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各駅停車

魔法のコンパクト
私を変えてと願ったけれど
電池が切れていた

独房になんて戻りたくないと
ちゃんとわかっているはずなのに
もう一度私を閉じ込めてと
泣き喚いてる私はだあれ?

各駅しか停まらない駅で
虚な目をして線路を見ていた
次の急行はいつだろうと
私は少しの期待をして
時計の横に視線を送った

爪のキラキラが
彼氏からのメッセージが
元カレへの本当の気持ちが
ぐちゃぐちゃになって
心に飛び込んできた
誰に助けを求めたらいいのか
わからないまま
笑顔で泣いていました。

弟の変身ベルト
誰に襲われても怖くないと祈ったけど
とっくに錆びついていた

あの日々に戻りたくないと
わかりすぎていた私は
誰も私に気づかないでと
息を止めている私はだあれ?

各駅しか停まらない駅で
希望を求めて鞄を置いた
次の急行はいつだろうと
助けを求めていたんだね
周りを見渡している

あの子との約束が
彼氏との約束が
元カレとの約束が
ぐちゃぐちゃになって
心を壊していった
誰もいないとわかってしまって
もがきながら
笑顔で泣いていました。

野良ネコは私を見て笑いました。
母は温もりを私に与えました。
先生はいつもお薬をくれました。

私の魔法のコンパクト
私に「普通」をくれませんか?

未来が来る恐怖が
弱いままの私が
昔に縋る私が
ぐちゃぐちゃになって
私を襲いました
周りの人形を抱きしめて
また眠りにつく
私をまた嫌いになりました。

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