー・レクイエム

 マチルダの進化したスタンドの♬ハブアシガー・レクイエムは、疑似体験修復ソフトを拡散して勝負展開の記憶と点数を改変すると同時に、『ニャリニャリニャリニャリニャリニャリニャリニャリ~! ニリーベデルチ!(さよならだ)』と、♬テイクオンミー・レクイエムをボコボコにして再起不能(リタイア)にした。

ニャリニャリニャリニャリニャリニャリニャリニャリ~! ニリーベデルチ!(さよならだ)

『やっぱり和了太くんじゃ適わなかったでしょう。ボクが代打ちを登録しておいたのはこうなることが分かっていたからなんだ』と、銅鑼右衛門が和了太の代打ちとして面子交代となった。

 マチルダが拡散した疑似体験修復ソフトによって、これまでの麻邪羅勝負の記憶は、モリエホン元伍長と、役満和了太の点数が入れ替えられていたが、銅鑼右衛門も電脳なので疑似体験を仕込まれてしまい、この順位の変化には気が付かなかった。

1位:マチルダ   1,211,000点
2位:モリエホン   969,000点
3位:役満和了太   461,000点
4位:ベイズの勝麻  311,000点

つづく…

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