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無花果を選ぶ人がもれなく好きだ

フルーツがかなり好きだな、と思っておりまして。最近は好きが高じて、日本全国地域の魅力的なフルーツを発掘してその地域の定番のお土産になるような加工品を作るっていう仕事を作ったくらいフルーツが好きで、またフルーツのことを考える時間が生活の中で非常に多いんですがね。日々全国のフルーツや生産者さんに触れ、これから柑橘のシーズンがやってくるとか、埼玉の果物事情が今たいへんなことになっているとか、喋りたいことはいっぱいあるわけなんですが、直近のおれの関心事は専ら無花果。いちじくでございますよ。

いちじくってフルーツの中でも最もイケてるフルーツの一つだと思うんすよ。one of the mostイケてるフルーツです。受験英語。

こじゃれたお店なんかに入りまして、適当になんか頼んでいいよ~ってメニューを手渡して、ちょっと御不浄に行って帰ってきたときに、いちじくにクリームチーズを載せた感じのやつがテーブルに置かれていたらちょっと上がりませんか?いやそれは時と場合によるな。一軒目なのか二軒目なのかとかお腹の具合とかで変わるわ。それはそれとして、もういちじくを食の選択肢に据える人なんかすぐ好きになっちゃいますからおれみたいなモンは?何頼んだの?えっいちじくのクリームチーズのやつ!?好き~~!!いやいちじくも好きだけど、いちじくを食の選択肢に挙げるお前のことが好き~~!!ってなりますからね。目を閉じれば億千の星~~~!おいしいいちじくのパスタ作ったお前~~!ってなりますから。そんなパワーがいちじくにはあると思うんですよね。


丁寧な生活をする人だけが暮らすエデンの園こと西荻窪では、当然のようにどこのお店でもいちじくが取り扱われておりますからね。西荻窪を犬が歩けばいちじくの棒にあたるなんてことわざもあるくらいですし、かつて禁断の果実を食べたアダムも自分が裸であることに気付いて、西荻窪のいちじくの木から葉っぱをもいで取り急ぎポコチンを隠したなんて話も聖書にも記載されておりますから。神話の時代からいちじくは一目置かれる存在だったということですよね。



雑誌POPEYEでも最新の特集が「いちじくの話をしよう。」だった気もしますし、ブルータスでも「だからいちじくが好きなんだ。」って特集が組まれていたような気がします。チルでアーバンなおしゃれさんもいちじくに注目をしているってことだと思うんですが、なんていうか、ちょっと垢抜けた焼き物のお皿の上が非常に似合うと言いますか、いちじくを食べるのならば気の利いた器のうえで、盛り付けなんかも意識しちゃったりしながら食べたい感じがある、その際とっておきのワインなんかも開けるとなおよろしい。って感じがします。他のフルーツにはあまり抱かない感情ですよね。そんなに敷居は高くないけどせっかくならちょっとおしゃれして出かけたい、街で言うと代々木上原とか、深川のあたりとか、そんな感じですよね。西荻窪じゃないのかよ。


なんでしょう、当然多くの人がその味を知るところであると思いますし、もちろんおいしくはあるんですが、桃とかぶどうとか、フルーツ界のメジャーリーグ級の選手ではないと思うんですよいちじくは。だからこそ、と言いますか、様々おいしいフルーツがある中で敢えていちじくを選ぶ感じ、穿った見方をすればこまっしゃくれているとも取れますが、おれはおしゃれだなと思うんです。ジェラート屋さんなんかに行くとするじゃないですか。いちごと、シャインマスカットと、いちじくの3種類のジェラートがあるとしますよ。(尖ってる!)いちごなんかは定番じゃないですか。シャインマスカットも今の時期人気ですよね。その点いちじくを選ぶ人!は?豊かなんだが?ってなりますよね。こんなにも分かりやすく魅力的なフルーツが簡単に食べられる令和の時代において敢えていちじくを選ぶということ。一周回って神々しさすら覚えます。この感じを伝えようとすればするほど馬鹿にしているように映ってしまいますが、マジでいい意味で言ってます。もし仮に馬鹿にしているように見えているのならば、それはおれの表現かあなたの感受性がおかしい。


当然いちじくを使って、仕事で何か地域の名産を作りたいと思って様々リサーチを重ねているところであるんですが、調べれば調べるほどいちじくへの愛が深まっていきます。日本で一番いちじくの生産量が多い県ってどこだと思います?これが和歌山県ということなんですが、おれはこの事実を知った時に震え上がりました。どこまで奥ゆかしいんだよっていう話です。和歌山県を代表する農産物といえば、みかんとか南高梅だと思うんですけれども、それらの陰にかくれて、いや別にいちじくは隠れているつもりはないと思うんですけど、みかんや梅が持て囃されている陰で、燦然と輝きを放っている。

それで、なぜ和歌山県でこんなにさかんに栽培がされているのかっていう話ですけれども。インターネットで探せばすぐに答えは見つかるんですが、ぜひここは仮説を立てたうえで検証したい!

おれの仮説は、みかんとか梅などの栽培技術がいちじく栽培にも生かされた結果、和歌山県が一大産地になったんじゃないかと考えます。いちじくの実は非常にデリケートで、成熟のタイミングを見分けるのも難しいと言われています。だから栽培が難しくて、他の地域では浸透しきらなかったのではないしょうか。一方で和歌山県は、みかんとか梅とか、これまた傷みやすく成熟のタイミングを見極めるのが難しい作物が昔からさかんに育てられていましたんで、こうしたいちじくの栽培ハードルも乗り越えることができたんじゃないか。どうです?僕のこの仮説。ちょっと説得力がありますでしょ。じゃちょっと答え合わせとしゃれこみましょうか。

和歌山県のいちじくの収穫量は、全国の収穫量の調査 ( 特産果樹生産動態調査:農林水産省)が始まって以来 、初めて平成29年次の収穫量が全国1位となりました。県内の主要ないちじくの生産地は、紀の川市、和歌山市、岩出市、海南市、かつらぎ町です。

 和歌山県の北部に位置するこれらの地域は、瀬戸内海式気候に属し、年間を通じて温暖で、日照時間も多く、天気や湿度が安定しており、降水量も少なくいちじくの栽培に最適な地域です。

https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/071700/kokunai/brandshien/R2/d00205233.html


全然違うじゃねえか!気候でした。ドヤ顔で見当違いの仮説を改行もしないで書き散らしてしまいました。恥ずかしくて顔を覆わないとやりきれません。いちじくの葉っぱ!いちじくの葉っぱで誰かおれの顔を覆って!!そんな感じです。


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さんし
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