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私の一番大好きな場所

私が住む町、地元で、一番大好きな場所がある。

飲み屋で働いている私は、仕事終わりにたまにとあるBARへ飲みに行く。
そこは、堅苦しい感じではなく、カラオケしたりゲームしたりして、皆とワイワイするカジュアルなBARだ。

通い始めて早1年が経とうとしている。
1人で飲みに行くが、店員さんとも常連さんとも顔なじみなので、1人であり1人では無い。
飲み屋街の人間とはまた違う雰囲気だからこそ、仕事のストレス発散もできるし、モチベーションを上げることもできる。
店同士の付き合いだとかも考えなくていい。
変に気を遣わない、完全プライベートで素でいられる場所だ。

一時期はほとんど行かなくなったりもしたのだが、その間に飲み屋街のBARを歩いてるうちに、結局そこへ戻ってきた。
1年飲み歩いて、やっとそこの真の良さが分かった。1年間、オーナーさんを信じて良かったと、今は心の底から思う。

思えば、オーナーさんに対してショックを受けたり裏切られた気持ちになったりをした事がなかった。
会えばいつもニコニコしていて、コミュニケーション能力も高く、もちろん愛想もいい。
人の外見だけでなく、内面なども総合的に見て的確に褒めてくれる。
人としての礼儀を重んじ、その芯はブレない。
やりたいことは全て全力で取り組んでいる。
「ああ、大人というのはこういう方を指すんだ」と、いつも勉強になる故に、憧れの存在だ。

それを、従業員は皆受け継いでいる。

私がそのBARで、シャンパンを卸すことが度々あるのだが、その場のノリや雰囲気というよりかは、これまでの感謝などを踏まえることが多い(決して安くは無いからこそね)。
仕事を一生懸命に頑張ってる姿を見たら、応援したくなるし、私も見習おうと思える。
方々のおかげで私のモチベーションが上がるので、その感謝を行動に示す手段の一つとして卸しているという形だ。

外れに構えるBARは、飲み屋街が好ましくなくて、わざとそうしているケースが少なくない。
そこもそのひとつだ。
飲み屋街で働く私が通うようになって、きっと最初は構えただろうなと思う。 印象は、マイナスからのスタートだったのかもしれない。
それでも、従業員の方々は皆、偏見や差別なく、私を、あすかを、一個人として見てくれる。それが何より嬉しい。
そういう意味でも素敵であり、大好きな場所だ。


本日も1本卸してきた。
従業員のバースデーだったのもあるが、それだけではない。
その女の子は私と同い歳。
同い歳とは思えないくらい大人な方。
お酒が入る仕事な故に、沢山飲んでいるはずのに、いつ見ても誰よりも冷静に仕事して接客して、お客さんを楽しませている。プロ中のプロだ。
ただ単に、「おぉ....すっげぇ...」と思わず心の声が漏れてしまう。私はそこまでできないから尊敬でしかない。もう凄いとしか言いようがない。
私の語彙力は、どこかへ飛んで行ったみたいだ。

彼女とは、これまでに面識はあれど、あまり喋ったことがなかった。
つい最近、同い歳だと知った時はとても嬉しかった。
これまで同い歳の同業者がいなくて心細かった。年齢なんて関係ない?いや、割とそうでもない。
同い歳の方がなんか安心するものだ。

同い歳の子がこんなにも頑張っている。
ああ、私ももっと頑張るべきだなと改めて気を引き締めた。彼女はそんな存在だ。

そういう従業員の方々を導く、オーナーさんの姿にも改めて感嘆した。
子は親に似るのと同じで、オーナーがオーナーなら従業員も従業員だ。これは良くも悪くもそうなるのが当たり前なこと。

もし今後、従業員の方々に何かあっても、どんな新しい方が増えたとしても、一旦オーナーさんを信じて様子を見て通い続けよう。
所詮私は客であり、仲良いからと言って踏み込んではいけない店の絶対領域だってあるのだから。
どんな事があっても、最終的にはきっと、このお店は良い方へ向かうはずだから。
そう期待を込めて。
いつも応援しています。
そして、私の方こそいつも楽しい時間をありがとうございます。
夢に出てくるくらい、大好きな場所だから。
これからも、そうあり続けますように。


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