一人称を羨む自分は、スカートを羨まれていると思ってた
大学に入って4年目。
わたしにとって考えさせられる一つの分野があります。
それは、性別についてです。「ジェンダー」というと耳なじみがよいのかもしれません。
ジェンダー: 社会的意味合いから見た、男女の性区別。
言葉の定義について改めて調べてみると、「社会的意味合い」ってなんだろうか。「性区別」ってなんだろうか、と思います。
ただ恥ずかしいことに、わたしがこの「ジェンダー」という言葉にきちんとであったのは大学に入ってからでした。
まだまだ知らないことが多いです。「女らしい」「男らしい」という文言や”求められている”ことに違和感を感じることばかりではありますが、勉強不足だなと思うことばかりです。
一人称を羨むということ
一人称、ってずるいなあと思っているんです。
物心ついたときから小学校の途中くらいまで、わたしは自分のことを「あー」と言っていました。「あーね、○○したい!」とか、「あーはこう思う」とか。 当時の担任の先生に「自分のこといつまでも名前で呼ぶのかっこ悪いよ。『わたしね』って言いなさい」と注意され、「わたし」に変えた記憶があります。そこから高校の途中くらいまでずっと「わたし」と自分のことを言っていました。
高校に入って、ふと気がついたことは「一人称ってバリエーション豊かだ」ということ。今まで気にしていなかったということもありますが、こんなにたくさんあるんだなあと、面白いなあと思いました。
その中で不思議に感じたのは”一人称って男女で少し違う”ということです。自分はとても無意識に「わたし」と自称していたし、そういうもんだろうと思っていたのですが、どうやら違うらしい。
それに気がついたのはある国語の授業中でした。小論文の模試対策の授業中に「男子も『私』って書いといてねー」と先生が仰ったんです。
それ自体は自然なことなのかもしれません。ただ、「男子は一人称を『わたし』からも選べるのか」とぼんやり思ったことはすごく覚えています。女子は「わたし」「うち」くらいしか思い当たるものがないのに、男子は「僕」「おれ」「うち」だけじゃない。「わたし」も使えるんだ と思いました。大学に入ると、普段から「わたし」と自称する先輩に出会い、「やっぱり、男性も『わたし』って普段から使う人いるってことは 選択肢が広いってことだよな」と、何となくうらやましく思っています。
うらやましく思うなら使ってみよう、と思ったのですが なんとなく使い心地の悪さを感じて 慣れることができませんでした。
いっと無意識のうちに「僕」とかは自分の使えるものではない、と思っているんです。どうしてかは分からないけれど。
今は「わたし」と「自分」とをゆらゆらしています。
でもやっぱり、「僕」とか「おれ」とか「わたし」とか、一人称をある程度自由に使えることをうらやましく思う気持ちがあります。
スカートを羨まれていると思っていたということ
とても仲のいい男友達がいます。ここ数カ月全く会えていないですが よくうちでお互いに「着せ替え大会」をしています。もっともほとんどの洋服は向こうがもってきてくれるもので、わたしはただ一緒に服を着て、この服は動きやすいだとかさわり心地がすきだとか、そんなことばかり言っていました。
その彼、とってもワンピースが似合うんです。淡いオレンジ色のひざよりすこし丈の長いワンピースがあって、それを着ているのを見るのがすごく好きで、着せ替え大会をするたびに「あれも着てほしい」とお願いしています。そうでなくとも、色んなワンピースをもっていて、そのどれも愛おしそうに着ています。そんな姿を見ているのがとても楽しいんです。
わたしに合わせてくれた服をきて、そのワンピースに合うアクセサリーを買いに行ってみたいんだ、と彼は時々言います。
でもそれが実現されたことは無いですし、きっとこれからもそんな機会は訪れないのではないか、と思います。
わたし自身はワンピースやスカートを履くのは彼との着せ替え大会の時ばかりで、誕生日とかでもらったりしない限り基本的にアクセサリーはつけないし、よっぽどはかないといけないとき以外はスカートに手をのばしません。だって動きにくいから。
だからどこか、彼に引け目を感じているところがありました。履いて出かけたいのに出かけられない彼と、履いて出かけることもできるのに履きたがらないわたしと 一緒にこの遊びを続けていていいのだろうか いつか傷つけてしまうのではないか、と思ったこともあります。
どちらも羨ましい、けど「楽しく」ていい
以前彼と飲みにいったときに、この話をしたことがあります。彼はふふっと笑って「いいんじゃない?ぼくは楽しくやってるよ。考えてくれるのはうれしいけどあんたは楽しくない?」と言っていました。また「あんたがじぶんに違和感なく『僕」っていうならいいんじゃない?『自分』って言ってんのけっこうすきだけど」とも。
「着せ替え大会」については彼が楽しいならいいか、と思いました。一人称についても、「僕」呼びにこだわりがあったわけではないので「自分」と「わたし」とでいいか、と思っています。
はじめに書いたように、自分は”ジェンダー”についてあまりにも無知です。大学に入ってからであって勉強を始めたばかりで、違和感はあれどそれを「知識」などを込めて語ることができません。むしろ、勉強すればするほどわからなくなっているように思いますし、自身も全くありません。
だからもっと勉強していきたい、と思うと同時に「”楽しい”と思えるところはそのままにしていたい」と思います。
一人称も服装も、固定する必要なんてない。一人の人としても大切だと思うし、「楽しめる」ことを大切に、でも 今までやこれからで出会った人・出会う人を傷つけないように これから先も「楽しいこと」をしていけるように 違和感を見過ごさず勉強したり考えたりしていきたいです。
もしよかったら、サポートお願いします! いろんなことを勉強してもっといろんな記事をかけるようにするために、本を買ったりイベントに参加したりするために使わさせていただきます!