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認知症介護のときの不思議な出来事 #1 お迎え現象だったのかも…

祖母の認知症が判明して数か月後のこと。
突然、祖母は入院することなってしまったのです。
そこで、不思議なことが起きました。
(なぜ入院することになったのか、入院中はどんな感じだったかは一旦脇へ置きます。)

その頃の祖母は、孫の私のことも娘の母のことも認識できたり、認識できなかったりを繰り返していました。どちらかと言うと、家族のことは認識できず、ほかの人の名前を口にすることが多くなっていた頃です。

祖母にとって、病院という自宅ではない所で過ごさなければならないストレスは大きく、不安の塊でおかしくなりそうになっていました。
認知症が急激に進み、体の自由もどんどん効かなくなっている状態で、自分で身の回りのことはほぼできなくなっていましたし、慣れない環境のためずっと悲しそうな目をしていました。

本人としても絶望の淵に立たされていて、家族も辛くて壊れそうになり始めたころでもありました。

そんなときの入院。
急を要する容体ではないとのことで、その日私は仕事が終わってから病院へ行きました。
ちょうど私と入れ替わりで母や親類が帰宅し、その後、私は祖母と二人きりで数時間を過ごしていました。

私を孫と認識していないため会話もかみ合わなく、支離滅裂な祖母の話を聞いている状態。
そして、20時過ぎだったと思います。
同じような会話が繰り返されたあと、目を閉じて静かになった祖母の傍に座っていると、祖母が突然言いました。

祖母:「もう行く!」
私 :「え、どこへ?」
祖母:「みんながいる。行く。」
私 :「行かなくていいよ。」
祖母:「光が見える。2時12分に行く。」
私 :「まだ行っちゃだめ!」
   「お家に帰ってみんながいるときに行かなきゃだめなんだよ。」
祖母:「行く。」
私 :「一人で行っちゃだめ。お家でみんながいないとだめ!さみしい
    よ。」
祖母:「分かった。行かない。」
私 :「ありがとう。約束だよ。」
祖母:「分かった。」

会話の冒頭で、私は俗に言われる「お迎え現象」だと直感しました。
しかも、時間まではっきり言われたので、数時間後に亡くなる可能性が高いのではないか、と思ったのです。
なので、「行っちゃだめ。」と本気で説得をしました。

お迎え現象は、死期の近い人の多くが体験していると言われています。
幻覚だと言う人もいますし、そうではないと言う人もいます。
ちなみに、お迎え現象が起きたら数日から数か月で亡くなることが多いとも言われているようですね。

私はその夜一睡もできませんでした。
本当は病院に泊まりたかったのですが、「祖母が今晩亡くなるかもしれないから泊めてほしい。」と病院に願いでるわけにもいかず、その日は仕方なく帰りました。

「死んじゃうかもしれない。だけど、約束したから大丈夫。」
そう言い聞かせ、
「まだ行っちゃだめだからね。」と祖母に語りかけ、
「まだ連れていかないでよ。」と、私が生まれた時には亡くなっていて、会ったことのない祖父(祖母の旦那さん)に語りかけて一晩を過ごしました。

翌朝、6時頃には病院に着き、祖母の部屋を訪れました。
すると、生きている祖母を目にすることができました!!
私は安心して、その後少しの時間を祖母と一緒に過ごした後、会社に向かいました。

結果的にお迎え現象ではなかったのかもしれませんが、その時の会話はいまでも忘れられません。
世の中には不思議現象があるわけで、「お迎え現象」は数多く報告されていますし、ないとは言いきれないといまでも思っています。

祖母がその時にみた
例え妄想であったとしても、本人には見えていたのです。
一体どんな光だったのでしょう。
そこに行こうとしていたのですから、きっと美して温かい、愛と平和に満ちた光だったに違いありません。







  





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