楽しみになるかは顧客が感じるストーリーって話
楽しみになる朝食なるものをいただいて参りました。かなり辛口なのでエリアは控えておきます。お値段税抜2,200円です。
朝食は食べない、若しくはワンコイン以内の私としては贅沢な価格帯です。投資したから楽しみになる(正当化したい)側面もありますが、期待値は上がりました。
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楽しみになる、という期待値を自分に課すということ
これ、例えばですけど私が「美人すぎるキャリコン」とか勝手に名乗ってるる状況と思ってみてください。会う前にそれ聞くと「どんな美人が来るのかな?」と期待値爆上がりですよね。恐ろしくてそんなことできませんよ。そんなイメージで「楽しみになる朝食」をお読みください。
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入店
とにかく忙しそうなんですよ。スタッフが誰も来ない。人数が足りないわけではないと思います、ホールに5人いました。キッチンは2名なので忙しいかもしれませんね。
せわしく動き回っている。このお店、一昨日夜にも訪れたんですが、夜はスタッフが動いていてもせわしく感じない。何が違うか?それは表情です。
夜のスタッフは「楽しそうにせわしい」朝のスタッフは「不機嫌にせわしい」のです。それは第一声でわかりました。
不機嫌という罪
だいぶ待った私「まだ入れますか?」(最終入店9:30、この時8:30)
店員さん「はい、チケットはお持ちですか?」
私「持っていません」
店員さん「こちらにサインをお願いします、10時閉店ですので」
という、要点だけのやりとりが発生しました。この時点で「楽しみになる」は存在しないことを悟りました。接客が全てではないですが、まずせわしい空間は私にとって居心地が悪いのです。ゆったり過ごしたいのです。
そして閉店時間を伝えるときは「指示命令」の図式になるので相手の捉え方としてネガティブに偏りやすいことくらいは想定内でしょうか。配慮が必要ですね。
「どうぞお楽しみください!」をお決まりの挨拶で統一するくらいは努力が必要じゃないかなと思ってしまいます。
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食事中
ブッフェ形式なので自分で取りに行くのですが、キッチン内が殺伐としていました。エッグベネフィクトがオーダー形式で提供されています。
恐らくこれがメインの商品かなと感じたのですが、中でリーダーのような方がサブの方を叱っています。「そっちでオーダー取らないで!わからなくなるから!」と大声で怒鳴っている・・「はい!わかりました!」と大声で返事をする。もう楽しみになる朝食どころではなく地獄絵図です。
恐らく中の人の世界観では叱るというのが日常かもしれませんが、ここは客にとって「非日常」です。スタッフはステージに立っていて、客はそれを見ているという状況を客観視できていないな。客の時間への配慮がないなと思いました。この状況見て気持ちのいい人いないんじゃないかな。朝から。ホテルの利用者にとって特別な朝かもしれないのにね。一つでも多くの素敵な笑顔が見たいよね。
誰も今ここにいる人の感情を見てはいない寂しさ
閉店1時間前っていうのもあると思いますが、スタッフは「片付けにフォーカス」しています。それはもう一生懸命片付けている。キッチンも。ホールも。食べ終わったら間髪入れずにお皿を下げていってくれます。
お皿を下げるのはいいのですが、それってそちらのタイミングではなく客のいない時に下げるとかじゃないのかなぁ・・・
ランチが11時からなので、テーブルを整えたいのはわかりますが、まだ9時過ぎです。私が食べている周囲のテーブルにランチのセッティング用のものを「ガチャガチャ」と音を立てながら乱暴に置いていく様は居心地の悪さを助長します。「忙しいんだから早く帰れ」と言わんばかりです。
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よかった点
品揃えにおいては、最近はビジネスホテルも頑張っているので大差ないと感じました。ただ、キウイの二つ切りは贅沢に感じました。でもね、ここまで空間や客の過ごす時間の心地よさへの配慮がないと、もう品揃えではカバーできないところまで来ちゃってるんですよね。
私が敏感すぎるのかもしれませんが、居心地が悪くてすぐ退散しました。
「不機嫌なせわしさ」は商品にはならない
忙しいと不機嫌になる、人が足りないとせわしくバタバタする、それって「ごく普通の人」なんですよね。大衆的すぎるんですよ。これが定食屋とかなら親近感やホッとする感として許容できたでしょうが、ビジネスホテルよりちょい上なポジショニングなんですよね・・高級ホテルでもないので費用的にも差別化が難しいのかもしれません。
お客さんって特別なこと、美しいこと、感動すること、嬉しいこと、プロだなぁと感じる事にお金を払いたいんですよ。そうすると「満足」するんですよね。普通の事に高いお金払うと「損したな」って感じますよね。
2,200円の価値としては、私の中でよろしくない体験を、このように自分の知見としてネタにすることで大幅にペイして消化しました。ごちそうさまでした〜!
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