暮しの手帖さん達②
平田さんがモデルさん達の頭回りを測って下さったので、その方に合うサイズで編むことになりました。とはいえ頭回りは、あまり個人差がない部分(あっても数センチの範囲)です。それでも棒針の号数を1号変えるだけでフィット感が変わり、その人に合うものになるようです。減らし目を〇か所で、という場合、ゴム編みとの兼ね合いもあるので、変に目数をいじるとややこしい編み図になりがちです。できるだけシンプルに、慣れれば編み図を見なくても編める、そんな編み方とサイズ感を目指しました。フリーパターンにありそうな簡単さに驚かれるかもしれませんが、出来るだけ多くの方に編んで頂きたいという思いをデザインしたものです。今回使用したDARUMAのウールモヘヤは色が美しく、ふわふわしたモヘヤの質感も素晴らしい。編み方に迷うことなく、純粋に、糸に触れる時間、色の美しさに浸れる時間を楽しんで頂けたら、という気持ちもありました。
暮しの手帖さんの素晴らしいところは、編み図を送ると、実物の糸で実際に編んで下さること(他にも沢山ありますが、それは追々に)。次に平田さんにお会いした時、彼女は好きな淡いピンクのモヘヤで「春待ちキャップ」を編んで下さっていたのです。もちろん、平田さんの柔らかな印象と相まって、とってもお似合いでした!好きな色は、その人に本当によく似合う。それを実感した出来事でした。
そうは言っても「好きな色」について、意識したことがない人もおられるかもしれません。難しく考えず、なんとなく手に取った色の毛糸を、そのまま編んでみてください。無意識に手を伸ばした色は、きっと、その人の無意識ー心の奥底に響いているのではないでしょうか。身に着けると、ご自身の雰囲気とリンクして、とてもお似合いになると思うのです。
(つづきます)