ほたての成長日記〜あいばのホタテ(サロマ湖のホタテ編)〜
お店に売ってるホタテって
「海から取ってくるんでしょ」
「ホタテの赤ちゃんてどんな形?」
「最初はどうなってるの?」
そう…でもサロマ湖のことしか分からないから
サロマ湖あいば漁業
2年のホタテの成長日記
5月
これがホタテの捕獲器「ちょうちん」と
呼ばれるものです
緑の網の中に更に青い網を入れて。
1本のロープに何個も網が付いています
これをオホーツク海に投入します
まだ目に見えないくらいホタテの赤ちゃん(ラーバ。ホタテの幼生)を捕まえるには
ラーバの付着サイズや気温などにより
投入日を決めます
オホーツク海にちょうちんを投入
6月
オホーツク海にちょうちんを入れて
1ヶ月前後
たくさんのラーバが付着しているはず…
今度はオホーツク海からサロマ湖に
ちょうちんを移動します
まだラーバは肉眼では見えず。、
でも付着してるはずと信じて
そっと運びます
7月
7月上旬
サロマ湖にきて1ヶ月ほど
この頃になると少しずつ変化が…
プチプチと白いものが見え始めます
サイズは爪楊枝の頭くらい
やっとホタテが見えてきました
7月下旬
この頃になると1週間単位で
みるみる大きくなっていきます
サロマ湖にきてから1ヶ月
成長してくると重さで沈んでしまいます
なので1番栄養のある場所に浮き玉を
つけて調整するのが旦那の仕事
もう5ミリ以上はあるはず
小さいホタテかわいいでしょ
8月
ホタテが大きくなってくると
ちょうちんでは狭くなります
そしてどんどん付着物も付いてきて
水通しが悪くなります
もうそろそろ稚貝の引越しをします
ちょうちんから違う籠へ
「仮取り」と言います
稚貝の引越しは1日中、沖仕事
朝の3時過ぎから片付けも含めると
15時過ぎまでとなります。
仮取りは
ちょうちんから稚貝を取り出して
選別して籠に1段ずつ入れます
7月下旬から8月にかけての仕事
稚貝はとてもデリケート
水温や気温が高くても雨が降っていても
サロマ湖の塩分濃度が低くても中止です。
気温や水温が低い朝だけしか作業ができないこともあったり…そうなるともう何日かかるか
分からなくなる仕事。
でも引っ越しした稚貝は伸び伸び。
気持ちよさそうです
(余談ですがこの時期はホタテの出荷も
重なる時期。この稚貝の仕事が終わらないと出荷ができず。ホタテ販売の時期を
いつもはっきり言えないのはこのためです)
9月
8月に仮取りした稚貝はすくすく
育ちます。この間も旦那の浮き玉での調整は
続いています。
そして9月。「本詰め」という作業
「仮取り」は仮の住まい
「本詰め」はマイホームです
この頃になるとホタテは更に大きく
網目も成長に合わせて大きな網目の
籠になります
本詰めも1日中沖仕事
10月
10月下旬全てのホタテの養殖施設は
沈められます
サロマ湖の結氷などで被害が出ないように
養殖施設に25キロの石を何個も付けます
沈めすぎると海底にカゴがついてしまって
ウニなどが登ってきてホタテを
食べてしまいます。
海中の「ちょうど良いところ」に
沈めます
こうしてホタテはサロマ湖の寒い
冬を超えます
翌年4月
サロマ湖の氷も溶けて
海水の塩分濃度も良くなると
シーズンが始まります
まずは秋に沈めたホタテ達を
浮かすところから
サロマ湖の下の方にいてもちゃんと
ホタテは大きくなっています
毎年大きくなってるホタテをみて
ひと安心します
石をあげてまもなく
サロマ湖のホタテはカゴの引っ越しをします
大きくなって来たので
違うカゴへ
「入れ替え」と言います
沖でカゴから出して来たホタテを選別し
違うカゴに入れます
6月
「差し替え」と言います
沖でカゴ1枚1枚をみて数はちゃんと入ってるかとか、死んでるホタテはないかなど
確認します
7月下旬
ホタテの成長とともに
どんどん付着物がついてくるカゴ
付着物がつくと水通しが悪くなり
ホタテに栄養が行き届きにくくなります
なので今度はホタテが入ったカゴごと
洗います
9月
この9月の「耳吊り」と言う作業で
最終の形になります
今まで数々のカゴに入れ替えられた
ホタテはロープに吊るされます
ホタテの「耳」と言われるところに
小さな穴を開けてそこにピンを刺して
1枚1枚手作業で吊るします
10月
ホタテ達にとっては2度目
石で沈められます
4月
そしてホタテ達にとって
サロマ湖での2度目の春を迎えます
沈められていたホタテ達を浮かします
7月
そしてサロマ湖にきて2年が過ぎました
やっと出荷の時です
あいばのホタテの発送の時でもあります
そして捕獲から出荷まで旦那の
浮き玉での調整はずーっと続きます
サロマ湖のホタテ(あいばのホタテ)編
いかがだったでしょうか?
オホーツク海で生まれ
サロマ湖で育って2年ちょっと。
たくさんの人の手を借りながら
大きくなり、そしてユーザーさんに
お届けできます
その年によって少し時期が違ったりします
作る人によって時期もカゴも違ったりします
最初にも言いましたがあいば漁業の成長日記として見てもらえたらなとおもいます
サロマ湖のホタテは
口に入れるとサクサクの歯ごたえ
そして甘みが広がります
お刺身はもちろんですが
火を通すとぎゅっと凝縮された
旨みが広がります
今年もこんなホタテが届けられたらなぁと
思います
ありがとうございます
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