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禁酒旅行記1

修士論文を提出したのが一月。そして、口頭試問を通過し、今度は博士課程の入試を無事に通過したのが二月。奨学金やら何やらを提出し、三月の中旬、ようやく春休みに入ることができた。
1ヶ月くらい何も考えずにぼーっと過ごしたい。そう思っていたけれど、そうはいかなかった。修士論文が忙しくて忙しくて大変だった去年の秋に、なぜか東南アジアへのボランティア旅行を入れていたからだ。(厳密にはボランティアではなく、ワークキャンプだったのだが、それは後々
修論に追われているときは、海外旅行に行くという最高の現実逃避に、超ウキウキで、1週間の予定を確保した。
しかし、こうして修論も博士入学試験も終わると、必要なのは休息だった。なんならボランティアじゃなくて、酒池肉林がしたい。よその国を手伝う余裕などないよォ〜。そう思いながら出発する日の朝2時ごろにパッキングをして、だいぶ憂鬱な気持ちでいざ空港へ向かった。

そういえば、旅行とかに行く前にちょっとテンションが下がるよねって話をしていたラジオを聴きながら空港に向かったんだけど、それが結構ツボだったというか、私の心情に寄り添ってくれたから紹介がてらリンクを貼っておく。
https://open.spotify.com/episode/66OulIKQ96hqH1TUZt7Gw2?si=JRd8AGFyRmScklN8O7zNPQ

今回はボランティアで旅行しているので、完全禁酒だ。ということで、素面で旅する禁酒旅行記と題し、フィリピン道中を記録していく。


Day1 ドキドキ出発

フィリピンの国旗ネイル

というわけで、フィリピン行きます。ボランティアのために行くので、団体でいるし観光情報はほとんどないです。しかし新しい経験は記録しておく方がよいと確か伊達政宗も言っていたので記録に残す。成田空港に行くまでに食べたこのおにぎりは冷たかったけどそこそこ美味しかった。

朝の便で出発

フィリピンペソに変えて出発。手数料も考えて、大体ペソを3倍すると円になる。20ペソは60円という算段だ。きっとクレカが使えると信じて5015円を1700ペソに変えて飛行機に乗る。

「ビーフ プリーズ! アンド スプライト ウィズアウト アイス! プリーズ!」

フィリピン行き飛行機は、だいたい6時間くらいの飛行。
出発1時間で食事が出てきた。噛みごたえのない、どこか変な感じの牛肉。ほろほろ過ぎて、何かやばい肉を食べているかのよう。
食べながら、ウズラの卵を喉に詰まらせて亡くなった子どもの話を思いだしていた。友人は、最近は噛む必要が少ない食べ物が増えたから、子どもも噛むという行為を経験していないんじゃないのか、って言っていた。確かにこんなふうなふわふわな肉を普段から食べてたら、何を噛むべきかとかわからなくなっても仕方ないかも、と思ったり思わなかったり。

シンプルな機内と外の景色。国内エコノミー並に狭い

同行者のフィリピンのプロは、コロナ前はもっと大きな飛行機だったのにと言っていた。6時間のフライトなのに、テレビ画面もなくて、簡素な飛行機だったのにも驚いていた。ただ、皆がスマホを持つようになったし、ああいったテレビ画面のニーズが減ったり、より安い方が売れるから、シンプルな飛行機が流行っているのかもしれない。調べる必要がある。

フィリピン到着。「Love the Philippines」モニュメント

入国前に、というか出発より前に、e-travelというシステムを先に行なっておいた。おそらくコロナ対策でできたシステムなのだが、これのおかげか入国審査もすごくスムーズだった。税関もほぼないに等しい。

フィリピン初上陸!暑い!

空港出口

というわけで、到着。蒸し暑さに驚く。こちらは31℃ほどあった。日本は6℃とかだったから、差がひどい。来ていた上着をさっさとしまって外に出た。
ちょっとした小団体なので、現地の受け入れ先の関係者にバスに乗せてもらう。マニラ初体験。

廃墟みたいな住宅

マニラ、首都だからかなり都会な感じをイメージしていたが、全然違った。台北とか、アテネやイスタンブールと比べ物にならない。本当に発展途上国の首都って感じがした。
もちろんお金持ちがいるエリアに行けば都会っぽさはあるけれど、身近な町並みは、本当に首都?ってくらいの雑居感。ガラスがはまってないことが多い(イスタンブールもそういう場所が多かったが)。

空港から、ロハス通りを通って9km走ると港に着く。
フィリピンのマニラは、港を中心とした都市で、そこから放射状に街が広がっている。多分。

華僑によるホテル

湾のあたりは埋め立てして多くのビルが立っていた。大きなホテルや施設はほとんど中国人によるものだという。このホテルも全面金色でミラーみたいになっていたが、中国人経営らしい。
中国人がやっているのか中国系フィリピン人がやっているのかは定かではないが、フィリピン人からはあまりいい気持ちではないっぽい。

中央分離帯在住の方々

かなり驚いたけれど、マニラ湾沿いの大きな道路の中央分離帯にはホームレスの方がたくさんいた。数メートルほどの幅の中央分離帯で、寝転びながら子供を高い高いしている人がいたから、最初は海の近くの道路でピクニックをしているのかと思った。しかし何人も子供と一緒にいる人たちを見つけて、ここでホームレス生活をしている、実際に住んでいるのだと気づく。
あまりの排気ガスにも驚くし、こんなに大きな道路という場所で大量のホームレスを見るとも思わなかった。そういう場所に行けばいっぱいいるのであり、普通の街にはいないと思っていた。……が、めっちゃいる。どこにでもいる。見える貧困だ。

日本料理が多い地域

その後、マニラ湾の近くのホテルへ移動。かなり日本料理が多い地域で、焼肉屋さんなど色々見つけられた。
ただ日本料理はコロナくらいからどんどん減って今はムスリムの店が増えてた。シーシャやバクラヴァの売っているのをたくさん見つけた。

ロビンソンズ!

ロビンソンズ ショッピングモール

観光目的ではないので、特に色々見るわけではないが、必要のために行ったのがこのロビンソンズ。かなり大きめのショッピングモールで、歩くのだけでも大変。迷子になりそうだった。

夕食を済ます。お腹ぺこぺこだったし、移動が長くて疲れていたので「頭の悪いものが食べたいな〜」って思っていたらTGIFに行くことに。最高。

きのこバーガー
マンゴーパイナップルジュース?

ただ、このTGIF、めちゃくちゃ高かった。一人当たり2000円以上かかっていて、ローカルにご飯を食べていれば、3、4食分になるみたい。フィリピンの人も、特別な日にしかTGIFには来ないらしい。初日から豪遊してしまった。(言い訳をすると、団体で、みんなで一緒に座れるところを探したらこうなった)

その後、「なんか服欲しいな〜、荷造り雑だから捨てていい服しか持ってきてなくてモチベ下がるし〜」ということで、格安ヤバ服を発見。

初日に購入した服

この、おしゃれな囚人服。200ペソだった。かなり安い。日本円で約600円。思わずサイズも気にせずに買ってしまった。

600円の服

早速翌日にこの服を着てアホみたいなポーズで写真を撮った。にしても、セカンドハンドでもないのに600円は、誰かの違法的な労働によって作られた服だろうなと感じて、なんだ居心地が悪い。もちろん、たとえユニクロでも非人道的な生産をしているとは思うが、それにしても何だかな、て感じがしたので、この服は大事に生涯着ようと思う。囚人みたいな服って思いながら買ってごめん。

頭の中には、昔読んだThe boy in the striped pyjamasという本が浮かんでいた。(以下、7行くらいに渡って、あっているかわからないネタバレ)
高校生の時に読んだから内容が曖昧だが、二人の男の子がフェンスの中と外に住んでいて交流していて、ある日、二人の男の子が服を交換してみたら、ストライプのパジャマを交換して着た子がシャワー室に連れてかれて殺されるっていう衝撃的な小説だった。確か、それがホロコーストだとは気づかないような書き方をしていて、読みやすそうし表紙が可愛いからと本屋で選んだ私は、ビーチで読みながら涙を流した。
今調べたら、映画化されているみたい。
映画のカバーは明らかにホロコーストだわ。

話を戻して……

謎の食材

本来の目的はスーパーなので、スーパーに向かう。
スーパーにはいろいろな果物があった。日本よりも果物が豊富。
写真は、果物コーナーで見つけたシンカマス(?)というやつ、果物かと思いきやカブらしい。野菜。色々食べてみたいものがたくさんある……。
日本語にはないものがたくさんあって、植生の違いを思い知らされる。てか。固有名詞だけじゃなくて、日本語の果物への語彙は少なすぎる。フィリピンで果物を食べると、日本語で表現しきれないような味がしたりして、もっと甘さについて色々な表現がほしいなと思う。

米コーナー

日本では信じられないほどのお米の種類がある。現地の人によれば、だいたい米1kgで45ペソ(135円)。
ちなみに豚は1kg/400ペソ(1200円)で、仕事とかで来たサラリーマン日本人には10000ペソくらいする豚の丸焼き「レチョン」が人気らしい。
ちなみにフィリピンの普通のサラリーマンは、1日で635ペソほど稼ぐらしい。平均にしても低くね?と思ったが、まだフィリピンがどうなっているのかよくわからないので、そういうものかと思っておく。

水2L×2

スーパーに来たのは、水を買うためでした〜。水道水は飲めないしお腹壊す、というか肝炎になるはず。バイト先のお姉様は「歯磨きする時もペットボトルの水を使いなさいっ!」て言ってたのでそれに従う。ちなみに、抜かりなくキャリーケースにも大量の水を詰めてきた。すぐ飲み切っちゃったが。ギリシャ旅行の時もそうしたけれど、行きのスーツケースは軽いので中にたくさん水を入れていくようにしている。これは大学の友人である炒め物先輩から教えてもらったテク。

マンゴー味雪見だいふく

スーパーで見つけたマンゴー味雪見だいふくを、仲間たちと食べた。1日の振り返りミーティングをして、じゃあ解散しますかっていう最後に買ってきていたことに気づいたので、どろどろに溶けてた。甘い。美味しい。

Day2 朝ご飯からスタート

この日はマニラから移動をした日だったのだけど、その前に朝食をシェア。

かなり古いiPodで撮った写真

この手前の白い謎の物体は、米のパンみたいなローカルフード。朝から買えるみたい。名前はputo。春巻きをもっと硬くして、甘酒っぽい味をつけたみたい。その甘酒っぽいクセが美味しい。
後ろに見えるchuckieは、カルシウム、鉄、亜鉛、ビタミンDが取れる最高のドリンク。チョコレート味。左のはバナナ。前日にスーパーで買った時は緑だったのに、一晩で黄色くなった。美味しい。

いざ、サンマテオへ出発

ボランティアの受け入れ先は、サンマテオという場所なので、マニラからバスで移動。ラッシュアワーは人が多いらしいが、時間を外せば1時間程度で着く距離だった。

国立図書館

マニラは、かなり色々なものがキュッとまとまっている気がする。車でドライブするだけでも、様々なスポットが目に飛び込んできた。
上の写真は国立図書館。右端に犬がいるけれど、こちらは野良犬野良猫野鳥野良やぎなど様々。ちなみに今回、私は狂犬病のワクチンを打たずに来ている。
狂犬病とは、狂犬病の犬や蝙蝠に噛まれたらアウト、ほぼ確で死ぬっていうやばい病気だ。
でも、犬向けのワクチンは、フィリピンでは無料なので、飼い犬は基本的にワクチンが打たれている。それに、狂犬病の犬はみるからに狂犬病らしいので(狂犬病とは1週間で犬を死に至らせるようなヤバい病気で、感染が進むと動きが奇妙になったり、色々なものに噛み付くようになる)、おそらく狂犬病になった犬はすぐに処置されている。日本の外務省(だったか厚生省だったか)のホームページを確認しても、破傷風は打つべきだが、狂犬病は田舎に行く人か1ヶ月以上フィリピンに行く人が打つことを推奨とあったので、とりあえず打たずにフィリピンに来た。
っていうか狂犬病のワクチン、ものっっすごく高かった。一回に1.5万円かかるし、三回打たなきゃ行けない。出発前1ヶ月以上から準備しなきゃ行けないので、すごく大変。今回、国際交流のボランティアでフィリピンに来ているので旅費がほとんどかかっていない。それなのに、狂犬病のワクチンを打つと、旅費よりもワクチン代の方が高くなるくね……? って思って打つのをやめた。出発前にまわりのみんなが打ってると聞いてビビった。さらにフィリピンに来て、思いの外、犬が多くてビビりまくっている
このフィリピンの旅行記が途中で途切れたらそういうことだと思って欲しい。犬に噛まれて死んだ。楽しい人生だったので、葬式は明るくやってください。

リサール公園

続いて、リサール公園。ホセ・リサールという人にちなんで名付けられた公園。世界史でやったようなやっていないような……?
現地の人は「リサールはスペインからの独立のときの英雄、日本でいう西郷隆盛」と言っていたけれど、多分西郷隆盛よりももっと英雄。帰る前に行くということなので、この公園についてはまた今度。

ジプニー

で、ちょっと見てほしいのがこのバス。ジプニー。
座席が、電車みたいに横向きについているので、多くの人数が乗れるバスだ。
ハリーポッターの夜の騎士バスみたいな雰囲気で、どこにでも連れて行ってくれそうな感じがちょっとかっこいい……て思っていたけれど路線バスらしい。4km/13ペソでとても安い。
車の側面に、行き先や路線が書いてあるから、行きたい場所に向かうバスに乗る必要がある。お金の払い方も難しくて、奧の人から順々にお金を集めて運転手に払うっていうシステム。一人では乗るのが難しそう。
そんなジプニー、なんか奇妙なキャラクターが描いてある。

謎の豚とキティちゃん

Peppa pigってなに……?
まじで聞いたことがない。他のジプニーにも描いてあった。

peppa pig

こいつ、キティちゃんに並ぶレベルで人気なの……?
そう思って調べたら、ちゃんとアニメだった。日本でも放映されていたっぽい。Peppa pigは本名じゃなくて、本当の名前はRachel pigというらしい。まじでどうでもいい情報。
みたことがないアニメの解説をするのはどうかと思うが、このPeppa pigには隠れた妹がいるらしく、Jase pigっていうらしい。
世界で人気のこんな豚がいたなんて驚き。旅はしてみるものだなあと思う。

カトリックの教会

この教会の名前は完全に忘れたが、大きな教会で、1月くらいには道路を封鎖してパレードをするらしいということはわかっている。あとは何もわかっていない。後で調べたら情報は追加したい。

聖トマス大学

おそらく、植民地時代に作られたと思われる大学。こちらも詳しくはよくわからない。バスの中から見た時に、現地のガイドの人が教えてくれていたあたりで睡魔に襲われ、その後寝てしまったからである。また後で調べることとする(追記、ガイドさん曰く18世紀に作られた私立大学らしい)

ということでサンマテオに到着。どんな道でどんな風に行ったのかはよくわからない。今回はsimカードを契約していないので(デジタルデトックスしている)、ホテルのWi-Fiしか使えず、わからないことだらけである。デジタルデトックスは最高だから、もっと心がけていきたい。

時間に空きができ公園にも行ってみた。

シーソー

シーソーにとてつもないスプリングがついている。びっくりするほど跳ねる。怖いレベル。最高……。


公園で見つけた遊具

シーソーの奥にあるのはコレ。めちゃくちゃ面白そうでしょ!
日本ではすぐに撤去されそうなブランコだ。
私がボランティアの中で最年長だったけれど、真っ先に飛び乗りました。

回るブランコ、乗ブラ
思いの外ガッツリ回っている様子

これ、誰かに回してもらうの必須だけど、すごく面白い。
最高に面白い。かなりスリリング。空中ブランコは遊園地でしか経験がなかったから、こんな感じで乗るのは初めてで、ドキドキした。具体的には、フィリピンの遊具の耐久性への信頼性と、自分の体重の暴力性とがせめぎ合って、ハラハラが止まらない。まじで緊張した。壊れなかった。よかった。
回してくれた友達に超絶ありがとうを言ったし、何度でも言いたい。ありがとう。

初フィリピン・ランチ

Adobo chiken

フィリピン2日目のお昼は、このアドボというフィリピンの料理。
もとはスペインのアドバードという料理が元で、漬け込むという意味の料理らしい。醤油やナンプラーなどに漬け込んでいるみたいで、角煮チックな濃い味が最高。にんにくチップスがまた美味しい。
鶏肉だったり豚肉だったりするみたい。奧はセロリのスープだった。セロリ美味しい。あまり日本では食べない野菜がたくさん入っている。

オヤツ

続いて、フィリピンの定番のオヤツ、トゥーロン
特別なバナナ(サバという種類の少し平べったいバナナ)をジャックフルーツと一緒に、ライスペーパーで包んで油で揚げたもの。ほくほくで甘くてとても美味しい。ペロリと何本も食べれる。3本食べちゃった。てへ。

お皿代わりの葉っぱ

これが何の葉っぱなのか、検討もつかない。トゥーロンはこれに乗せて食べた。
あと、スターアップルも食べた。この緑の見たことない果物のことだ。

スターアップル

これは緑だけれど、紫のスターアップルもあるらしい。どのあたりがスターでどのあたりがアップルなのか皆目検討がつかない。

スターアップル縦に切った時の断面図

味は、「熟れていない柿みたい〜」という評判だった。私は、味を失った梨みたいに感じたけど、多分それは視覚的な問題。
今調べたら、和名は「水晶柿」なので、やはり柿だ。
どうやら、このスターアップル、横の断面は星みたいになるからスターアップルと呼ばれているらしい。切り方を間違えたせいで、全然スターじゃなかった。悔しい。
スプーンで掬って食べたら、フィリピン人から「フィリピン人なら素手でガブリつくぜ!」と言われた。洗い物を増やしてごめん。

ボランティア受け入れ先の様子

受け入れ先の様子はこんな感じ。現地のNPOは、災害対策を行なっている団体で、他にもコンポスト(オーガニックで作る肥料)を行なっている団体。
災害対策は、とくに洪水対策らしい。フィリピンはよく台風が来るし、洪水もひどいそうだ。マニラも、時期によれば膝くらいまで水が溢れるらしい。結構日常的にそうらしいと聞いて驚く。生活が想像できないよ……。特に2009年9月25日には、ケチュアと呼ばれる台風がきて、1ヶ月分の降雨量がたった8時間で降る悲劇が起きた。普段から洪水するけれども、稀に来る本当に大きな洪水に備えて、救命ボートなどを設備しているらしい。

さらにこのNPOはジャンクショップ的な役割も果たしていて、ジュースのパックを買い取って、そのパックを植物を育てるポットとして使っている。

ジュースパックで作られたポットで育てている植物

今日から数日間、この団体にお世話になって、いろいろなことを学びつつ、一緒に分かち合いをする。よろしくお願いします。

サンマテオ散策

フィリピンはカトリックの国であり、NPOもクリスチャン色が強い。クリスチャンはとりわけ、社会貢献的な発想がつよく、ざっくりいうと貧しきに与えなければ……という精神がある。
というわけで、街の中でも大変な区域を案内してもらった。
とはいえ、普通にドライブしていても、フィリピンは廃墟のような家が多い。日本みたいに、ちゃんと囲われていて、ちゃんとガラスがついていて、屋根があって……みたいな一軒家はあまりみない。この人たちがどうやって生活しているのかが、まじわからん。

街中で取った写真。

下の写真は、サンマテオのとある川べり。川の付近に、違法に勝手に住んでいる人たちがいるのだが、その人たちの家がこの1月に燃えてしまったらしい。83もの家庭が家を家事で失った。
今は、その再建が進んでいるから見に行こう。ということで見に行った。

コンクリートで壁のようなものが見える。

石をコンクリートで積んでいるのが見えるが、これが彼らの家だった。家というか、パズルみたいに土地に区切りを作っていて、そこに数人が暮らしているっていうか、とうていプライバシーなどない。

作り途中の家

いい加減に四角くあいているのは窓だけど、もちろんガラスなど無い。雨や風が入ってくるし、ひどいところはハエが大量に飛んでいる。細い道にはゴミやらが落ちていて、そんな中を小さな子どもが歩いている。

家の中の様子

子供達は、笑えるほど細い。十分に栄養を取れていないのだなとわかるし、お腹が膨れてしまっている子もいる。
参加者の友人は、それでも彼らが生き生きとしているように感じていたが、私はそこまで彼らが生き生きしているようには感じられなかった。もちろん、この区域にはたくさん子供がいて、そりゃもう信じられないくらい友達はいるし、友達と多くの時間が過ごせるかもしれないが、お腹がいっぱいに食べれてないないし、家だって一度は火事で燃えてしまっている。彼らが寝る時にどのようなことを考えるのだろうと思うと、想像がつかない。

川の様子。水位が上がるのに備えて、壁が作ってある。

彼らが住んでいるのは川のすぐそば。おそらく、災害時に危険だから地価もクソもなくて、だから彼らがここに住んでいるのかもしれない。荒川アンダーザブリッチ?(違う)

上の少しディープな地域(案内をしてもらったから行けたものの、かなりプライベートな場所だったので、勝手に日本人がノコノコ入って行くのはできないだろうという意味でディープ)をぬけ、大通りの様子を見る。
フィリピン、電線がすごく多い。いい加減に張り巡らされているように見える。事故がないか心配になる。道路は、バイクが多いのが特徴だと思う。現地のガイドによると、ガソリンが高いらしい。値段が日本と同じくらいだったはず。

サンマテオの大通り(多分)

これは歩道橋からの景色で、この歩道橋が続く先は……
SM!

ショッピングセンター『SM』

Day1で水を買ったロビンソンズもショッピングセンターだが、このSMと呼ばれるショッピングセンターはもう少し小さくて価格もロビンソンズよりお手頃な感じのショッピングモールだ。
ロビンソンズもそうだが、このでかいタイプのショッピングモールはアメリカを感じる。作りも、アメリカナイズドされた施設なのは間違いないと思うが、これがフィリピンに合っているとのかちょっと疑問だ。フィリピン人たちの生活がよくわからないから余計に、こういうでかいモールが不思議に感じられるんだと思う。ちょっとよくわからんしこれ以上何かいうのは控えておこう。

フィッシュ!フィッシュ!

そこで、謎の中華ファストフードレストランで夕食をいただく。

ショッピングモール夕飯

これ、「甘くてサワーなフィシュ」みたいなメニューで出てきたプレート。焼きそばが、今までで食べたことのない、ワルみたいな味がした。何ていうんだろう、ワイルドっていうか、ゴボウっぽい雰囲気の味。

ハロハロ

デザートにはハロハロというかき氷。まぜまぜ、という意味らしい。同行者のイケイケ女子が教えてくれた。甘くて美味しいけれど、食べたことのない謎の果物(?)やゼリーがたくさん入っている。

タピオカティー

そして、飲み物にはBubble Tea!
私、去年台湾に旅行して今更だけどタピオカにどハマり。タピオカチャンスは逃さない。これはハチミツ系ミルクティーにタピオカが入ったもの。甘くて美味しかったけどお腹がパンパンになった。ごちそうさまでした。

初フィリピンの所感

色々思うところはあるけれど、やはり驚いたのは後進国の実情だった。
日本で「日本はもう新興国じゃなくて発展途上でしょ笑」とかいうけれど、そんなレベルじゃない。見えない貧困っていうのは、貧困が見えなくなるっていう段階を超えていて、裕福な国が抱える問題だ。もちろん見えない貧困は問題なんだけど、これほどまでに貧しい暮らしをしている人が多いと思わなかった。マニラもサンマテオも、かなりフィリピンの都市の方というか、国の中でも栄えている方。それなのに、犬よりも多くホームレスに遭遇する。

ホームレスの人々や、違法で住んでいる人たちは、とても多く、それゆえにコミュニティを作って生活している。コミュニティにはボスがいて、その人のもとで秩序が保たれているようだった。
こういうコミュニティがある上で支援をするのは、想像するだけでも難しそうだ。新たな価値観をもたらそうにも、周りの人たちとの関係があるから抜け駆けとかは許されないだろう。みんないっしょに生活を変えさせるのも、人道的とは言えないし、だからと言ってその都度だけの物資支援をしていても何も変わらない。
なんだこれどうしたらいいんだ〜〜〜!

それと同時に円安もすごく感じた。
ロビンソンズはちょっと高めなショッピングモールだけれど、銀座ほどのヤバスポットではない。それなのに、日本円でも高いなと思うものが多くあった。というか日本とほとんど価格が変わらないものがおおかった。日本の方がよほど社会は進んでいるように見えるのに。日本の通貨の価値は低すぎる。おかしいぜジャパン。

禁酒旅行記2に続く


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