【短編小説】ニシヘヒガシヘ~夜行バスに乗って~第2話
第2話
23:00 〇〇サービスエリア(休憩20分)
広い駐車場を横断するように進んでいたバスが、静かに動きを止めた。断続的に鳴り始めた高い音を合図に、車体がゆっくりバックしていく。
「〇〇サービスエリアに到着です。こちらで20分の休憩になります。23時10分までにはお戻りください」
運転手のアナウンスに続いて、エンジン音が止まる。少しだけ車内が騒がしくなった。特に耳に入ってくるのは、若い男女の声。きっと学生さんなんだろうね。だって春休みだもん。満席っていう