地獄はいつも僕の隣。 ー難病大学生ー
僕は今年の6月に潰瘍性大腸炎という難病になった。今は投薬や多少の食事制限等で全く日常生活に影響はなく、日々を送っている。
潰瘍性大腸炎はお腹の病で、主に下痢と血便が止まらないという症状で、僕自身も病院で薬などの治療を始める前は、1日に10~20回の下痢に血便が出ていた。どこで何をしていてもお腹が痛くて、血便のせいで貧血になり、めまいや立ちくらみで毎日ように倒れた。
この病気は、難病に指定されていて発症した原因も根本的な治療方法も確立されていない。つまり、今の医療では完治することはなく再発する恐れがあるということである。ただ、投薬や食事などで寛解期と言われる日常になんら影響のない状態で今は過ごすことができている。
きっとこれを読んでいる多くの人が、自分は病気になんてならないそう思っていると思う。僕自身も半年前まではそう思っていた。しかし病気はいつ誰の身に起こるかわからない。あっという間に体がおかしくなり、当たり前の日常を奪い去っていく。だからこそ、みなさんにはその当たり前を守り抜くために健康に気を使ってほしい。
失ってはじめて、そのことの有り難みに気づく。
僕の体を自分のこと以上に心配してくれる家族の温もり、下痢が止まらなくてトイレでうずくまって泣いている時でも、またみんなとお酒を飲んでワイワイしたい。そんなふうに離れていても活力をくれる友達。
僕はそんなあたり前のことを健康というものを失ってはじめて気がついた。これを読んでくれた方には、健康を失わずにそのことに気づいてほしい。
僕は今、休学をしている。語学と資格の勉強、身体を強くするために筋トレを毎日している。1日大体10時間の勉強と1時間の筋トレをしている。高校、大学と推薦で入って勉強といものをしてこなかった、僕には正直地獄のような日課。それでも毎日続けることができるのは、この病気を経験したから。どんなにしんどくてもあの時の痛み、絶望感、日々の憂鬱以上のものはないと思えるからだ。
明日また再発して、下痢が止まらなくなるかもしれない。そう思えると、今日1日を大切に生きることができる。難病を抱えている、それが今の僕の最大の弱点で強みだと胸を張って言える。
相変わらず僕のすぐそばには地獄が付き纏っている。それに22歳で気づくことができた。それはとても幸せなことだと思う。日々のなにげない当たり前の出来事を大切にこれからも過ごしていきたい。ぜひ、みなさも。
*読んでいただき、ありがとうございます。
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