スペインの写実画家、マリア・ホセ・コルテス
先日、図録『スペインの現代写実絵画 バルセロナ・ヨーロッパ近代美術館(MEAM)コレクション』(ホキ美術館、2019年)を入手しました。これはホキ美術館で2019年5月17日(金)から同年9月1日(日)まで開催された企画展「スペインの現代写実絵画 バルセロナ・ヨーロッパ近代美術館(MEAM)コレクション」の図録です。この企画展の概要についてはホキ美術館の公式サイトに書かれていますので引用致します。また、後掲するこの企画展に関する記事と出品された作品数点もご覧下さい。
「千葉・ホキ美術館でスペイン現代写実絵画展 日本初公開作品59点一堂に」(『千葉経済新聞』2019.08.06)
「スペインの写実画紹介 日本初公開59作品 ホキ美術館」(『千葉日報』2019年5月27日 05:00)
この図録を見て、スペインの写実絵画は日本のホキ美術館系の無味乾燥な写実絵画とは全く別物であることが分かりました。日本の写実絵画は写真をトレースしたような作品や毒にも薬にもならない売り絵の美人画と言った平板な代物だらけですが(ただし、故・磯江毅など一部に才能ある画家はいますが)、スペインの写実絵画にはそのような代物は存在せず、圧倒的な技巧に加えて斬新な表現方法、常識破りなテーマ選びなど、画家の主張がダイレクトに伝わる個性豊かなものばかりです。中でもマリア・ホセ・コルテス《ジェネレーション@》(ヨーロッパ近代美術館、2015年)という作品に強く惹かれました。
マリア・ホセ・コルテス《ジェネレーション@》は男女2人がチャットで交流するパソコン画面を描いた作品で、大きく表現されたまっすぐ見つめる女性と下の白い枠に小さく収まる男性の上には、緑色の文字や画面の乱れなどが描かれています。この作品の圧倒的な技巧もさることながら、日本の写実絵画には見られない斬新なモチーフにも惹かれました。図録に掲載されているマリア・ホセ・コルテスのプロフィールを紹介致します。
私はこの画家の作品を他にも見たいと思い、「María José Cortés」でグーグル検索したのですが、スペインには同姓同名の人が何人もおり、この画家の作品が全く出てきません。そう思っていたところに以下の記事を発見し、マリア・ホセ・コルテスのフルネームが「María José Cortés Antequera」であることが判明しました。
早速、「María José Cortés Antequera」でグーグル検索したのですが、この画家のフェイスブックとインスタグラムのアカウントを発見しました。その中から幾つかの作品を紹介致します。外国人とはいえ現役の画家ですから数多く紹介したらまずいので3点にとどめます。
また、マリア・ホセ・コルテスが企画展「スペインの現代写実絵画 バルセロナ・ヨーロッパ近代美術館(MEAM)コレクション」(ホキ美術館、2019年)の期間中に訪日していたことを知りました。『藤原紀香と巡る 奇跡のリアリズム』(BSフジ、2019年6月9日放送)にも出演しています。
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