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自分は飽き性だ、器用貧乏だと嘆く前に「マルチポテンシャライト」を知ってほしい

こんにちは。双子のトコトコ(姉、京大卒)です。

何をやっても続かない、飽き性、器用貧乏、色んなものに目移りする。そんな風に悩んでいる人に朗報です。
あなたは「マルチポテンシャライト」の可能性があります。

私が今まで経験したバイトは17個(途中で数えるのが怖くなった)。正社員3社。副業9つ。潰したSNS・ブログは10アカウント以上…。
興味のままに色んなものに手を出す、とんでもない目移り人間です。

世間には「何でも屋は大成できない」「スペシャリストになるべきだ」という風潮があります。さらに、追い討ちをかけるように私の横には農業一筋で研究にいそしむノソノソ(妹・東大卒)が。

こんな私でいいのだろうか…と長年悩んできましたが、知人との雑談でたまたま「マルチポテンシャライト」を知りました。私はこの概念を知ってから、自分の生き方を肯定できるようになりました。

マルチポテンシャライトとは何なのか?当てはまる人はどう生きていけばいいのか?を一緒に深掘りしていきましょう。


マルチポテンシャライトとは?

マルチポテンシャライトとは「さまざまなことに興味を持ち、多くのことをクリエイティブに探求する人」です。
マルチ(多くの)、ポテンシャル(潜在能力を持つ)、アイト(人)が組み合わさってできている言葉です。

エミリー・ワプニックさんの著書「マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法」がその概念を一気に広めました。

ちなみに原題は ”How to Be Everything - A Guide for Those Who (Still) Don’t Know What They Want to Be When They Grow Up" 何者にもなるにはどうしたらいいのか?です。

表紙が日本語版と全然違います

彼女は「なぜ天職が見つからない人がいるのか」というテーマでTEDにも登壇しています。171万回再生され、コメント欄も白熱しています。それだけ共感する人が多いということでしょう。

マルチポテンシャライトの種類

彼女の著書によると、マルチポテンシャライトには4つの働き方があるそうです。

①グループハグ・アプローチ
②スラッシュ・アプローチ
③アインシュタイン・アプローチ
④フェニックス・アプローチ

カタカナが連続して分かりにくいので、それぞれを簡単に説明します。

①グループハグ・アプローチ

多面的な方面に関わる1つのビジネスをするスタイルです。

【こんな人向き】
・さまざまな能力を総合的に求められる仕事が好き
・ある分野に専念しているときも、それが仕事全体に貢献していると思えるのが好き

コンサルファームや、立ち上げた直後のベンチャー企業が近いかもしれないですね。私はどちらも経験がありますが、確かにこれしかできないという人よりも、ジェネラリストが活躍していました。

②スラッシュ・アプローチ

いくつかのビジネスを掛け持ちするスタイルです。

【こんな人向き】
・全く違うテーマを行き来するのが好き
・自分の関心を掛け合わせて1つのことをすることには関心がない
・安定よりも融通がきく自由を求めている

私はこれです。今も自分の事業とバイトを複数個抱えています。1日の中でも違うことを同時進行で進めるのが好きです。

③アインシュタイン・アプローチ

生活を支えてくれる程よい仕事をしつつ、余暇でさまざまな分野に挑戦するスタイルです。

【こんな人向き】
・融通よりも安定を重視している
・仕事で興味のあることをやるよりも、趣味として楽しみたい
・自分の興味を稼ぎに直結させなくても良い

マルチポテンシャライトを仕事に直結させないタイプですね。仕事をしていると、色んなことができる才能が自然と発揮される気がしますが。
余暇がしっかりと取れる仕事を選べると、生活が充実しそうです。

④フェニックス・アプローチ

ある業界で一定期間働いた後、新たな業界に飛び込むスタイルです。

【こんな人向き】
・長期間にわたって物事に熱中する
・新しい分野に移りたくなるのは、何ヶ月・何年後
・あるテーマに深くのめり込むのが好き

興味が長期にわたって続く人はこちら。興味が1日単位で移り変わる私にとって、これもマルチポテンシャライトなんだ!と気づかせてくれたタイプです。

著者も書いていますが、「どれか1つでなければいけない」というわけではありません。ハイブリッドさせたり、新しい働き方を考えたりてもOKです。

本にはそれぞれ働き方についてさらに詳しく書いてあります。
どのようにお金を生み出していくか?というヒントも満載。気になる方は読んでみてください。

余談:エミリーさんの無料メルマガが面白い

さて、マルチポテンシャライトの概念にすっかり魅せられた私は、エミリー・ワプニックさんについてググり、彼女のHPに辿り着きました。

サイト内に、自分がマルチポテンシャライトかどうかが分かるテストがあります(英語)。数分で終わるので、もし興味があればやってみてください。
試しにさっきもう一回やってみたら、見事にマルチポテンシャライトに認定されました笑。

おめでとう!あなたはマルチポテンシャライトです

このテストを受けるには名前とメールアドレスを登録する必要があります。登録すると週1回メルマガが送られてきます。

不要なメルマガはすぐ配信を停止するたちなのですが、このメルマガは毎回面白いのでつい読んでしまいます。ちょっとした英語の勉強にもなっています。

最近面白かったのはこんなメルマガ。
要約すると「自分はマルチポテンシャライトではないが、パートナーがそれ。彼が色んなものに手を出していて、どうサポートすればいいか困ってる」という内容です。

Dear Puttylike,

I wouldn’t describe myself as a multipotentialite–but I’m married to one! My husband is constantly looking for different career paths and opportunities. He has had an assortment of jobs, professions, and degrees. Sometimes he loses interest and moves onto the next thing pretty quickly.

For me, someone who would describe myself as a specialist, it can be overwhelming. I want him to be happy, but it’s hard to get behind his next career path as it means incurring more debt and we’ve just bought a house. It’s also hard to be excited about a new pursuit when I know there’s a good chance that it will change. I’m fully supportive of him being happy at what he does, but I’m struggling to help him achieve it, as his vision seems to constantly change.
(省略)
Want to know what advice Kristin had for this supportive specialist and her multipod partner?
(下記に飛ぶと記事が読めます)
Click here to read the full article.

2024年7月24日のメルマガより抜粋

まさかの自分ではなく、パートナーがマルチポテンシャライトの例でした。
そんな悩み方もあるんだなぁ、うまく自分のHPに誘導しているなぁと感心しきりです。

思わず頷いたこんなメルマガもありました。
「あなたがマルチポテンシャライトなら、家で1人で仕事するのは難しい。誰かが側にいるだけで仕事がはかどるよ。」と書かれています。

Do you work from home? Or, are there days during the week when you're at home trying desperately to make some progress on your many projects?As a multipotentialite, it can be really hard to focus out there on your own! It is much easier to get stuff done when you're doing it alongside others. Sometimes just seeing a friendly face, working away on their stuff while you work on your stuff, is enough.
(最後の一文はテストに出そうな文章。”is” enoughなので、seeingとworkingは並列ではありません。受験生は訳し方に注意。大人はスルーしてください。)

2024年6月25日のメルマガより抜粋

家での1人テレワークが合わずに退職したことがあるので、めっちゃ共感しました。当時は仕事のタスクとプライベートの考え事がこんがらがってしまって、完全にパンクしました。

また、人の気配があるところで作業するだけで、目の前のことに集中できる気がします。受験勉強は必ず自習室や図書館でしていました。

私は彼女の有料コミュニティに入る気はありませんが(笑)、これからもメルマガでマルチポテンシャライトの動向をみていこうと思います。

月3万円の「ナリワイ」を10個つくる

日本にもマルチポテンシャライトに似たものはないのか?を考えてみます。数ヶ月前に参加したオンライン講演会で「ナリワイをつくる 人生を盗まれない働き方」の著者である伊藤洋志さんのお話を聞いたので、紹介させてください。

色んなことをちょっとずつこなす、季節ごとに仕事を変える、という働き方(マルチポテンシャライトでいうと②スラッシュ・アプローチですね)はまさに昔から農村で行われてきたことです。

春は農作物を植えて、冬の間は家での内職や出稼ぎに出かけていました。
さらに、天気によっても仕事が変わります。晴れたら農作業、雨の日は家仕事や読書をしていました。

これが変わってしまったのは、1954年ごろの高度経済成長期から。
1つの仕事に特化した方が特に製造業では効率がいいとする「株式会社日本」が出来上がったと伊藤洋志さんは主張します。
それまでの農村的な仕事のあり方が、短期間で一気に変わってしまったのです。

それに人々が順応できればいいのですが、ニートや自殺者の増加が社会問題になります。実際、仕事中に溜まったストレスを解消するために、稼いだお金を使っている人も多いのではないでしょうか。

人類の性質にあった健康的な仕事を再構築しようという試み、これがまさに「ナリワイをつくる」というわけです。

ナリワイの基本的な考え方は、藤村靖之さんの「月3万円ビジネスを10個やる」と似ています。
こういうものがあったらいいなを自分でやる→有償でもいいからやって欲しいという人が出てくる→ビジネスになる→そのビジネスを何個も立ち上げるという方法です。器用に色んなものができるからこそ出来ることです。

色んな仕事を掛け持ちしたいスラッシュ・アプローチタイプにはぴったりなのではないかと思っています。
私も本書を片手に月3万円ビジネスを複数立ち上げ中です。

本には著者が実践しているナリワイの例が具体的に出てきます。気になる方は読んでみてください。
ちなみに著者は私と同じ京大農学部森林科学科出身。いつかご縁がないかな〜と思っています。

●ナリワイをつくる 人生を盗まれない働き方
 「人生を盗まれない働き方」という副題がいい味を出しています。

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伊藤さんの師匠である藤村さんの「月3万円ビジネス」も面白いです。

●月3万円ビジネス

Amazonリンク: https://amzn.to/4dmzHh9

ただ、この「月3万円ビジネス」の唯一の難点は、インターネットを使わないビジネスに限っているということ。
私はパソコン1台で仕事をしたい人間なので、同じような方はこちらの方が参考になると思います。

●スモールビジネス起業の教科書_D2C物販編

誰でもスモールビジネスはできる!と若干煽られますが笑、
事例が豊富に載っていて「確かに自分にもできそう」と思える一冊。

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最後に

熱がこもって長くなってしまいました。自分は何かをやって続かない…と悩んでいる方に、マルチポテンシャライトについて知っていただけたら嬉しいです。

マルチポテンシャライトについてもっと知りたい方は、ぜひエミリーさんの本を読んでみてください。今年読んで良かった本ベスト10に入るくらいの良本でした。この本のおかげで、自分の生き方をやっと肯定することができました。

我こそはマルチポテンシャライトだという方、こんな生き方があるよ、こんな働き方があるよ、などありましたらぜひコメントで教えてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
有益な情報を発信していきますので、今後ともよろしくお願いいたします🐼

(執筆はマルチポテンシャライトのトコトコ、校正ノソノソでお送りしました)


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