エンジン組み立てとガンコートについて
エピソード50
令和6年10月
さぁ、いよいよエンジンを組んで行きます
私のエンジンの組み方はもう皆さんご存知と思われますが
もう一度、おさらいでやって行きます
準備しておく事
メタルと内外径を測定し選定しておく
ピストン,コンロッド等は重量合わせをしておく
クランクはバランス取りしておく
ヘッドガスケットは加工しておく
ヘッドは処理をしバルブ類を組んでおく
ミッションは全てチェックしておく
ヘッドボルト,ワッシャー,クランクキャップボルト,コンロッドボルト,ナットは新品の物を用意しておく、ガスケットやシール類は新品の物を用意
親子メタル,ピストン,ピストンリング,ピストンピン,バルブリフターはWPC+ハイパーモリショット加工しておく
準備が整いましたら始めて行きます
1. まずはアッパークランクケースに木の棒を取り付けます
2. ひっくり返してシリンダーを乗せます
3. コンロッドを組んだピストンを上から入れていきます
4. ヘッドガスケットを置きバルブを組んだヘッドを載せ、ヘッドボルトを締めます
5. ひっくり返して落下防止の木を取り、メタルを付けてクランクをのせ、コンロッドを取り付けます
6. ミッションをのせてクランクケースを閉じます
7. 出来上がり!
1人で楽に出来ました
エンジンのガンコートについてですが、今回(ZRX680)で色々と勉強になりました
まず、ガンコートを塗装屋が行う所にはエンジンに限っては任すのは止めた方が良いと思います
理由はエンジンを完全にバラして持ち込む訳ですが、大事なヘッドやシリンダーやクランクケースの接合面に対する配慮を塗装屋さんは分からない人が多いからです
ヘッドはアルミなので雑に扱ったり、落としでもして接合面にキズでも付いたら取り返しがつきません
それとガンコートは170℃の高温で焼き付けるので、ライナーやバルブガイドが抜け落ちてしまわない方向にして焼き付けを行わないといけません
そう言うエンジンの事も知ってないといけません
それらを理解しているかを見分けるのは難しいからです
ですので、塗装屋さんがやってるガンコートではなくエンジン屋や表面加工屋(WPC等)がやってる所にガンコートを出した方が良いです
そう言った所なら外注に出しているとしても責任を持ってやってもらってるはずです
結 論
様々な加工を内燃機屋に出すなら必ず、加工前にガンコートしなければならない
エンジンをガンコートに出すなら塗装屋ではなくエンジン屋に出す
私は最初、塗装屋に出しましたが、今は表面処理屋に出してます
ガンコート加工後に内燃機屋に加工に出し、大事なパーツの塗装面にキズが付いても再塗装はせずタッチアップで誤魔化してます
高温で熱を入れるのが嫌だからです