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家族に伝える経済シリーズ(50):土地バブルの仕組み ー 不動産取引が映す経済の熱狂
どうやって儲けるのか?
簡単に言うと、まず何か金融商品――例えば株とか――を買うんや。
例えば10万円で買って、しばらくして20万円に値上がりしたとする。そのときに売れば、10万円の儲けになる。
この利益を キャピタルゲイン という――前にも話したね。
土地も「金融商品」に?
当時のバブル経済では、今で言う「金融商品か?」と思うようなものまで取引対象になっていたんや。
その一つが 土地 や。
土地の価格――つまり地価――には「公示価格」という基準があって、これは固定資産税を決定する目安になる。
でも、実際の売買価格は当事者同士の取引で上下するんやね。
普通、土地を買うときは、家を建てるとか、会社や工場を作るとか、何か明確な目的があるやろう。
でも、バブルの時代はそうやなかったんや。
目的はただ一つ、土地の 値上がり益 を得ることやった。
例えば、ある土地(仮に土地Aとしよう)を1,000万円で買ったとする。
しばらく時間を置いて、その土地を2,000万円で売ると、1,000万円の儲けになる。何もしなくても、土地の値段が上がるだけで利益が出るんやね。
さらに、この土地Aを買った人が、またしばらくして別の人に3,000万円で売るとする。この場合も、1,000万円の儲けや。
こうやって、土地の値上がりを期待して売買が繰り返されると、土地の価格はどんどん上がっていく。
最初は1,000万円だった土地Aが、2,000万円になり、次に3,000万円、さらにその先へ――といった具合やね。
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