令和阿房列車論~その6「汽車旅12カ月」
おはようございます。
前の『ヒマラヤ山系』の続編はのちほどということで、今回は私の鉄道趣味に影響を与えてくれた「人生を変えた一冊」を紹介します。
この本「汽車旅12カ月(宮脇俊三著:新潮文庫)」は私が高校生の頃に購入した本です。私の鉄道趣味は幼少期の頃から始まっていましたが、それまでは親の実家近くの踏切で走る汽車を見たり、家族旅行で鉄道に乗る程度でした。
あと、鉄道模型の世界にのめり込んだのは中学生ぐらいですが、当時はお小遣いも少なくて部活動の中で同級生の制作したジオラマの中で走行させてもらうのが精一杯でした。
高校の部活動に鉄道模型の部活動がなく、旅行研究のクラブ活動があったことがきっかけでこの本にたどり着きました。
旅行研究のクラブ活動は、時刻表を元に旅行プランを作るものでした。このような細々とした作業が好きだったこともありますが、この妄想旅行がまさに時刻表を愛読書としていた宮脇俊三先生との出会いとなったのです。
宮脇俊三先生はかつて中央公論社の編集者だった方で、中央公論社に勤務していた頃から当時の国鉄路線を乗車して約2万キロもの国鉄全線を完乗した方です。
それから完乗記を発行するにあたり、自らの編集者としてのけじめをつけるために中央公論社を退職したエピソードがあり、この人生観も私に大きな影響を受けています。
さて、高校のクラブ活動は1学年のみしかなかったのですが、宮脇作品は河出文庫の時刻表2万キロと新潮文庫の全作品を揃えるほどまでになっています。
宮脇作品に出会ってから、私の鉄道趣味は(鉄道による)一人旅をするようになったり、のちの大学入試の小論文試験に役立つコラム的な著述…具体的には学級日誌に始まり、のちには新聞・雑誌の投稿に発展しました。
人生の影響も少なくなく、最初は理系コースだった進路も文系コースに転換しましたし、大学進学後も旅行系のサークルに入ったりと宮脇作品に出会っていなかったら全く違った人生を歩んでいたでしょう。