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就活コラム③|困った出来事たち
『就活のタイミングを3度も逃した人間の就職活動』という連載をしているあごひげ20cmです。本編では、博士課程卒の就職活動について紹介しています。
このコラムでは本編を外れて、本編に書くほどではない四方山話を書いていきます。本編のお供にお楽しみいただければ幸いです。
▼連載第1回はコチラ▼
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就職活動中って、色んな人と出会って色んなコミュニケーションをとります。そうした中でちょっとした事件ってどうしても起きるものです。今回は、自分が体験した珍事件を3つご紹介します。「あるある」だったり「ないない」だったりをお楽しみください。
1. まさかの再会
就職活動を始めてすぐの頃、自分が初めて企業説明会セミナーに参加したときのことです。その会社は食品メーカーの最大手の1つで、自分の志望度も高い企業でした。セミナーはYouTubeのような動画配信形式で、参加者が自由にコメントを投稿できました。
開始前からコメント欄は大賑わいでした。「いつも○○買ってます!」というポジティブなものから、「就活嫌だ……」みたいな悲観的なものまで玉石混交。自分もひとまず『本日はよろしくお願いいたします。』とコメントしてみましたが、ものの数秒で画面外に流れていくほど盛況でした。
セミナーが始まり人事担当の方の顔が画面に映りました。……それは、どこかで見たことがある顔でした。見覚えのある顔の主は、聞き覚えのある声で自己紹介を始めます。口にした名字は全国に100人レベルの珍しいものでした。その瞬間、記憶の中のある人物に完全に一致しました。
それは大学時代の1つ下の後輩でした。同じサークルで、何度か遊んだりフェスに行ったりもした仲です。やや天然な一面がありながらも他人のボケには鋭くツッコむ、大阪人代表みたいな存在でした。
同級生の進路すら把握していなかった自分ですので、ましてや後輩の就職先なんて知っているわけがありません。予想外の衝撃に心拍数が跳ね上がりました。採用担当者が自分の後輩という逆転の気まずさ。しかも会社の志望度は上位なので逃げ出すこともできません(のちに志望度1位になるくらい知れば知るほど素敵な会社でした)。
幸いなことに(?)、その後輩は4月になって人事部を離れたということで、説明会や面接で対面することはありませんでした。でも書類選考くらいまでは関わっていたかもしれないと考えると、うっすら恥ずかしさがあります。志望度が高い企業だったぶん、かなり張り切ったESや研究概要を提出していたので……。
浪人生とか留年した就活生は気を付けてください。自分と面識のある同級生/後輩が採用担当になっているかもしれません。ヘタに年を重ねている博士卒ならなおのことです(逆に、器用な就活生であれば、知り合いが採用担当であることを活用して選考を有利に進められるかもしれませんが)。
実際、採用担当が年下という場面には、この他にも2度遭遇しました。年齢という1ファクターに過ぎませんが、毎回ちゃんと気まずさが漂います。心してかかりましょう。
2. 泣きっ面に二度蹴り
就活中の大きな不満の1つが「合格の場合は連絡するけど、不合格の場合は連絡しません」という企業があったことです。しかも複数社。
「(合格者には)○○日までに連絡します」という案内があれば、期日までに連絡がない=不合格と分かるのでまだ親切です。しかし、そういった期日の指定も一切なく、2週間から1ヶ月間も待たされるのは精神衛生上よくありません。
ある企業の一次面接を受けたときのことです。この期日指定がないパターンの案内がありました。
『面接の結果は、合格者の方にだけご連絡を差し上げます。』
比較的志望度の高い会社だったので、面接後2週間はメールを待ちわびました。選考マイページも毎日2~3回、確認するほどでした。
しかし、2週間経っても3週間経っても連絡が来ません。期日の案内があれば気持ちの切り替えも容易いのですが、案内がなかったので中途半端な気持ちで待ち続けるしかありません。
他社の選考も忙しく進めている中で、その会社の存在感がどんどん小さくなり半ば忘れかけていた頃、その会社からメールが届きました。面接から40日以上も経っていました。「合格の連絡か!?」と舞い上がりました。
『厳選なる審査の結果、誠に残念でございますが、貴意に添いかねる結果となりました。あごひげ20cm様の今後の活躍をお祈り申し上げます。』
「不合格者にも連絡するんかい!」とキレたいところでした。が、冷静に考えれば「不合格者に連絡する」は当然の行動です(逆に、不合格者に連絡しないまま放置するのは、企業に興味を抱いて応募している学生に対して不誠実だと思います)。
おそらく、合格者には1~2週間で結果&次回選考の連絡をして、選考作業が落ち着いてきた頃合いになって不合格者にも連絡を寄越したのでしょう。舞い上がった気持ちを返してほしい。
この不合格の連絡を機に、自分はその会社への気持ちをすっぱりと整理して、残りの企業の選考に目を向けました。そうして2週間が経った頃、その会社から再度メールが届きました。
不合格者の自分に連絡があるとすれば、現実的なのは「子会社へのエントリー募集中!」とかでしょうか。万が一、もしかすると「繰り上げ合格です!」なんてこともあるかもしれません。
メールの件名は『選考の結果につきまして』でした。期待に胸が高鳴ります……!!
『厳選なる審査の結果、誠に残念でございますが、貴意に添いかねる結果となりました。あごひげ20cm様の今後の活躍をお祈り申し上げます。』
まさかの死体蹴りでした。「不合格者にも連絡してほしい」とは常々思っていましたが、2回もお祈りが来るなんて夢にも思いませんでした。この時期、食品業界で選考を進めていた会社が0になっていただけに余計にダメージが大きかったです。
2時間後に、その会社から『メール誤送信のお詫び』というメールが来ました。くらったダメージに比べれば随分とあっさりとした謝罪でした。人為的な誤作動だったようで、再発防止に努めるとのことでした。まあ、ヒューマンエラーは起こるさ、人間だもの。
こんな悲しい事件が二度と起きないよう、自分はその会社のマイページを開いて迅速に退会処理を済ませました。おかげで3通目のお祈りメールはまだ届いていません。
3. 面接官の当たりハズレ
就職エージェントにサポートしてもらいながら就職活動をしていたときのことです。エージェントの利点の1つに、面接の結果だけでなく面接官の評価も教えてくれるというものがあります。
このフィードバックはとても有難いもので、どういう部分が面接官にアピールできたのか、逆にどういう部分がうまく伝わらなかったのか、等を次回以降の面接に活かすことができます。
あるコンサル系企業の一次面接を受けた時のことです。プロジェクト・マネージャーとの1対1面接でした。こちらが"聴き"に回ることが多い面接で、話した割合は自分が4、面接官が6くらいでした。『自分も新卒からコンサルティング業をしてきて~』など、これまでのキャリアパスを詳細に教えてくださり、とても有意義な時間になりました。
ところが後日、エージェントから残念な報せが届きます。
残念ながらお見送りとなりました。
理由としては『志望動機がなく、ご本人様が研究開発職を希望されているため』だそうです。
意味が分かりませんでした。どの企業の面接においても、自分が一番重視して準備していたのが「志望動機」だったからです。この会社の面接でも、自身の就活軸と御社がどのようにマッチしているかをしっかり話したつもりです。その中で『御社のITコンサル職に携わりたい』とも伝えたはずです。そもそもコンサル系企業に「研究開発職」なんてものはありません。
たしかに、これまでの就活の状況を尋ねられた際に『以前までは食品業界の研究開発職を志望していた』と話しました。しかし、その後にちゃんと『今は、自分が博士課程で培ってきたスキルをより活かして働けるコンサルティング職を志望しています』と力を入れて述べました。
自分の姿が面接官の目にどう映ったかは想像するしかありません。もしかしたら入社意欲が低いように見えたのかもしれません。もしくは『食品業界を志望していた』の部分しか本当に聴いていなかったのかもしれません。そうであれば、まるで悪意をもってメディアに発言を切り取られるような理不尽さです。面接官の日本語能力が心配になります。
それにしても『志望動機がなかった』という表現は大嘘です。せめて『入社意志が弱いと感じた』や『食品業界に未練がありそうだ』のような面接官側の主観的な表現に留めるべきところでしょう。こんなトンチンカンな報告を鵜呑みにして合否を判断する人事部もどうなっているんだ。
もし本当に「この学生は志望動機がないのかな?」と感じたのなら、学生に問いただしてほしいものです。少なくとも、面接時間の大半を使って自分語りしている場合じゃありません。
その舟を漕いでゆけ〜
— あごひげ20cm (@agohige20cm) June 14, 2021
お前の手で漕いでゆけ〜
お前が志望動機を話しても「志望動機がありませんでした」と人事部に報告する者に
面接官を任せるな〜
この会社に落ちたことのショックはありませんでした。しかし、今までの面接でも自分の考えがきちんと伝わっていなかったかもしれないという動揺は大きかったです。自分が特に推していたアピールポイントの1つが「(専門知識などの)難しい内容を分かりやすく伝える力」だったからです。この経験は、改めて自分の話す順序やテンポを見つめ直す良い機会になりました。
恨み節のような傲慢な書き方で不快な思いされていたら申し訳ありません。自分視点から見た話なので、賢明で中立な読者の皆さんはある程度割り引いて見てくださいね。もしかしたら面接官側も『この学生、全然喋らんやんけ…。過去語りでもしてお茶濁すか』となっていたかもしれませんし…。
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※次回は本編第4回、30日(水)に投稿予定!
▼本シリーズのマガジン▼(月・水・金の19時ごろ投稿予定)
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