【詩】大震災

神話時代の巨神 永い眠りから目覚めるとき
空のまぶた開かれ 巨大な目玉 現る
巨神の欠伸はギャラルホルンの角笛か
終末を告げる黙示録のラッパのやうでありて
空に現れた巨大な目玉を人ゝは唖然と見上げ
巨神もまた 人ゝを不思議さうに覗き込み
まるで蟻の巣を壊す 無垢な子供のやうに
大地を揺らし 火を放ち 
瓦礫を降らせ 水を流し
混乱する人ゝを観て楽しんでゐるのであつた