ペコの気胸体験記⑤
5th story
H24,7 まさかの左気胸再発
やっと梅雨明けをしてから、二日目のお昼12時頃
その日はいつものように会社で洋服の出荷をしていた
洋服を梱包して、段ボール箱を会社の入り口まで運ぶという簡単な作業
前かがみになっている状態で、急に左肺らへんがキュッと痛む
(ん、痛い・・・なんだろ・・・)
そういえば先日も父と言い合いをしていた時、肺らへんが痛かった
(まぁ気にしすぎも良くないし、気のせい気のせい!大丈夫やろ)
そう自分に言い聞かせて、そのまま作業を続けるのだが、
痛みがなかなか引かない
会社のお昼休みに入り、持ってきたお弁当をレンジで温めようと台所へ
肺が呼吸する度に痛くて、胸に手を当てていたのを同僚に見られる
同僚「pekoちゃんどうしたと?」
私「肺が痛いんですけど、たぶんすぐ治まると思います。」
同僚「肺!?もしかして・・・また!?」
私「あはは、大丈夫ですよー。たぶん今だけですから・・・っ痛・・」
同僚「何かあった時じゃ遅いよ!はよ病院行きなさい!」
私「・・そうですねー・・じゃあお弁当食べてから病院行こうかな。」
そして私は、呑気にお弁当を食べ終えてから去年入院した病院に電話し、
徒歩10分以内で近いこともあって、病院に歩いて向かうのだが・・・
炎天下の中、速足で歩いていると・・・
(痛!!・・・うっ・・・息がしにくい!なんか変な音もするし・・・え・・え・・・これって!?)
病院まで近いはずなのに、そこまで歩けるか自信がなくなるくらい 呼吸が苦しくなる
(なんとか病院に行かなきゃ!)
速足をやめて、ゆっくりと一歩ずつ前に足を進めながら、やっとの思いで病院に着いた
午後は呼吸器科の先生がおらず、総合内科の先生に診てもらうことに
レントゲンを撮る
先生「去年手術をされたんですねー。同じ左肺がまた縮んでますね。」
私「えぇ!!!!????先生、、、それって再発ってことですか!?」
先生「まだ詳しく調べてないのでなんとも言えませんが、おそらくその可能性もありますね。」
私「・・・はー・・・嘘でしょ・・・再発・・・そんな・・・」
先生「かける言葉もありません・・・。」
(そんなこと言われたらもっと落ち込むやん・・・。)
診察室を出てすぐ、旦那さんに泣きながら電話した
そのまま仕事を早退して、家に帰っても現実を受け入れられるはずもなく
もうどうしていいか分からず、数日間泣いてばかりの日々を過ごした・・・
一週間後、再度レントゲンとCTを撮る
少しだけ膨らんだ肺 こんなの気休め程度だ
CTで、前回手術をした部分から新たなブラが出来ていることが分かった
やっぱり再発していたのだ
しかも内側にも小さなブラがあるという・・・
右側にあったブラまで、少し大きくなってる!!でもこちらはまだ気胸になってないからいいとして
あぁ・・・私の肺はなんてブラが出来やすい体質なのだろう・・・
一体何をしたんだろう 何の罰をかぶったのだろう 思い当たらずモヤモヤとした気持ちの中
外科のH先生の診察室へ
H先生「前回手術をした時、出来る限り再発しないようにブラの周囲を多めに切除しました。
しかし、どうしても目では確認出来ない小さなブラが残っていた可能性もあります。
ブラは1㎝くらいの大きさです。これは取らない限りずっと消えません。
今は軽度の状態なので、またしばらく普通に生活して、今後悪化するようだったら・・・
その時は手術を考えていきましょう。」
私「・・・手術は別に・・・すぐにでも出来るんでしょ?」
H先生「出来ますよ。」
私「じゃぁ・・・もう切ってください!!どうせ手術しないと治らないんでしょ!?
そんなの・・・時間がもったいないじゃないですか!考える時間がもったいない!」
H先生「・・・。(ちょっとビックリしている)」
私「手術してください!!」
H先生「・・・分かりました。手術しましょう。じゃあ今から予約を入れますので、一番早い日程を見てきますね。」
この時の私は、半分ヤケクソだった
何度も気胸になる自分の肺に頭にきて、早く原因のブラを肺から排除してしまいたかった
ブラがある限り、気胸は治らない 普通に生活なんて出来ないし、周りに迷惑をまたかける
去年のように、いずれはまた悪化するのも分かっているし、分かっているならもう迷うことも無意味に思えた
今この勢いに乗って決めないと、怖くて後ずさりしてしまうような気がしたのだ
独断で決めてしまったので、その夜、旦那さんに怒られた
家族に相談せず、その場で自分から手術を申し出るなんて、自分でも自分が怖かった・・・
でも、決して後悔はしていない
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