不惑世代は最強⁈ICT教育と紙媒体ベースの教育のバランスについて。
こんにちは、aicafeです。
40代、人生時計で14:00頃に差し掛かったところです。
これからの人生の午後の時間の過ごし方を模索中です。
シンガポールに住んでいた頃のママ友とは、今も時々連絡し合う仲です。一人のママと、PCやタブレット端末などのデバイスを使用したICT教育についての話になりました。
息子は渡星前からiPadやパソコン等のデバイスに触れていましたが、本格的に教育で使用するようになったのはシンガポールのインターナショナルスクールに入ってからです。Primary School ではiPadを、Secondery に上がってから以降は MacBook を使っています。紙の教科書はなく、全てデジタルコンテンツを使って教育を受けるようになりました。
課題や提出物などは Google Classroomで管理され、Kahoot! や Quizlet を使ってクイズ形式で楽しみながら 学び、Epic! で自分のリーディングレベルに合ったお勧めの本の紹介を受け読書目標を立て、Seesaw を通じて保護者も生徒たちが授業で制作した作品を確認できるようになりました。こうしたアプリケーションは入学前に一覧が保護者に渡され、子供の使用するデバイスに予め全てインストールすることを求められます。
はじめは試行錯誤でしたが、子どもはゲーム感覚ですぐに馴染み、色々なアプリケーションを通じて、多様な学び方を体験できるようになりました。受け身のスタイルから能動的に授業に参加するようになり、先生とのコミュニケーションも活発になりました。英語力もぐんと上がりました。
初めは、なんとインタラクティブで進んだ教育・学習環境なんだろうかと感動したのですが、次第にこの方法で知識は定着するのだろうか?と訝しむ気持ちも生まれました。この教育手法だと極端に「書く」機会が少ないからです。覚えたことを手で書かずに脳に定着するものなのだろうかと、昭和の公教育で育ったわたしは考えてしまうのでした。
今の学校に転入してからも、授業にデバイスは必携です。Google Classroomなどの課題管理は同じですし、専らテック派の息子は、授業で学んだトピックに関する動画コンテンツを視聴し、Quizletでフラッシュカードを作ってテスト対策をしています。
シンガポールと違うのは、この学校のテストが「手書き」メインであることです。これは学校が「書く」ことの重要性を意識し、教育方針としているためです。テストが手書きとなると、ICTツールで解決できない問題が様々に生じます。タイピングであれば後から編集しやすい論文テストも、ある程度論理構成を頭の中で組み立てて書き出す必要があります。なんとなく字面は覚えていたけど書き出してみると書けない単語がわかり、覚えるまで書くので、結果、定着します。
わたしは、この「書く」を重視する教育スタイルを良いと感じていて、それを冒頭のママ友に話しました。ママ友のお子さんは日本の私立高校に通っており、その私立高校は全くICTツールを使わず紙媒体偏重主義のため生徒も保護者も辟易としており、シンガポールの時のようなデバイスを用いたインタラクティブな教育の必要性を感じていました。今の時代に敢えてその方針を貫く学校に強い意志を感じてわたしは好ましく感じますが、渦中に居ればまた感じ方は違うでしょう。たしかに紙一辺倒というのは極端ではあると思います。
二人の結論としては、月並みですが「バランスが大事」ということになりました。ICTと紙、いずれかに偏ってしまっても、子どもの能力を引き出す機会を損なう可能性がある。うまく両者の長所を使いながら、教育に取り入れていきたいという結論になりました。
そしてママ友とわたしの意見が一致したのは「わたし達の世代って最強だよね」ということです。
わたし達の世代は、成長とともにIT技術が発展していった世代です。義務教育では完全な昭和の受動的な紙媒体の教育を受け、受験勉強くらいまでは紙ベース、でも大学では一人一台パソコンで授業を受け、社会に出た世代です。急激な技術の進化の真っただ中で育ったので、次々表れるあらゆる媒体やアプリケーションの波を乗りこなしてきました。
その結果、「書けるしITにも強い」の二刀流になったという自負があります。
わたし達の世代は、期せずして、前半と後半という時間軸でバランスを保つことのできた奇跡の世代なのです。失われた30年に丸被りのわたし達は、何かと損することの多い世代でもあるのですが、この点に関しては「わたし達の世代、最強!」と自画自賛して喜んだのでした。