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ペコの気胸体験記⑥

6th story

H24,8 一年ぶりの入院

一年後にまたここに帰ってくるとは・・・
明日の手術の為に、体が動けるうちに早めのお風呂に入る
手術に必要な物を売店で買い揃えたり
・・・入院も2回目となると、手際がいい
一人で手術を決断してしまったので、
今日は誰も立ち合える人がおらず、
手術の説明を一人で聞くことになった
(まぁ2回目だし、内容は分かってるからね)

手術当日
一時間前に親がきて、自分で手術の説明を親にして、
手術の同意書にサインをもらった
手術着・靴下・ヘアカバーに着替えて
(あぁ・・・またこの待ち時間が嫌だ)
麻酔の先生がくる
麻酔の先生「前回麻酔が効きすぎたようですので、今回は別の方法でいきましょう。
麻酔前に背中に注射していくんで、ビリっとしたら教えて下さいね。」
私「え!?麻酔前ですか!?背中!?何本注射打つんですか!?怖いんですけど!・・・・。」
麻酔の先生「3~4本打っていきますので。」
私「えぇーそんなにですか!?それって麻酔後に打てないんですか~!?」
麻酔の先生「麻酔の前ですね。他にも何かご質問ございますか?」
私「・・・痛くしないでください・・・。(なんじゃそのセリフ)」
手術の前にこんな恐怖をあおられるとは!
そんなんなら、前回と同じやり方でやってくれ~!!と心で叫びながら不安いっぱいになったところでお呼び出しがかかる
(あぁ・・・二回目でもやっぱり怖いし、麻酔の前の注射ってなんだよ~!もう嫌だよ~)
手術室へ
手術助手「台の上に寝て下さい。」
手術前に麻酔のあんな説明があったせいで、去年よりもビクビクしている私
手術助手「緊張しますか?」
私「はい!怖いです!!(当たりまえじゃ~ボケ~!!)」
手術助手さんにニヤッと笑われながら、ホカホカの手術台に仰向けになって、
タオルの下から手術着をはぎとられる
私「あの!背中に注射って何本するんですか!?いつですか!?どうやって注射す・・・・・・。」
また今回も不思議なことに、しゃべり続ける私の記憶はここまでで、
背中にいつ注射されたか全く分からない
いつのまにか深い眠りに入っていたのだった・・・

気が付くと、おぼろげに・・・
(ん?まだ手術室?・・・痛くないし、どうやら終わったみたいだな)
そのまま移動式ベッドに乗せられて、ナースステーション横の部屋へ
たしかに去年よりも麻酔からの目覚めが早かった
痛みが少ないせいか、この後はテンション高めだった私
かすれ声のままよく喋っていたが、何を喋っていたかはよく憶えていない
ただ憶えているのは、外科のH先生が「元気そうですね。」と様子を診に来てくれた時に
「先生ありがとうございます!また切ったブラの写真くださいね!」
と余計な事を発したのは憶えている・・・術後すぐになんてこと言ってるんだろう・・・アホな私
親が帰った後、夜は退屈だった
また肺に管が刺さって、尿管も刺さって、左腕は麻痺で点滴が刺さって、鼻には空気を送る管が付いている 
もちろん仰向けから動けない状態
とりあえず 使える右手を駆使してipotで音楽でも聞いてたら、消灯の時間になった
寝るか・・・
(うぇっ・・・気持ち悪・・・)
痛み止めが合わないのか、麻酔の副作用なのか、吐き気が襲う 熱が上がって体が熱い
すぐナースコールで痛み止めを止めてもらうと、今度は肺が痛みだす!
痛み止めを軽いものにしてもらうと、それでは痛みが治まらない!
ずっと同じ体勢で寝ているので、腰がめちゃくちゃ痛くなってきた!
肺の痛みより腰の痛みが勝るほど!!
(痛くて暑くて寝れん・・・どうしよ・・・)
何度も看護師さんに体の向きを少しずつ変えてもらうのだが、腰の痛みは全く消えない
そうこうしていると・・・ピーポーピーポーピーポー・・・急患のようだ
私のすぐ隣のベッドに誰か運ばれてきた
カーテンを閉めているが、隣の天井の電気が付いて、こちらまで光が漏れている
先生「息出来ますか?話せますか?」
男性「うぅ・・・苦しいです・・・ケホケホ。」
先生「肺がつぶれてるみたいですね。気胸は初めてですか?」
男性「・・・前にも一度なりました。」
(き・・・気胸患者キター!!・・・若そうな男性みたい。)
先生「レントゲンを撮って、それからドレーンという機械を使い、肺に管を通してを膨らませますので、
その前に局部麻酔を打ちます。ちょっと痛いですよ。」
男性「・・・はい・・。」(ほとんど声が出ていない)
先生「でも2回目なら、手術をした方がいいかもしれませんね。とりあえず今夜はこの処置をしますが・・・。」
男性「手術・・ですか!?手術は・・・したく・・ないです。」
(手術した方がいいよー気胸の兄ちゃん。私も今日手術したんだよー。すぐ終わるってー。)
ちょっと経験者気分の私、隣が気になって一層寝れなくなった
それから気胸の兄ちゃんが注射を打たれて、肺に管が入って、トイレに行きたいけど行けなくて看護師さんにシ瓶を渡されて
ちょっと照れながら受け取って、息がしやすくなって、イビキかいて寝た・・・
と一連の行動を把握してしまうほど、こちらは痛みと熱で全く寝れず
最終兵器の痛~い筋肉注射を肩に打たれて、やっと夜中の3時頃に寝れたようだ・・・

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