ウェットライナー完成からの仮組み
エピソード41
令和6年5月
ウェットライナーが完成したのでボーリング&ホーニングとデッキの面研です
ボーリングの際のクリアランスを4/100で、おやっさんに頼んだんですが、ぜひ私のやり方でやらして欲しいと言うので任せてみました
なんとピストンを基準にボーリングするのでは無く、ピストンリングに合わせて合口を0.1mmになるようにボーリングしました
その結果、ピストンクリアランスは4つ共違いますが、2/100前後になり、それを今度はシリンダーに合わせて各ピストンを2/100前後、小さくすると言うのです
方法はピストンに合わせて鍛造で型枠を作り、圧縮して小さくするらしいです
こんな方法は聞いた事が有りません
広すぎると圧縮抜けが多くなるのでピストンリングの合口は大事です
0.1mmの合口クリアランスは最高の数値だと思います
今まで組んだエンジンで合口が、0.1mmで揃った事などありません
これはパワーアップに期待が持てます
ピストンはZX636Bのトップをセンターを基準に1mm落とした物を使います
シリンダーにベースプレートを嵌め込みました
仕様変更の為、ベースプレートのガスケットは使わない事になり、全くのゴミになりました
今回の仮組みはピストンボリュームを測るのとその他の確認なのでピストンは1ヶ所だけです
少し干渉する所がありましたが、組む事ができました
干渉したのは写真赤丸の2番と3番のライナーとクランクケースです
ライナーの肉厚を強度を持たせる為に、なるべく大きくしているからです
これはリューターで削れば問題なしです
まわりの汚いリューターの跡は砂落としした部分です(笑)
さっさとピストンボリュームの測定です
容積の出し方はエピソード38を参考にして下さい
ピストンボリュームを測ると狙う圧縮比にする為には後1mmピストンを上げなければいけない事が分かりました
設計当初からライナーベースプレートを入れるスペースをどこで稼ぐか?
と言うのが課題でした
ヘッドはバルブがギリギリにいるので面研代が有りません
0.1ぐらいの修正面研代は残しておかなくてはなりません
クランクケース上面、シリンダーの上下面を削り、ピストンの加工のやり方を考えて圧縮比を調整するつもりでしたが、ピストンのスキッシュエリアだけの研磨が困難だったのと、無理にやって各気筒のばらつきや歪なピストン形状による燃焼効率の悪さを嫌って、ピストンで圧縮比を稼ぐのはやめにしました
現状、クランクケース上面はエンジンマウント部の肉厚を確保しつつギリギリまで面研、シリンダー上下面は外部のフィンを残すように面研してますが、まだ少しだけ余裕有りです
1mmピストンを上げる為に、シリンダー上面を0.2mm、下面を0.3mm、ライナーベースプレートを面研は無理なので4.5mmで作り直そうと思い、ライナーベースプレートの値段を聞いたら14万円だったので、即答で却下です
2枚目は安く出来るとの事ですが値段も聞いてません(笑)
結局、シリンダーの上下面に振り分けて面研です
上の2枚の写真は目立たないパーツですが、ワンオフが必要なパーツです
ライナーベースプレートをシリンダーに固定するボルトのワッシャーと、シリンダーベースプレートを入れる為の純正に比べて長いドエルピンです
ZRXのウェットライナー製作にあたり、パーツは全てワンオフでそれに伴う治具等を考えると経験と知識と知恵と技術と時間が必要です
今回のウエットライナーに限らず、ZRX680もそうです
大多数の人が大型を買えばいいのにバカな事やってるなと言うかもしれませんが、理解してくれる人がいなくてもかまわないのです
世界に1つだけの凄いバイクを自分で作って乗りまわすと言う野望を持ってやってます
いくつになってもワクワクする趣味を持っていたいですから
ようやく令和2年の過去の記録から書き初め、現在に追い付きました
現在進行形でやってますので
応援よろしくお願いします😊