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相棒3 第15話「殺しのピアノ」感想

『古畑任三郎』な回

最初から犯人は分かっていて、それをネチネチ攻めて時にはマジで関係ない嫌がらせをしながら追い詰めて行くのが面白い。

また今回の見所で右京ののピアノ演奏があるが、音源こそプロのものを使っているらしいが全て水谷さんが演奏していたらしい。
1977年に『赤い激流』というドラマで猛特訓して身に付いた技術との事。
以降も趣味でピアノは弾いていたらしく、25年以上経過しても弾けるのはカッコいい。
※音源については諸説あります

【あらすじ】

コンサートを翌日に控えたピアニストのを、調律師の幸田が殺害。
遺体を山奥にある柴の自宅付近に遺棄する。
柴は殺される直前に妻に電話をかけていたが、遺品から携帯電話は発見されなかった。
事件を知った右京は、柴がコンサートを行なう予定だったホールへ。
ピアノの調律が終わっているにもかかわらず、幸田がホールに残っていたことに疑問をもつ。
一方、幸田は、事件の夜はずっとひとりで調律をしていたと証言を。
そんな中、右京は鍵盤の側面についた血痕を発見する。

脚本:櫻井武晴
監督:和泉聖治

【ゲスト】

幸田紀夫(演:吹越満さん)

今回の犯人
ピアニストの夢破れたピアノ調律師。
吹越さんは令和版『釣りバカ日誌』の課長や『龍が如く』の勝村が印象深い。
かなり好きな俳優さんです。

柴耕太郎(演:京晋佑さん)

今回の被害者
面倒臭いだけで優しいピアニスト。
京さんは2007年に芸能界を引退し、現在は飲食店をやっているとの事。

【感想】

《風音》

気持ち良くピアノを弾く右京
鍵盤側面に血痕
そしてこの顔である

上記の場面に大爆笑しました。
なおこの後に右京は血痕鍵盤に気付かず立ち去った
発見してるのに見付けてないフリをして、

殺害現場の特定、被害者の所持品も発見、犯人の動機…これら全てを序盤で解明。
それなのに幸田を泳がしおちょくってストレスを与えまくる特命係の憎たらしさに笑ってしまう。
しかもおちょくりに何の理由も無いっていうのが酷い。

被害者携帯電話の場所も分かってるのに右京の携帯電話で無く焦らせ、血痕鍵盤を一回見逃したのに掃除させた上で米沢さんを呼びトドメを刺す徹底ぶり。
犯人イジメて楽しむのは冠城くらいかと思っていたが、そういえば右京も根本が同種だった事を忘れていた。
サクッと幸田を逮捕して楽にしてやってくれと強く思ったし、殺人犯だと分かった上で野放しにするのは本当に良くないと思う。

また2回目のピアノ演奏は音の違和感の正体を掴む為という理由だったが、1回目のピアノ演奏をしていた理由は何だったのか…
マジで「良いピアノ弾きたい」だけで行動してたのなら杉下右京歴代奇行の中でもかなり上位に入る。

そんな幸田の殺害動機はプライドを折られた怒り。
柴にピアニストの夢を潰され、調律師として誇りを持って仕事をいていたが難聴になった事を柴に当てられてしまう。
そんな柴に哀れみをかけられ突発的に殺害してしまった。

いや柴悪く無くね?
元妻の証言や引越族という事で性格難ありという扱いだけど、特にそんな事もなく仕事について真面目な印象。
海外から帰ってきた翌日にリサイタルを開く過密スケジュールに、時差で眠れなくなったら本番会場を視察しに来る勤勉さもある。
また難聴になった幸田を責める事も無く、難聴による仕事の不備に気が付いて過去を含めて慮ったり、秘密を暴いた責任としてマネージャーとして雇用しようとしたり若干の傲慢さは見えるが良い人
強いて言えば待ち受けを自分のピン写真にしてるのは割とキモいと思う。

またピアノについても間違いなく天才。
同世代だった幸田がピアニストの夢を諦めるレベルで、更に幸田の耳鳴りの音程や周波数まで当てる化け物っぷり。
当たり前だけどカイト君の絶対音感が可愛く見えるね

そんな柴を逆恨みで殺した幸田は普通にクズ
ピアニストの夢を諦めて調律師になったのは幸田が自分で決めた事だし、難聴になったのは同情するがそれを隠して周囲を騙して仕事をするのは良くない。
そもそも調律師としてピアノに関われる事に喜びを感じていたのなら、柴が良い音を出し続けられるようにケアするマネージャーの仕事は彼の職業理念に通じる部分はある。
元ピアニスト元調律師として天才ピアニストのサポートを行うのは適材適所でもあるし、柴からしても音楽の深い所を理解しかつ奉仕の精神がある幸田をスカウトするのも納得がいく、win-winの関係になる事も想像に難くない。
それを全て過去の失敗経験と一瞬の屈辱で、殺人に繋げてしまう幸田の短絡さは擁護できない。
しかも誇りを持っていた調律師の道具を使ってしまう酷さ。
難聴と特命係煽りには同情するが、普通に凶悪犯ですね。

《今回のMVP》

伊丹憲一

携帯電話に着目した功績でMVP
柴が殺される直前に携帯で奥さんに電話をしたが、死体が携帯を持っていない違和感に気が付いたのは素晴らしい。
やっぱり警察官としての基本能力は伊丹の方が亀山よりも高いと感じる。
S12「待ちぼうけ」やS21「女神」しかり伊丹の基本スペックが高いのは間違いないので、そこに着目して今後も再視聴を続けていきます。

【小ネタ&雑感】

既視感

•仕事中に寝る無能警備員
•誰にも見られずここまで遺体運べたの奇跡説
•捜査会議にシレっと混ざる右京さん
•右京を追って捜査しに行く亀山良き
•伊丹「特亀!」
•勝手にピアノ弾いちゃう右京さん
•このホールって「仮面ライダーW」の劇場版撮影場所っぽい
•調律について自称中途半端に知識のある杉下右京(多分かなり詳しいと思う
•特命係のコーヒーを勝手に貰う伊丹と芹沢
•防音処理されてるホールでピアノ1台の音が外にも響くか?

【次回】

相棒season3 第16話「人間爆弾」

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