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府中市美術館 ミュシャ展 鑑賞記 2024年12月【2】

ミュシャ展に行くまで

11月28日、府中市美術館(東京都)でミュシャ展を鑑賞した(既に終了)。

私は埼玉県所沢市に住んでいる。西武新宿線で東村山駅に行き、西武国分寺線に乗り換え。終点の国分寺駅で下車。そして府中駅行きのバスに乗る。

ここで初めての経験をした。乗っているバスが事故を起こしたのだ。ガードレールにぶつかったらしい。たしかに「ゴゴゴゴッ」という嫌な音がした。

こすったらしい。ケガ人はなかった。しかしそのまま走り続けるわけにはいかない。運転手による説明があり、乗客全員そこで降りることになった。

ちょうどバス停の前だった。事故は、車体を左に寄せるときに起きたようだ。後続のバスに乗ることになった。幸い都市部なので、15分ぐらい待つだけで済んだ。

運賃は無料になった。「無料です」とは言われなかったが「降りるときはそのまま降りてください」と案内された。

次に乗るときにICカードがエラーを起こすのではないか。気になって尋ねてみたが、そういうことはないそうだ。乗車記録しかない場合、リセットされるとのこと。

国分寺駅から府中市美術館の目の前に行くバスはない。500mぐらい離れたバス停から歩いて向かった。入館して周囲を見回し、窓口を発見。そこに立つなり「1000円です」と言われた。

たしかに入場料は1000円なのだが、不快だった。まず「ミュシャ展をご鑑賞ですか?」など、何か言うべきだろう。いきなり金額を言うのはダメだ。

ただしその後の対応が丁寧だったので、気持ちは和らいだ。またロッカーが木のぬくもりを感じるものだったので、優しい気持ちになった。私の心は、簡単に晴れたり曇ったりする。

そうして2階展示室へ。エスカレーターに乗る。晩秋の日がやさしく降り注ぐ。いい感じだ。いい美術館だ。みるみる機嫌がよくなる。入口でチケットを提示し、テーブルに置いてある紙類を手にとる。

入場してみたら、どうもここが始まりなのか自信が持てなかった。窓口に戻り、正しい順序があるのかどうか尋ねた。係員は紙の案内図を示して説明してくれた。それは私が先ほど手にとり、既に持っているものだった。確認しないからこうなる。自分の粗忽さがおかしくて、声を出して笑った。

ミュシャ展の感想

さて、ようやくミュシャについての話だ。私は高校時代から彼の作品が好きで、ファン歴20数年になる。しかし一般的に人気の高いパリ時代のポスターより、後年の油彩を好んでいる。2005年に上野の東京都美術館で観た「ボヘミアの唄」があまりにも素晴らしく、今に至るまであれほど感動した絵画はない。

今回これは出品されていないが「クオ・ヴァディス」「女占い師」「目を閉じた少女」などに、近いテイストを感じた。

特に「クオ・ヴァディス」の少女の体のくねりと、ねっとりとした、狂気を感じる表情がいい。今回の展示の個人的な最優秀賞だ。

「堺 アルフォンス•ミュシャ館」の公式YouTubeチャンネルに解説動画がある。

展示室内は撮影禁止だった。スマホの使用も遠慮するように書かれていた。しかし外国人らしき方が、スマホを作品のほうに向けている。無断撮影かと思ったが、解説文をカメラ翻訳しているだけだった。これは許されるべきだと思った(別に注意されてもいなかったが)。

それにしても、府中はいい街だ。府中駅前のケヤキ並木や大國魂神社、史跡の数々は素晴らしい。博物館もあり、図書館の蔵書も都内有数。その上こうした美術館もある。歴史や学問や芸術を大切に扱う自治体は、私には好ましい。

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