幼少期 幼稚園生あいちゃん〜母サイド〜
息子がやっとつかまり立ちを始めた。喜びも束の間、兄から電話が入った。
「父が倒れた。近くの病院に入院した。」
仕事に出かけようとした父が行き道で倒れたのだ。
末期の肺がんだ。1年持つだろうか…だいぶ酷いらしい。肺に水が溜まりきっている。
この状態になるまで普通の人は耐えられないらしい。なんとも父らしい。
娘と息子を連れて入院している病院へできる限り通った。
歩き始めた息子の手を引きながら、病室まで続く階段を一段一段足を運ぶたびに父のことを思い返していた。
息子に「上手に登れ