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【SDXL】 Refiner の真の価値! 破壊的創造から生まれるもの
![宇宙船が小惑星と衝突して大破する4コマ漫画](https://assets.st-note.com/img/1729415537-yRiU3dSEGPnjoMX1FWK6sfQH.png?width=1200)
はじめに
こんにちは、きまま / Easygoing です。
今回は、Stable Diffusion XL の Refiner についてじっくり考えてみたいと思います!
最初は Refiner から始まった
画像生成AI が面白くて note を始めた頃、最初に興味を持ったのが Refiner についてでした。
SDXL では、Base モデルで描いたイラストに Refiner モデルを使って仕上げをすることで、完成度を上げることができます。
Refiner は独特の効果があって使うと個性が生まれますが、構造を壊すのでその使い方が難しい機能でした。
![緊急事態が起こり緊張する宇宙船の女性オペレーターのアニメイラスト](https://assets.st-note.com/img/1729411291-Ebo7zxRHN9LM1kc30OJQCYFg.png?width=1200)
Refiner を使い続けて3ヶ月が経ちましたが、その間いくつか気づいたことがあったので、今日はそれについて紹介します。
まずは比べてみよう!
まずは、Refiner の有無でイラストを比べてみます。
最初に SDXL の基本解像度でイラストを生成します。
![宇宙船の女性オペレーターのアニメイラスト、SDXLの基本解像度のオリジナル](https://assets.st-note.com/img/1729410424-dEWj4Bx59A8KgLRlrPtGHyv7.png?width=1200)
きれいな女性オペレーターのイラストが生成できました。
Refiner は構造を破壊する!
次に、このイラストに Refiner を使ってみます。
![宇宙船の女性オペレーターのアニメイラスト、SDXLの基本解像度のRefinerを追加したもの](https://assets.st-note.com/img/1729410442-yzR96dmlEP13Ww4reuskLSBH.png?width=1200)
前述の通り、Refiner はかなり構造を壊します。
今回のイラストも、Refiner を加えると輪郭が歪んでしまい、手など一部が崩壊しています。
Refiner は Base モデルが描き上げた後に、仕上げで使うことが推奨されていますが、これだけ構造を壊すので強く効かせることができません。
Refiner で何が変わったか?
それでは、Refiner で一体何が変わったのでしょうか?
まずは、先ほどのイラストで明るさを比べてみます。
![オリジナルのイラストの明るさのヒストグラム](https://assets.st-note.com/img/1729409919-zA8Fx9CLkwVJEdepqSvsBGyg.png?width=1200)
![Refinerを追加したイラストの明るさのヒストグラム](https://assets.st-note.com/img/1729409939-C0x8Qwd6lSmTDMr4Vi5qz3hL.png?width=1200)
オリジナルの画像と比べて、Refiner 追加したイラストは中央部分が減って両極が増えています。
これは画像のコントラストが高くなり、イラスト全体が引き締まった印象になったことを示しています。
実際のイラストを見てみると、単純にコントラストが上がっただけでなく、顔や髪などの陰影が強調されて立体感が出ていて、さらに彩度も強調されて鮮やかになっているのが分かります。
高解像度化で本領を発揮!
次に、イラストを高解像度化してみます。
![宇宙船の女性オペレーターのアニメイラスト、高解像度化](https://assets.st-note.com/img/1729410560-87UsO46mqSTryF1XKEnZjpdR.png?width=1200)
![宇宙船の女性オペレーターのアニメイラスト、Refinerを追加したうえで高解像度化](https://assets.st-note.com/img/1729410577-WK8bve5HRXamurATc720fBZJ.png?width=1200)
どちらのイラストも、高解像度化でキレイになっています。
特に、Refiner のイラストは 高解像度化の後の再描画によって、構造が復元 されています。
Refiner は 最後に使うのではなく、間に挟むこと で十分に効かせることができるようになり、その真価を発揮するのです。
ハイライトが強調される!
Refiner の効果は、意外なところにも出てきます。
![宇宙船の女性オペレーターのアニメイラスト、高解像度化2](https://assets.st-note.com/img/1729582863-AXofUmWOnElatVv2gDkMqeS6.png?width=1200)
![宇宙船の女性オペレーターのアニメイラスト、Refinerを追加したうえで高解像度化2](https://assets.st-note.com/img/1729582895-jSab4GxOhHYArgL9dUVpMWlv.png?width=1200)
Refiner を使うとコントラストが上がり、目のハイライトが強調 されています。
さらに一度構造を壊したことにより、ハイライトの位置が微妙にずれて います。
イラストを生成するとき、AI は対象を正確に描写するのは得意ですが、崩した表現は苦手 です。
Refiner を使うと微妙なズレを生み出すことができ、人の手で描いたような暖かさの表現ににつながるのです。
いくつか比べてみよう
それでは、いくつかイラストを載せてみます。上がオリジナルのイラストを高解像度化したもの、下が Refiner を追加したものです。
青いドレスの女性
![青いドレスを着てこちらを見ながら微笑む女性のアニメイラスト](https://assets.st-note.com/img/1729412158-1jvrnLskGbVQFf3ouci9Xyaz.png?width=1200)
![青いドレスを着てこちらを見ながら微笑む女性のアニメイラスト、Refinerを追加したもの](https://assets.st-note.com/img/1729412174-1sbFoxBiLg7H6cXUZ2Cak8E0.png?width=1200)
紅葉のカップル
![紅葉のライトアップを楽しむ若いカップルのアニメイラスト](https://assets.st-note.com/img/1729406227-T9wESlA6UrbMZIgFxHX8B2ej.png?width=1200)
![紅葉のライトアップを楽しむ若いカップルのアニメイラスト、Refinerを追加したもの](https://assets.st-note.com/img/1729406241-24JPnK8lSbUzHViqtCMD0mZv.png?width=1200)
Refiner を使うと、自然な形でコントラストが強調されて、彩度も上がります。
一方で、人物の表情や柔らかさは損なわれずに残っています。
Refiner を使うと、柔らかさを保ったまま質感を上げる ことができるのです。
Refiner は難しい
Refiner は面白いですが、その使い方はかなり難しいです。
![緊急事態が起こり緊張する宇宙船の女性オペレーターのアニメイラスト2](https://assets.st-note.com/img/1729495629-DURPLwaITuKCXqSycZmQpgi4.png?width=1200)
元になるイラストによって Refiner の効きが全く違いますし、完全に壊さない範囲でしっかり効かせるには、何度か トライ & エラー が必要になります。
1枚のイラストを時間をかけて完成させるときは良いですが、テンポよくイラストを生成するときには使いにくい機能です。
なぜ標準で実装したのか?
このように扱いが難しい機能を、SDXL はなぜ標準で実装したのでしょうか?
これは私見になりますが、SDXL がリリースされた当時、アートといえば Midjourney、リアルな表現は Stable Diffusion という評価があったように思います。
![ツインテールの宇宙船の女性オペレーターのアニメイラスト](https://assets.st-note.com/img/1729495440-PIEa7AKer0UoNBO8z1ldsMqn.png?width=1200)
当時の Stability AI 社(Stable Diffusion の開発元)はアグレッシブな姿勢で開発に臨んでいて、新しくリリースする Stable Diffusion XL でアートを表現する という回答の1つが Refiner だったのかもしれません。
一般向けではない機能をあえて標準で実装する というスタンスに、当時の Stability AI 社 の攻めの姿勢を感じます。
Refiner から学んだこと
個人的には、Refiner から大きな学びを得ています。
複数のモデルを組み合わせて利用する
イラストを、一旦崩して再生させる
これは後から考えれば簡単ですが、簡単であればこそ最初は思いつかない発想です。
![こちらを見て微笑む宇宙船の女性オペレーターのアニメイラスト](https://assets.st-note.com/img/1729495982-9ju1MNJAQv0dVw3c8WROIqzk.png?width=1200)
Refiner から得た学びは、今の私の SDXL → Flux.1 のワークフローの原点になっています。
Refiner は普及こそしませんでしたが、Flux.1 をはじめ後の 生成AI の美学に少なからぬ影響を与えていると思います。
まとめ
Refiner は質感を上げる
Refiner は構造を破壊する
高解像度化で再生させる
生成AI は黎明期であるからこそ、新しい発想が次々と生まれきます。
![青い地球のアニメイラスト](https://assets.st-note.com/img/1729496097-j1OFxLtfYln6B7bdPHT42ZiJ.png?width=1200)
この面白さは、未完成のものに手を出した人のみが触れられる 今だけの特権といえるでしょう。
皆さんもぜひ、これを機会に AI に触れてみてはいかがでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございます!
ワークフロー
AI プラットフォームサービスの SeaArt AI で、Refiner の効果を比べることができるワークフローを公開しました。
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SeaArt AI の登録方法を説明した記事はこちら。
モデル
anima_pencil-XL_v500
SDXL-v1.0_Refiner
2024.10.24
エラーの報告があったので、Refiner のリンクを civitai から Hugging Face に変更しました
クリエイターさん紹介
今回のテーマとは直接関係ありませんが、AI を活用した素晴らしい作品を見る機会がありました。
美和さんは、1980〜1990年台の同人作品を AI で映像化して紹介されています。
この動画では、キャラクターを関節が可動するフィギュアを使ってポージングをされているそうです。
キャラクターの滑らかな動きが秀悦です。皆様もぜひ一度ご覧ください。