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長髪でいたい男性の気持ち 2023年4月【1】

初QBハウス

先日、初めてQBハウスに行きました。1200円で髪を切ってくれるお店です(2023年4月1日から1350円に値上げ)。髪を切るのは1年半ぶりです。背中の真ん中ぐらいまで伸びていました。

2018年頃までは短髪だったのですが、そこから伸ばし始めて、最終的には腰に達しました。2021年10月のことです。

そこで30cm切って、ヘアドネーションを行いました。髪の毛の寄付です。病気で髪を失った人のウィッグに使われます。髪が腰から肩までになりました。今回もこの長さに切ってもらうことにしました。

1200円カットなんて安すぎる。ロボットみたいに無愛想な人に、流れ作業のように切られるのかもしれない。そんな覚悟をして出かけたのですが、実際には物腰やわらかで丁寧な美容師さんだったのでホッとしました。

切り具合は概ね満足です。そもそも長さ以外のこだわりはほとんどありませんでしたしね。

なぜ長髪でいたいか

さて、ここからは髪を伸ばした経緯を話します。まだ短髪だった頃に、ヘアカタログを見たのです。はじめのほうの写真はショート、そこからミディアム、そしてロングへと続いていきます。

ショートの写真を何枚も見ているうちに腹が立ってきたのです。どれもこれもほとんど代わり映えしない。全員就活本に出てくるような男性。他人がするのは構いませんが、自分は絶対にしたくない。心が激しく反発しました。

私は子供の頃からオシャレとは縁遠い人間です。したい髪型も特にない。そんな私が就活ヘア(みたいな髪型)には強く反応した。そこに日本社会の息苦しさを見たんですね。そして髪を伸ばしたいと思いました。

短髪の頃には、耳が隠れるだけで長髪と思っていましたが、今では女性と同じ感覚になっています。男性で「ロン毛」と言われているものは全然「ロング」ではありません。あれはミディアムです。

だいたい「ロン毛」という言葉は中立的な表現ではありません。「男は短髪にすべきなのに伸ばしている」というニュアンスが含まれています。話者が性に対して固定的な思い込みを持っていることを示す言葉と言えます。

私はとっくに死語だと思っていました。小室圭さんや菅元首相の息子さんに対する報道で使われていて驚きました。記者たちのセンスが20年前で止まっていると感じました。

それはさておき。肩までの長さは楽です。後ろで結わえるだけで完成するからです。短髪のほうが楽だという考えもありますが、短髪はすぐに形が崩れるため、1~2ヶ月おきに切らねばなりません。床屋も美容院も大嫌いで、できるだけ行きたくないので却下です。

肩から胸ぐらいの長さがベストで、これより長いと邪魔なだけです。ベリーショート、ショート、ミディアム、ロングと、それぞれ魅力がありますが、その先はただ「長い」という印象しか残りません。

ボブはうまくセットできればいいのですが、毛先がなかなかまとまりません。私の場合、横から見た時、顔に向かって「J」あるいは「し」の字のように流れる癖があり、直すのが大変でした。

この長さの頃は、いつも頭からお湯をかぶっていました。どんなに整髪料をつけてもハネがとれず、全体を濡らしてドライヤーで乾かしたほうが早かったのです。

というわけで、今後も胸まで伸びたら肩まで切るということをくりかえしていく予定です。これなら髪を切るのは年に1度ぐらいで済みます。

なお現代日本において、髪の長い男性は働き口が限られます。女性は「黒かダークブラウンにしか染められない」などと嘆きますが、男性に比べればまだマシです。こちらは黒の短髪以外許されないのですから。

もちろん業種によって許容範囲は異なりますが、一般的な傾向としては上記の通りです。その象徴が就活ヘアと言えます。

私が髪を伸ばしていたいのは、こんな現代日本の風習に腹を立てていて、迎合したくないという思想的理由もあります。別の言葉で言えば、思想の表現であり、社会の狭量や偏見に対する抗議です。

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著者は1985年生まれの男性。 不登校、社会不適応、人付き合いが苦手。 内向型人間。HSP。エニアグラムタイプ4。 宗教・哲学(生き方)…

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