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イマここに生きる!オーガニックオーダーの旅、暦のお話 〈雑節 節分〉
節分の日が動く理由
意外と知られていませんが、豆まきで馴染みのある節分の日は決まっているわけではありません。このページでは、なぜ節分の日が動くのか?順番にみていくことにしましょう。
★雑節についてはページ後半で書いています。忘れてしまったよという方は目次からどうぞ。
★節分の行事『豆まき』についても触れていきます。
なぜ節分の日が動くのか。
そもそも節分とは、「季節を分ける」という意味の雑節で、本来は各季節の始まりである立春・立夏・立秋・立冬それぞれの前日を指すものでした。
そのうち立春の前日だけが残り、今の節分の日になったとされています。
つまり、節分は立春の日の前日として決まるのです。
節分の日を決める「立春」とは
節分の日がいつになるかを決める「立春」もまた、日付が変動するものです。
立春は春分や秋分と同じで、二十四節気(にじゅうしせっき)のひとつ。
二十四節気は、1年の太陽の黄道上の動きを24等分して約15日ごとの節気に分け、季節の目安とされていたものです。
それぞれの節気は、天候や生き物の様子で表されていました。
ではなぜ立春が移るのかといえば、これはうるう年が存在する理由にも通じています。
1年といえば365日というのが常識のようですが、地球が太陽の周りを回るのには、正確には「約365.2422日(およそ365日と6時間弱)」かかっていると計測されています。
このため、4年に1度うるう年を設けて調整しているのです。
つまり、1年ごとに「365.2422日」と「365日」の差の分だけ、約6時間ずつ遅くなる一方、うるう年には4年前より少し早くなります。
このようにして、しばらく2月4日の中に納まっていた立春の日が2021年には2月3日へ移りました。これに伴い、節分も立春の日の前日の2月2日になったのです。
現代の日本では、国立天文台の観測によって、「太陽黄経が315度になった瞬間が属する日」を立春としています。
2021年の立春の瞬間は、2月3日23時59分。あと1分で2月4日でした。
なぜ節分では豆をまくの?鬼ってなに?
節分と言えば鬼に豆をまいて追い出すアノ行事。
でもなぜこの日なのでしょう?
そして鬼とは何なのでしょう?
これは、中世の陰陽道の思想が起源と言われています。
新年の一日前、グレゴリオ暦で言うと12月31日にあたる節分の日は、年越しにあたります。ですから節分の夜は、一年の中で陰から陽へと秩序が最も変わる日とされました。
そしてこのような日には、普段姿を隠している鬼や魔物が出現しやすいと考えられ、豆まきは、それらを追い払うための行事として行われるようになったのです。
元の行事はこちら
豆まきは、古代中国から伝来した「追儺(ついな)」という行事に由来します。
『徒然草』にも描かれており、平安から鎌倉にかけて宮中行事としてなされていた儀式「追儺」の「儺」は、孔子の時代にはすでに存在していたことが『論語』に書かれているそうです。
日本の平安時代の追儺では、方相氏(ほうそうし)と呼ばれる鬼払いの係(当時のお役人)が先導し、桃の弓と葦の矢で魔物を追い払っていました。
古代中国では桃は厄払いや魔を祓うものとされていました。
様々な要素から総じて「不老不死の果実」であったり、「鬼を祓う植物」という観念が生まれたと言われています。
また、葦の矢も古くから魔除けとして使われてきました。現在もお正月に欠かせない破魔矢は、葦で作るのが正式です。
時と共に次第に行事は変わっていき、
●広範囲を網羅できる
●生命力を意味する
というところで使用ツールは豆にかわっていき、室町~江戸時代に豆まきの行事が庶民に広がったといわれています。
初めて豆がまかれた記録が出てくるのは一説には1425年とのこと。
追儺が初めて記録に出てくるのは706年だそうなので、おおよそ700年の間に、より庶民が楽しめるように変わっていったようで、これはその他の流れにもみてとれることですね。
社寺で「豆打ち」が行われるようになり、庶民は「豆まき」として親しむようになっていったそうです。
★ちなみに、最近流行りの恵方巻にかぶりつくという行事はもっとずっと最近のようです。
こちらも諸説ありますが、発祥は大阪という説が多くありました。遊興街からという説もよく聞かれますが、バレンタインデーのように、販売促進のために某コンビニエンスチェーンの社員さんが考え出したのが現在の原型とも言われているようです。
いずれにしても行事ごとは季節の巡りを体感する愉しいものですが、動作だけではなく、起源や由来を味わって、イマここを生きるという感覚を養っていきたいものだなと思います。
五節句と雑節
★この項目は、二十四節気七十二候の解説ページからの引用です★
「節(せつ)」という季節を表す目安が、二十四節気などの暦とは別に使用されていました。
関連して「節日(せつにち)」は、季節の変わり目を表し、祝祭を行う日とされています。日本古来の年中行事とも結びついています。
その式日を節句(せっく)といい、代表的なものに五節句(ごせっく)があります。
⚫人日(じんじつ)
一月七日
⚫上巳(じょうし)
三月三日
⚫端午(たんご)
五月五日
⚫七夕(しちせき)
七月七日
⚫重陽(ちょうよう)
九月九日
なぜ奇数?
古代中国では、奇数は縁起が良いとされていました。
しかし奇数が重なると偶数になってしまいます。
さのため邪気を祓う行事が行われており、その風習が奈良時代に日本に伝わったものが五節句です。
雑節
二十四節気はもとは中国でつくられたもの、日本の季節に完全には当てはまりませんでした。
そこで日本で考案されたのが、「雑節(ざっせつ)」です。
例えば節分や入梅がそれです。
行事の由来はその日ごとに違いますが、それぞれ日本の風習に馴染んで大切にされている季節の行事ごととなっていますね。
日本で考案された主な雑節はこちら。
⚫節分(せつぶん)
新暦2月3日頃
立春の前日で邪気払いの為に豆まきをする
⚫彼岸(ひがん)
新暦3月21日頃、新暦9月23日頃
春分、秋分を挟んだ7日間で先祖供養する
⚫社日(しゃにち)
春分と秋分に最も近い戊(つちのえ)の日
春は五穀豊穣、秋は収穫を土地の神に感謝する
⚫八十八夜(はちじゅうはちや)
新暦5月2日頃
立春から八十八日目で遅霜に注意が必要なころ
⚫入梅(にゅうばい)
新暦6月11日頃
黄経(太陽の経路)が80度を通過する日
⚫半夏生(はんげしょう)
夏至から11日目
薬草の半夏が生える、梅雨明けの時期で田植えを終える目安
⚫土用(どよう)
立春、立花、立秋、立冬直前の18日間
主に夏の土用を指し、土に関わる作業は禁忌
⚫二百十日(にひゃくとおか)
新暦9月1日頃
立春から210日目で、台風がやってくる時期
⚫二百二十日(にひゃくはつか)
新暦9月11日頃
立春から220日目で、台風が集中する時期
20210208
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