のんびり地学基礎 #30 地震②「地震の分布」
地震は地球のあらゆる場所で
まんべんなく起きているのでしょうか?
下の模式図をご覧ください。
地震が起きる場所
赤の点々は
地下の浅い部分で地震が起きる場所。
紺の点々は
地下の深い部分で地震が起きる場所
を表しています。
日本列島では、
どこもかしこも
ほぼ全域で地震が
起こっていますが、
世界で見てみると、
地震の起きる場所には
かなりの偏りがあります。
もうお察しいただけている
かもしれません。
そうです、
地球の地震のほとんどが
プレートの境界で起こっています。
それ以外の地域では
ほぼ地震はありません。
しつこいですが、
プレートの境界とは
①、発散境界
プレートが生まれる場所(海嶺、リフト)
②、トランスフォーム断層
プレートがすれ違う場所
③、収束境界
プレートが集まる場所(海溝、衝突帯)
です。
地下の岩盤には常に
強い力がかかっているので、
それに耐えられなくなると、
岩盤が割れてズレてしまう、
その振動が地震だと学びました。
岩盤の破壊現象です。
ではなぜ、岩盤に
そんなに力がかかっているのでしょうか?
ここで
プレートテクトニクス
の再登場です。
地球は中心から、
核(内核、外核)、
マントル(下部マントル、上部マントル)、
地殻という層構造でできています。
地殻と上部マントルのごく上の部分は、
硬い岩盤となっており、
これをプレートと呼んでいます。
十数枚のプレートによって
地球の表面は覆われていて、
それらのプレートは
生まれ広がり、
互いにすれ違い、
衝突し、
一方のプレートの下に沈み込んで
地球内部に消えていく
という運動を続けています。
そのため、
プレートの境界面では
常に強い力がかかっているんですね。
プレートテクトニクスは
プレート同士の運動が
さまざまな地学的現象を
引き起こすと説明していますが、
地震もその1つなのです。
深発地震の場所
プレートの厚さは
約30~60㎞と言われています。
だいたい地下100㎞を境に
それより
浅い場所で起こる地震と
深い場所で起こる地震を分けます。
すると、100㎞より
深い場所で起こる地震は
収束境界の沈み込み帯(海溝)
でしか起こらない
ということが分かりました。
→ 深発地震
プレートテクトニクスを
知っているわたしたちは
斜めに沈み込んでいく
海洋プレート(スラブ)が
深く潜り込んでいく時に
スラブ内の深い場所で地震が
起こるのだと推測します。
しかし、
プレートテクトニクスが
なかった時代に
斜めの面に沿って頻発する
地下深い地震群を見つけた
日本人がいます。
和達清夫(1902~1995)
和達清夫さんは、
日本の地震学者で
気象庁の初代長官です。
1927年、和達さんは
日本海溝から、西側へ
斜めに降りていく格好で
深発地震の多発エリアがあることを
初めて見つけました。
深さ約700㎞まで続く
この多発帯を
深発地震面
または
和達ーベニオフ面と
呼んでいます。
後にプレートテクトニクスが
提唱されると、
深発地震面は
プレートの沈み込みの
裏付けとして
重要な役割を果たしました。
日本は地震のデパートや
沈み込み帯の上にある日本は
以下のように、、、、
・海溝型地震(プレート境界地震)
海洋プレートの沈み込みに伴い
陸側のプレートがゆっくり沈降し
それがもどろうとして起こる地震。
津波を伴う場合があります。
・スラブ内地震(深発地震も)
沈み込むプレート内で起こる地震。
・プレート内地震(直下型地震など)
大陸プレートの
断層のズレによるもの。
断層とは、
岩盤が割れてズレたところです。
今後も活動する可能性の高い断層を
活断層といいます。
・火山性地震
火山の噴火やマグマの動き
によって起こる地震。
このように、残念ですが、
いろんな種類の地震が多発する
地震のデパート状態なのです(T_T)
次回は、
プレート境界の
地震のタイプのお話です。
「地震③」です。
謝辞~星屑の子供たちへ~
私たちは、わざわざ地震がたくさん起こる場所に住んでいるんですね。だったら地震のない場所に引っ越せばいい?というわけにもいかず、、、、
だからこそ、地震などの災害に対して備えが必要なのですね。
ところで、この回の収録のタイムラグが今までで一番ひどかったのではないでしょうか?収録しているときはお互いにラグがないのに不思議です(+_+)
Geo Radio「のんびり地学基礎#30「地震②」