Step 22:対話がカギ!「アジャイル」原則 その6
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この記事で学ぶこと
アジャイルソフトウェア開発宣言の「12の原則」の6つ目、「情報を伝えるもっとも効率的で効果的な方法はフェイス トゥ フェイスで話をすることです。」について、詳しく学びます。
この章を読めば、なぜアジャイルが「フェイス トゥ フェイス」のコミュニケーションを重視するのか、その理由がわかり、あなたの仕事におけるコミュニケーションの取り方も、変わるかもしれません。
この記事って要はこういう話
アジャイルでは、効率的で効果的な情報伝達のために、直接会って話すこと、つまり「フェイス トゥ フェイス」のコミュニケーションを、最も大切にします。この章を読めば、アジャイルにおける、コミュニケーションの重要性と、具体的な実践方法が理解できます。
アジャイルソフトウェア開発宣言 「12の原則」を、振り返る
Step 16では、「アジャイルソフトウェア開発宣言」の「12の原則」について学びましたね。「12の原則」は、アジャイルを実践するための、具体的な行動指針、「虎の巻」とも言えるものでした。
そして、Step 17からStep 21までで、「12の原則」の1つ目から5つ目について、詳しく見ていきました。
ここで、「12の原則」の6つ目を、確認しておきましょう。
情報を伝えるもっとも効率的で効果的な方法はフェイス トゥ フェイスで話をすることです。
これは、アジャイルでは、情報を伝える際に、どのような方法が最も効果的かを示している、重要な原則です。
なぜ「フェイス トゥ フェイス」で話すことが重要なのか?
皆さんは、この原則を聞いて、どう思いますか?
「わざわざ会って話さなくても、メールやチャットで十分じゃないの?」「忙しいのに、そんな時間ないよ!」
そう思う方も、いらっしゃるかもしれません。
確かに、メールやチャットは、離れた場所にいる相手と、簡単に連絡を取ることができる、便利なツールです。しかし、メールやチャットだけで、全ての情報を、正確に、かつ効率的に、伝えることは、難しいと思いませんか?
例えば、あなたが、仕事で何か困ったことがあった時、上司に相談したいとします。そんな時、メールやチャットで相談するのと、直接会って相談するのとでは、どちらの方が、自分の状況や悩みを、正確に理解してもらえるでしょうか?
おそらく、多くの方が、「直接会って相談する方が、理解してもらえる」と答えるでしょう。
なぜなら、直接会って話をすることで、言葉だけでなく、表情や身振り手振りなど、非言語的な情報も、相手に伝えることができるからです。また、相手の反応を見ながら、話す内容を調整したり、わからないことがあれば、その場ですぐに質問したりすることもできます。
つまり、「フェイス トゥ フェイス」で話をすることで、より正確に、より効率的に、情報を伝達することができるのです。
「フェイス トゥ フェイス」で、何が変わる?
アジャイルで、「フェイス トゥ フェイス」のコミュニケーションを重視することで、具体的に、何が変わるのでしょうか?
認識のズレを、最小限に抑えられる: 言葉だけでなく、表情や身振り手振りなど、非言語的な情報も共有することで、お互いの認識のズレを、最小限に抑えることができます。
迅速な問題解決が可能になる: 何か問題が発生した際に、その場ですぐに相談し、解決策を話し合うことができるため、迅速な問題解決が可能になります。
信頼関係を構築できる: 直接会って、顔を合わせて話をすることで、お互いの人となりを理解し、信頼関係を構築することができます。
チームの一体感が生まれる: チームメンバー同士が、頻繁にコミュニケーションを取ることで、チームの一体感が生まれ、プロジェクトの成功に繋がります。
「フェイス トゥ フェイス」を実践する、具体的な方法
では、アジャイルでは、「フェイス トゥ フェイス」のコミュニケーションを実現するために、具体的にどのような方法を、取っているのでしょうか?
「アジャイル」の代表的なフレームワークである「スクラム」では、以下のような方法で、「フェイス トゥ フェイス」のコミュニケーションを促進しています。
デイリースクラム: 毎朝15分程度のミーティングを行い、チームメンバー同士が、進捗状況や課題を共有します。
スプリントプランニング: スプリント(短い開発期間)の開始時に、チーム全員で、スプリントの目標と計画を話し合います。
スプリントレビュー: スプリントの最後に、成果物(動くソフトウェア)を顧客にデモンストレーションし、フィードバックを得ます。
スプリントレトロスペクティブ: スプリントの最後に、チームで、自分たちの仕事の進め方を振り返り、改善点を話し合います。
チームメンバーが、同じ場所で仕事をする: 可能な限り、チームメンバーが、同じ場所で仕事をすることで、自然とコミュニケーションが生まれやすい環境を作ります。
これらの活動を通して、チームメンバー同士のコミュニケーションが活性化され、より良いソフトウェアの開発に繋がっていくのです。
オンラインでも、「フェイス トゥ フェイス」は実現できる
近年では、リモートワークの普及などにより、チームメンバーが、同じ場所にいないことも、多くなっています。しかし、オンラインであっても、「フェイス トゥ フェイス」のコミュニケーションを実現することは可能です。
例えば、ビデオ会議ツールなどを活用すれば、離れた場所にいる相手とも、顔を見ながら、話をすることができます。
大切なのは、物理的な距離に関わらず、「フェイス トゥ フェイス」のコミュニケーションを、積極的に実践しようとする、意識なのです。
まとめ:アジャイルは、「対話」で価値を創造する
アジャイルの原則、その6、「情報を伝えるもっとも効率的で効果的な方法はフェイス トゥ フェイスで話をすることです。」について、詳しく見てきました。
アジャイルでは、情報を伝える際に、直接会って話すこと、つまり、「フェイス トゥ フェイス」のコミュニケーションを、最も大切にします。なぜなら、「フェイス トゥ フェイス」で話をすることで、より正確に、より効率的に、情報を伝達することができ、それが、より良いソフトウェアの開発に繋がると信じているからです。
この原則を、常に意識することで、あなたの仕事は、より円滑に、より効率的に、そして、より質の高いものへと、変わっていくでしょう。
さあ、次のステップでは、アジャイルの原則、その7、「動くソフトウェアこそが進捗の最も重要な尺度です。」について、詳しく見ていきましょう!
理解度チェック
Q1. アジャイルソフトウェア開発宣言の「12の原則」のうち、6番目のものは、次のうちどれでしょう?
顧客満足を最優先し、価値のあるソフトウェアを早く継続的に提供します。
要求の変更はたとえ開発の後期であっても歓迎します。
情報を伝えるもっとも効率的で効果的な方法はフェイス トゥ フェイスで話をすることです。
Q2. アジャイルが、「フェイス トゥ フェイス」のコミュニケーションを重視する理由は、次のうちどれでしょう?
メールやチャットでは、情報が正確に伝わらないから
直接会って話をすることで、より正確に、より効率的に、情報を伝達することができるから
ビデオ会議ツールの使用を推奨するため
Q3. アジャイルで、「フェイス トゥ フェイス」のコミュニケーションを実現するための、具体的な方法の例として、最も適切なものは次のうちどれでしょう?
チームメンバー全員が、別々の場所で仕事をする
デイリースクラムで、進捗状況や課題を共有する
顧客とは、契約書の内容以外、一切コミュニケーションを取らない
解答
A1. 3. 情報を伝えるもっとも効率的で効果的な方法はフェイス トゥ フェイスで話をすることです。
A2. 2. 直接会って話をすることで、より正確に、より効率的に、情報を伝達することができるから
A3. 2. デイリースクラムで、進捗状況や課題を共有する
全問正解できましたか?間違えてしまった方は、もう一度記事を読み返してみてくださいね!
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