のんびり地学基礎 #32 地震④「地震のタイプと速報LIVEの聞き方」
私たちの住む日本付近では
どんな種類の地震が
起きているでしょうか?
地震のタイプはさまざま
①、プレート内地震(直下型地震)
大陸プレートの内部で
活断層が動くことによって
起こる地震です。
特に人々の住む
都市部で起こるものは、
海溝型地震に比べて
規模が小さくても
建物の倒壊や
ライフラインの停止など
私たちの生活に甚大な
被害をもたらします。
内陸型地震や、
直下型地震ともいいます。
主に逆断層や、
横ずれ断層の地震が起こります。
1995年 兵庫県南部地震や、
(阪神淡路大震災・逆断層/横ずれ断層)
2016年 熊本地震(右横ずれ断層)、
今後起きるとされる首都直下地震も
活断層がズレることによる
内陸型地震です。
②、海溝型地震(プレート境界型地震)
海溝は、海洋プレートが
大陸プレートの下に
沈み込んでいく場所です。
プレート同士の摩擦によって
ひずみがたまっていき、
耐えられなくなると
大陸プレートが
元の位置に戻ろうと
跳ね上がり地震が起きます。
逆断層の地震になります。
海の中でプレートが
跳ね上がるので、
巨大な津波にも
気を付けなければなりません。
2011年 東北地方太平洋沖地震
(東日本大震災・逆断層)や、
1896年 明治三陸地震、
これから起きる
南海トラフ地震などは
海溝型巨大地震といえます。
③、スラブ内地震(深発地震、アウターライズ)
海洋プレートの内部で
起こる地震です。
・深発地震
地震②「地震の分布」
の回でも取り上げました。
大陸プレートの下に
深く深く沈み込んでいく
海洋プレートの中では、
深さ700㎞あたりまで
地震が起きています。
この斜めの沈み込みに沿って
発生する深発地震の面を
和達ーベニオフ面と
いいましたね。( . .)φメモメモ
深発地震面では、
プレートの上側と下側で
地震が起きています。
→ 二重深発地震面
上側は圧縮する逆断層、
下側は引っ張られる正断層の
地震が起きているとされています。
しかし、
東北日本では
上側が更に2層に分かれており、
上層で正断層の地震が
多発していることが
分かっています。
深発地震では津波は起きません。
・アウターライズ地震
海溝の手前で
海のプレートが緩やかに
盛り上がる隆起帯があります。
そこをアウターライズ
といいます。
アウターライズでは、
正断層の地震が起きます。
陸から遠く離れた
沖合で起こるので、
陸にいる私たちが
揺れをさほど感じなくても
震源の海では大きく揺れて
巨大な津波を
発生させることがあります。
1933年の昭和三陸地震は、
アウターライズ地震でした。
地震の規模の割には、
揺れの被害は少なく、
東北の人たちは
似たような地震、
1896年の明治三陸地震を
経験済みのはずでした。
明治三陸地震は、
巨大な海溝型地震で
大きな津波が発生し
甚大な被害を出しました。
昭和三陸地震においても
また大津波が発生して、
多くの犠牲者が
出てしまったのです。
・海溝型地震の後にアウターライズ
【重要!】
プレートの境界で
海溝型地震が起こると、
ひずみのバランスが崩れ
しばらくした後に
アウターライズ地震が
発生することが多い
といわれています。
3.11の後、
大きなアウターライズ地震は
まだ起きていません。
気になるところです。
【先行して起きるプレート境界地震と
その後のアウターライズ地震の例 】
プ 1896年 明治三陸地震(M8.5)
ア 1933年 昭和三陸地震(M8.1)
プ 2004年 スマトラ島沖地震(M9.1)
ア 2012年 スマトラ島沖地震(M8.6)
プ 2006年 千島列島沖地震(M7.8)
ア 2007年 千島列島沖地震(M8.2)
プ 2011年 東北地方太平洋沖地震(M9.1)
アウターライズがくるのはいつ?
Geo Radio 地震速報LIVE
GeoRadioの地震速報ライブでは、
どの地域でどれだけ揺れたか?
ということのみに
重きを置いていません。
今回の地震は
どこが震源だったか、
(プレート境界か、プレート内か)
断層の型は何だったか
(正断層、逆断層、横ずれ断層)を
Hi-Netの AQUAで出る速報の
震源球を見ながら
地震のタイプを分析します。
例えば、
「震源の深さ35キロ」
と出たとします。
その地域のプレート境界の深さが
そのくらいだったとしたら、
もしかして
プレート境界で起きた
危険な地震の可能性が
あるかもしれません。
しかし、震源球が
逆断層ではなく、
横ずれ断層の型を
示していたとしたら、
「この後に本震が来るような
プレート境界の地震ではないな」
ということが分かります。
急いで避難する必要はありません。
危険な地震かどうか
を知るためには
詳細な場所と深さが必要ですが
情報には誤差があります。
地震の速報と震源球を
照らし合わせることで
危険度を自分で確認する
ことができます。
それをいつも〇さんが
やってくれているのですm(__)m
次回は、
「火山と防災」です。
謝辞~星屑の子供たちへ~
Geo Radioの地震速報LIVEでは、今回の地震は巨大な海溝型地震につながるような地震なのか、この後、同程度の地震に気を付けた方がいいのか、また私たちはどの程度のスピード感でどんな行動、準備を取ればいいのかを指南してくれるライブになっています。
いつもありがとうございます。
Geo Radio「のんびり地学基礎#32「地震④」