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職人肌!息子は手打ちうどんスライダー!

ここ数日、怪我で救命病棟に居た。
12歳以下は院内に入れないので、息子とはお手紙の交換だけだった。

翌日、本来なら2人で科博に行くはずだったんだけも、まだ私の首のグラグラがあり、歩行杖も上野では帰って危険だろうと、息子と2人で過ごした。

息子お手製手打ちうどんである。

iPadを見ながらしっかり軽量してます。
甚平が職人を彷彿とさせます。

小さい頃は二人でよく作った。
その頃は小麦粉をジップロックに入れてタオルに包んだ。
そして二人で掛け声合わせて「1、2、3、4、!」足並み揃えて行進した。
私が「ピッ」と笛を吹けば右に回る。「ピッピ」と2回吹けば2回回る。
まるでリトミックのようで楽しかった。
幼稚園に上がると、ヤンチャになり、タオルの上でジャンプして転んだりもした。
いつもいつも一緒は大変だったけど、今では夢のような時間だった。

そんな彼が「今日は僕が、退院して来たママのための手打ちうどんを作る!」
十歳で足踏みうどんは下の人から苦情が来るのでは?と思ったが、レシピ通り、職人のように棒で伸ばして切る、と。
ほうほう、元々器用であったが、筋がいい。

息子は所謂「勉強」は苦手で、宿題だけしかしない。
やっつけ仕事、もっと頑張ろう、復習しようなどと言う意欲はまるでない。
だが、こうした「ものづくり」にはとてもこだわりがある。
うどん自体はコシがあってとても美味しかったのだが、どうもスライダーをスムーズに流れない。
「そうだ、細くすればいいんだ。細くするには、折って切ればいい」とすぐに取り掛かる。すると今度は見事に流れた。美味しかった。
息子に手打ちうどんを作ってもらう日が来るとは。。。

この数日、私は悩んでいた。早いように思えるが高校受験のことだ。
このエリアでは夏明けから、塾探しをし、体験もし、小5の2月、つまり新小6から高校受験に向かう子が多いのだ。
我が家はせめて中2くらいからでも行ってほしいと思っていたのだが・・・
「学校は好きだし、行く。宿題もする。部活も山もやる。だけど、受験勉強はしない」と言うのだ。
「要するに、努力せず、入れるところに行くってこと?」
「そう言うこと。受験勉強に何の意味も感じない。大切なものは別のところにある」
「ご立派なことをおっしゃいますけど、逃げではないの?」
つい、口を出てしまった「今の勉強量では足りないから少しづつでいいから家庭学習をまたやろう、そうしないと入れる高校ないよ?]
。。。しまった。息子は寝室に行って震えて「僕は高校に行けないんだ」と泣いていたらしい。
なんて言葉をかけていいかわからなかった。

数日前、息子に言われた。
「僕はママが謝ったらすぐに、いいよと言うけど、ママは僕の言ったことを何日もネチネチ言う」と。
あ〜、嫌われる母親の典型である。
だから、息子に謝ることも「おやすみ」も言えなかった。

一緒に足並み揃えて、足踏みうどんを作っていたあの頃はもう戻らない。
彼は彼の人生だ。私が口出すことではない。
喧嘩はしたくない。そこには何も生まれない。だから、私は黙ろう、我慢しよう、たくさんのことを諦めよう。
息子の笑顔さえあれば、どこの学校だっていい。
生きていてくれたら、それがなによりだ。 

昔、祖父が言っていたという。
私が生まれた時、嫁である母に「感謝しなさい。男だったら戦争に取られる」当時は非国民発言であったかもしれないが、世が世なら、息子も戦争に取られていたんだ。
だから、生きていてくれたら、それでいいのだ。

#終戦記念日

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