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同じ釜の飯を食うもいいけど、同じカスタムemojiを使うも大事

これは SmartHR Advent Calendar 2020 15日目のエントリです。

今年はSmartHRにコンテンツ編集者として入社し、気づいたらUXライターになった年でした。去年はもうちょっといろいろ記事を書いていたので、来年はペースを回復していきたいものです。

スクラムを学んでコミュニケーションの大切さを再確認

最近の私は、プロダクト開発の現場でUXライターがどうすれば貢献できるかを考える材料になればと、 社内のスクラム勉強会 に参加しています。開発体制について少しでも理解できるようエンジニアを中心とした参加メンバーとスクラムをテーマにしたワークショップに取り組んでいます。その中で感じるのが、開発チームは成果を上げるためにコミュニケーションをとても大切にしているということでした。

スクラムの三本柱、透明性、検査、適応をする上でも、仕事におけるコミュニケーションコストを減らす工夫の重要性を改めて感じました。

なお、「創発的なプロセスや作業は、作業を実行する人とその作業を受け取る人に見える必要がある」という透明性に対する考え方、開発チームではなく、どこかの会社がまさにそれを体現しているような…

コミュニケーションコストを減らす上で大切なのは、相互理解や認識のズレを埋めるためのアクションもありますが、誰もが簡単にできて効果が高いと、私は信じているのが、「同じカスタムemojiを使う」です。

とりあえず、同じカスタムemojiを使っておけば、コミュニケーションが円滑に行くという話を、今日は社会学と心理学のコミュニケーション研究の観点から書いてみたいと思います。

同じものを読む者同士の間に生まれる結束

印刷技術の発明は、社会構造を大きく変えた歴史的な出来事とされていますが、1983年に米国の政治学者ベネディクト・アンダーソンが著した「想像の共同体」という本でも、共同体を生み出す装置としての印刷媒体の有用性について触れています。著作のタイトルに「想像の」という修飾語がついているとおり、ここでのコミュニティは地域や血縁とは関係なく、人々のイメージつまり心理的なつながりによって成り立っている共同体について説いています。彼は政治学者なので、「国民は社会的に構成されたコミュニティであり、それは、当該の集団の一部として自己を認識する人々により想像されているものである」と国民を定義していて、それを支えているのが現地語による印刷媒体(新聞、雑誌、政治ビラなどなど)としています。

別々の場所で同じ言語で書かれた同じものを読むことで、他に接点のないもの同士が心の中で仲間意識を持つようになる。コミュニティはこうした装置によって意図的に作れるという話です。簡単に言うと、同じ漫画やWebサイトを観ていた人とはずっと昔から知っていたような親近感を抱くし、雑談をしてもすぐに打ち解けられるのと同じですね。(同担拒否とか解釈の不一致のことは、そっとしておいて下さい…)

そして、特に私は「同じ言語を使う」というポイントを重視しています。

同じ言語って、日本語か英語かという規模感ではなく、もっと密なスケールの「同じ」です。

概念を定義するためには、欠かせない「言葉」の役割

心理学の先生が「広義のコミュニケーションとは、あるシステムから別のシステムへと、記号によって情報が移動する過程である」としていた記述を読んだことがあるのですが、システムを個人としたとき、誰かと誰か情報を移動する際に使われる記号は、言葉そのものです。

人が概念を定義するためには、言葉に頼るしかなく、その定義がズレていたらコミュニケーションは成立しません。言葉という記号をやりとりするときの「わかった/わからない」といった認知の話は、別の機会のテーマにしますが、言葉には多くの情報が乗っかっています。そして、コミュニティの中で使われる言葉を理解することに苦労する人は少なくありません。

その苦労を軽減できるのが、Slackのemojiです。

自分が日常会話で声にしない言葉のカスタム絵文字も躊躇わず使おう!

もし、Slack文化が浸透していて、カスタム絵文字の多い環境で働いているのなら、積極的にそれらを使うことをおすすめします。「自分のノリと違う…」と抵抗を感じても、まずは使ってみて下さい。

SmartHRはSlack文化が浸透していて、毎日追加されるカスタムemojiの数から察するに、カスタムemojiの登録数はもはや調べたくない数に達していることでしょう。その中でおそらくダントツの使用率は「ありがたぅ〜」のはず。正直言って、これまでの人生でこんなノリで感謝を言ったことはないという人がほとんどでしょう。

最初は抵抗があります。でも、慣れます。

そしてそれに慣れた頃には、会社にも慣れています。

「すでに登録されている」という大義名分で使っているうちにノリが身につく

emojiのラクな点は、通常のテキストコミュニケーションだと、つい自分のスタイルに置き換えてしまうような抵抗のある表現も「これしか登録されてるemojiないし」と自分に言い訳をしながら使えることです。

そして受け取った相手は、慣れ親しんだカスタムemojiの方が送った相手に対して仲間意識を抱くことでしょう。

そして、使っているうちに、コミュニケーションのノリが身についてきます。

昔から郷に入っては郷に従えと言いますし、親しい間柄のことを同じ釜の飯を食う仲とも言いますが、同じカスタムemojiを使う仲であろうとすることは、働く者同士のコミュニケーションコストを減らす工夫なのではないでしょうか?

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