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絵画の美女に惹かれてやまない 2024年11月【3】

久しぶりに国立西洋美術館(西美)で鑑賞。いつものように常設展。しばしば来ているかのように書いたが、3月以来8ヶ月ぶり。年間パスポートを購入したというのに。元を取るためには、来年2月末までにもう一度来る必要がある。

平日夜間にしては混んでいた。モネの企画展が開催されているためだろう。私もモネは好きだが、モネ限定2300円より、多様な画家500円の方を好む。

常設展には、いつもほとんど同じ作品が展示されている。私はそれを求めている。同じ作品を観ても、その時々で違う思いが心に現れるのが楽しい。

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やはり美しい女性はいい。現実の女性をジロジロ見ることは難しいが、芸術品ならどれだけそうしても咎められない。うっとりするような女性を頭から爪先までじっくり眺める。写真も撮る。

マリー=ガブリエル・カペ「自画像」(1783年頃)

この自信に満ちあふれた表情と、こぼれ落ちそうな乳房が好きで、毎回彼女に会いに来ている感じさえある。西美に行くと彼女に会える。「ある」というより「いる」と感じる。

この自信満々な表情を前にすると、乳房に夢中になっていることへの後ろめたさがなくなって、堂々と彼女の乳房が好きだと言える感じがある。

ベルナルド・カヴァッリーノ「ヘラクレスとオンファレ」(1640年頃)

椅子に座った性格の悪そうな女性に惹かれる。何となくツンデレのような気がするのだ。悪い女のようでいて、心の奥の素直な部分が出てしまったら動揺する。そんな想像をして、そのギャップに萌える。

キャプションを読むと、これはギリシャ神話らしい。英雄ヘラクレスが女王オンファレに糸紡ぎを命じられるが、うまくできずに笑われる。この絵はそのシーンだという。この出会いをきっかけに彼らは恋に落ち、結婚して子供も授かる。

私の適当な空想はあまり間違っていなかった。からかった男の子に次第に惹かれていく女の子のようだ。オンファレ女王がかわいい。

ヘラクレスがオンファレに仕えている間、互いの衣装の取り換えをしたというエピソードがあるようだ。(ツンデレ)女王様の服を着られるなんて、うらやましい。もし自分だったら、興奮のあまり心臓が口から出そうなほど心拍数が上がり、めまいがして気を失うかもしれない。

ウィリアム・アドルフ・ブーグロー「純潔」(1893年)

大正義ブーグロー。「ヴィーナスの誕生」で有名だ。官能的で耽美的な女性が好きなら外せない。この絵もそのひとつ。何と美しい横顔。何と滑らかな、透き通るような、陶磁器のような白い肌。こんな女性がもし目の前にいたら、心を奪われ、現実感を失うだろう。

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素晴らしい絵を観ると、心の中で物語が始まる。それは他の誰とも違ったもの。世界にふたつとない、唯一無二の、自分だけの物語だ。絵画の美女も、もちろん独り占めできる。

私は「想像の翼を羽ばたかせる」という表現が好きではない。「想像の風にさらわれる」と言いたい。地道に羽ばたいて空を飛ぶなんてウンザリだ。なぜ想像の世界でまで努力しなければならないのか。

想像は自力でするものではない。突然の風にさらわれて、一瞬のうちに空高く舞い上がるのだ。私は羽ばたかない。風が私を運んでくれる。

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